その二:初パンク記念
前兆があったのは、前の日の事である。
通勤の為に、車を道路に出した時、少しばかり加速が遅いように感じたのだ。
また、当日にも、車を道路に出した時、雪道でもないのにハンドルをとられた感覚があった。
だが、始業時間に間に合うことにか頭になかった私は、その違和感を見逃してしまった。
――物語風に書いてみたが、タイトル通り初めて車のパンクを経験した。
これはいいエッセイのネタになるな、と考えてしまった私は、ナニカを発病しかけているのかもしれない。
発覚したのは、職場で同僚に指摘されてからだ。
違和感を覚えながらも、自分の車のタイヤを見もしなかった私は、指摘されて漸く愛車の前輪の一つがぺしゃんこになっているのを発見した。
知らないって怖い。
タイヤがパンクしたままで走行すると、ハンドルがとられて事故を起こしやすくなるのだ。
事故にならずに良かったと、これぞパンクしたタイヤな状態の前輪を前に、笑うしかなかった。
幸いと言うべきか、タイヤがぺしゃんこになったのは、駐車後であったらしく、ホイール部分は歪んでいなかった。
その為、パンクしたタイヤを近くのガソリンスタンドに持っていくことにした。
メカ系をいじるのが苦手な私に代わり、タイヤを脱着してくれた同僚には感謝だ。
ささっとタイヤを外す手際が格好良かったです、既婚者Kさん。
そして、ガソリンスタンドにタイヤを持って行ったところ、運よく修理できる程度の損傷であったので、十分程度で修理が完了した。
千三百円で修理できたので、ほっとした。
ガソリンスタンドの奥様に話を聞いたところ、タイヤの側面に傷があった場合、修理はできないということだったので、傷が酷くなる前に気が付くことが出来てラッキーであった。
因みに、後で調べたところ、今回はパンク穴のみを修理する、外面修理と言うやり方だったらしい。
別のやり方で、パンク穴とタイヤの内面に修理を施す内面修理と言うものがあるが、しっかり直せる分、こちらは時間もお金もかかるようだ。
ガソリンスタンドのおじさんから、後一年ぐらいは使えると言われたので、あまり無茶な運転をせずに、大事に使おうと思っている。
私の初パンクは、比較的傷が浅く済んだと思われる。
取り敢えず、タイヤはこまめに確認した方が良いと分かった。