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未来の地球からメッセージ

作者: 藤桜

 これはある街に住む女の子のお話。

 ここに住む佳奈ちゃんはとても面倒事が嫌いな女の子。

 今年で小学5年生なのに片づけやお手伝いをやりません。

 今日みたいな暑い日はリビングでゴロゴロしています。


「お母さん。ジュースとお菓子ない?」

「ん~……あっ、貰った乾パンならあるわ。ジュースは切らしてるから水で我慢してね」


 そう言うとお母さんは棚の上にある乾パンを出しました。


「ポテトチップやチョコが欲しいの!」

「買ってこないとないよ」

「それじゃぁあとで買ってきて」

「はいはい」


 そんな佳奈ちゃんにお母さんが言いました。


「そうそう。今度町内でお掃除があるからお父さんと行って来てちょうだい」


 すると佳奈ちゃんは「お父さん一人で行けばいいじゃん。暑いから私は行かない」と言って2階にある自分の部屋に戻ってしまいました。

 佳奈ちゃんの部屋は服が脱ぎっぱなしで机の上には教科書やノートがそのままになっています。


「(こんな暑い日にゴミ拾いなんてめんどいし)」


 冷房を点けてベッドでゴロゴロしていた佳奈ちゃんは眠ってしまいました。

 しばらくして佳奈ちゃんが目を覚ますとそこにはいつもと違う部屋がありました。

 カーテンは汚れてボロボロになっていて電気が止まっているため照明も冷房も点きません。


「何が起きてるの? お母さん! お父さん!」


 大きな声で呼んでも誰も来ません。

 不安になった佳奈ちゃんは部屋を出て1階に行きました。

 するとそこには足の折れた椅子や破けたソファーなどボロボロの家具があり部屋のあっちこっちにほこりが溜まっていました。


「何……これ……?」


 あわてて辺りに何か無いか探すと一枚の新聞を見つけました。

 そこには大きな文字で“ゴーストタウンになる町”と書いてありました。

 佳奈ちゃんは急いで家を出るとそこには不思議な光景がありました。

 空は厚い雲が掛かり、木々は枯れ、近くの川も水が干上がって流れていません。

 怖くなった佳奈ちゃんはいつもの公園に行くとそこには誰も居なく、グランドには草が生い茂っていました。


「うわぁーーん!」


 佳奈ちゃん堪えきれずつい泣いてしまいました。

 でも泣いていては何もできないことは佳奈ちゃんにも分かります。


「誰か探そう……」


 近くのお店や駅などを見に行くことにしました。

 でもどのお店も電気が止まっているため自動ドアが開かず子供の力だと開けることが出来ません。


「お腹空いた……喉乾いた……」


 食料を求めて辺りを歩いていると大きなスーパーがありました。偶然にもそのドアは開いたままになっていました。


「何かあるかもしれない」


 佳奈ちゃんは急いでお店に入りましたが冷蔵庫も止まっているため食べ物はどれも腐っていて食べれません。

 缶詰を食べようにも開けるための道具がなく何も出来ません。

 店内を必死に探すと1つの乾パンが入っている缶と水の入ったペットボトルを見つけました。


「まだ大丈夫だよね?」


 消費期限はまだまだ先なのを確認して乾パンを一つ食べ、水で喉を潤しました。


「美味しい」


 目からは涙が零れました。


「……ごめんなさい。これから片付けもお手伝いもします。好き嫌いしません。だから助けてください……」


 すると突然目の前が真っ暗になりました。

 そして目が覚めるといつものベッドの上。外を見てみるとそこには青い空、大勢の人、綺麗な川、緑の草木が見えました。


「夢……?」


 手には一つの食べかけの乾パンがありました。

 佳奈ちゃんは冷房を切ると急いで1階に行きお母さんのもとへ行きました。


「お母さんー!」


 お母さんに抱きつく佳奈ちゃん。


「どうしたの?」


 お母さんに佳奈ちゃんは言いました。


「今度のお掃除私も行く。あと今日のおやつは乾パンと水がいい」

「分かった。お父さんに言っておくわね」


 あれはただの夢だったのか、それとも未来からの警告なのだろうか?

 緑のあるこの世界がまだまだ続きますようにと願う佳奈ちゃんでした。

この作品は絵本の賞に応募した時のものです

もちろん落選ですけどね;

でも公開しないのはもったいないので少し編集して載せました


@huzizakura

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読んでるときに、その絵が見えました。 [一言] さゆきちです。 とても面白かったです❗ こんなお話の絵本があったらぜひ見てみたいです❗
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