登場人物や世界紹介、用語集的な何か
第二部から読み始めた方(第一部から読むことを推奨しています。もし、これを読んで興味を持っていただけたなら、シリーズから第一部に戻るのもいいかと思います。)や、「あれって誰だっけ」となった時用のまとめです。第一部に登場した主な人物や舞台等の紹介です。(致命的なネタバレにならず、第二部から読み始めても支障とならない程度に端折ってあります。全て物語中に主人公が見聞きしたことで、作中の客観的事実とは異なる場合があります)。
主人公:ある日、気がつけば地球ではないどこかにいた。本名は『瀬野悠馬』。本人が名乗っていないこともあり、現在の所まで誰も本名では呼んでいない。多くの人に記憶喪失と思われているが、実際にはそんなことはない。後述の竜安寺貴子に付けられた『馬野骨造』として活動中。
現地の人からすると信じられない脆弱な肉体の持ち主。具体的には最弱クラスの生物の一撃で瀕死になるくらい。
いつの間にか、見た目・感情・強さ・温度等を数値化できる能力と矢印で場所等を示してくれる能力を持っていた。元の世界へと帰らない代償として、さらに追加で能力を貰ったが、それについては第二部で出てくる。
地球では高校浪人中。さらに優秀すぎる弟へのコンプレックスで引きこもり、かつ、無気力なダメ人間だった。この世界にきてから周りの人達に感化されて、感情や気力を取り戻した模様。弟の他に父親と母親が存命中。父親は市役所の係長。
竜安寺貴子:通称『お嬢様』。身元不明な主人公を拾った奇特な人。金髪縦ロールの美少女。わかりやすい程の高笑いが特徴。その他、勝気で高慢。王弟の子息と婚約済み。恋敵の家の前に馬糞を置かせるのが趣味。
成金貴族『竜安寺家』の娘。本人も金持ち。爵位も持っていて『マサラ子爵』としてマサラ鉱山を中心とした一帯を治める領主でもある。
文武両道で自分にも厳しい。実は圧倒的に才能がない。しかし、それを補って余りある努力をする人。責任感にも満ち溢れている。実は優しい事もあり、実は慕っていたり評価していたりする人も結構いる。
恋敵に主人公をあてがう為に『馬野骨造』と名づけた、この世界での主人公の名付け親でもある。
バトラー:人の形をした人外。六十歳程度で中肉中背、柔和な表情で、どこかで見たことがあるような親しみをもたせる外見、雰囲気の持ち主。竜安寺貴子の執事。主人公が考えていることに対して、度々突っ込みを入れる。主人公に無理難題を押し付けるのは大体この人。『執事の穴』という、腐った女性の方々が喜びそうな名称の場所出身。一応は男爵。
竜安寺家の内外を問わず抜群の信頼度を誇る。その理由の一つが一時代に一人しか存在しない『バトラー』の名称を保有していること(男爵位はこれに付随するもの)。過去最高水準と言われる武闘会で三位になったことがある。
目から出す『執事ビーム』は剣を一瞬で溶かす。他には主人公の数値化能力を使っても強さどころか、場所さえもわからなかったり、逆に強さを探ろうとしていたのがばれたりと、ある意味では主人公の天敵。無理難題を言い渡すだけでなく、味の無い豆の水煮を主人公に食べさせ続けたという意味でも敵。
竜安寺富蔵:『竜安寺貴子』の祖父。威厳とオーラに溢れる。『お茶目』らしいが、主人公にはよくわからなかった。数値化能力によると『観察力:24000 洞察力:36000 知力:68274』。主人公の特殊性に気が付いた様な言動を取る。
貴族では無く『竜安寺商会』の代表者。貴族に成ったのは息子からで、その息子の事を快く思っていない。屋敷は屈強だが柄の悪い男達に警備されている。
竜安寺貴子をバトラーと共に陰ながら守っているらしい。後述の『ルゥ』の寄宿先でもある。
松尾左陣:『左陣』とは誰も呼んでいない模様。二メートル級のマッチョなプロレスラーを思わせる青年。粗野粗暴な言動が目立つが馬鹿ではなかった。『バトラーの右腕』と認知されていて、使用人の中でも頭が一つ抜けた存在。与えられた任務は命がけでも達成しようとする忠実さと、やはり命がけで主人公を逃がそうとする兄貴肌を併せ持つ。『使用人にも出世のチャンスがある』と期待する程度の野心はある。後述のベアトリクス曰く『元愚連隊でバトラーさんが鍛えた』。
ベアトリクス:長身、巨乳で引っ込むべきところは細くなっている美人のお姉さん。上から88-57-82らしい。タキシード姿は巨乳過ぎなければ宝塚にでも居そうな麗人とは主人公の感想。虚弱な主人公がお気に入り。『(松尾と違って)聞いても面白くない過去』の持ち主とは本人の談。主人公の予想ではレディースの総長的な黒歴史。
『紅蓮のベアトリクス』の二つ名を持ち、魔法で火柱を巻き上げたりする。だけど、得意魔法は催眠魔法で『相手が油断していれば屋敷内の使用人クラスでも眠らせられる』らしい。松尾と並ぶ使用人内の幹部。
花代:ベアトリクスに負けない巨乳の持ち主。惜しむらくは、体形が球形なことと中年であること。雑事を色々とやっている。竜安寺本家から竜安寺貴子に付いてきた。
竜安寺貴子の父:通称『旦那様』。竜安寺富蔵とは仲が悪いという。権勢欲が強く、竜安寺貴子と後述『リチャード』の婚約を決めたのもこの人。名前はまだ出ていないが『権蔵』。
スチュワート:竜安寺本家で『家令』の役職名を持つ執事。バトラーも出場した武闘会で準優勝をしたらしい。『武力:----』で表記される程度の実力を持つ。
リチャード:王弟ジョンの四男。超絶美男子でしかも良い人。具体的には『善人度:87 親切心:95』。竜安寺貴子の婚約者でもある。ちなみ竜安寺貴子に対しては『好感度:68』、後述『藤原安寿』に対しては『好感度:530000』、後に『好感度:1020475』。後二段階程上がりそうだったが、バカらしくなり計測はしていない。主人公の事を高く評価している。
藤原安寿:ピンクの髪が異世界を感じさせる竜安寺貴子の恋敵。小動物を彷彿とさせる外見。リチャードとは『好感度:530000』、後に『好感度:1020475』な相思相愛の関係。一時期、毎朝家の前に馬糞を置かれるのが悩みだった。竜安寺貴子の意地悪で特別科に入れないらしく、普通科に通っている。主人公は、この安寿を誘惑する任務を帯びて学校へ行くことになった。数値を知った主人公は当然の話として初日で諦めた。
優しさ満点で、治癒魔法の達人でもある。『女神の慈手』と呼ばれる有名人らしい。才能の人とはベアトリクスの弁。
五月女美菜:小麦色の肌にショートカットをしたボクっ子。農家の娘らしいが、運動が出来るので貴族たちと共に特別科で学んでいる。藤原安寿の友人。竜安寺貴子としょっちゅう喧嘩をしている、一種のライバル。……というよりは、こちらの方が一枚上手で竜安寺貴子を手の平の上で転がしている感がある。竜安寺貴子曰く、山猿。
虚弱な主人公が気になるのか、何かと助けようとする。
ピエール:ラントット伯にしてキノサ宮中伯の子息で九伯家の跡取り。ブラウン系の髪をした青年。結構優秀な上に中々の美形だが嫌味な性格だという噂。『美形度:78 スネ夫度:180』とは数字が教えてくれたこと。竜安寺貴子をストーキング中。庶民の見分けがつかない。
いつもロベルトと言う名の従者を連れている。ロベルトは主人公の事を『竜安寺家の切り札』と思いこむ程度の節穴。
ルゥ:本名、ルゥ・ドゥー・カガチ。ハガン候の娘。歩く暴力。今日も強い相手を求めて、問答無用で拳を振う。王家であるリチャードに殴り掛からない程度の自制心は持っている。ピエール曰く『蛮族で貴族とは認めない』。外見は赤い髪をした小学三年生。得物は自分の身長よりも大きな槌。雷神イワノフの末裔らしい。
ハガン候:北に住む偉い貴族。バトラーや竜安寺富蔵と交流があるらしい。バトラー達が出場した武闘会の優勝者という。『武力:2346e+9』と表記された。主人公が気になる様子。
メアリー:おっぱい。「お胸が113cmもあるんですって! 奥様、いやらしいと思いません?」そんなおっぱい。非常にのんびりと喋る。補講で知り合った。公爵令嬢。歴史教科書の三分の一は彼女の家が関わっている程度の家。だけど、その歴史科目が苦手らしい。
亀島・栗林:竜安寺貴子の取り巻きAとB。
舞台や社会体制等
月が二つあるので地球ではない。人間が怪力だったり、ゴーレムやらワイバーンやらがいたり、魔法があったりと常識外の異世界。と、思いきや石造りの中世を思わせる(主人公の感想)街並みだったり、馬車が主な移動手段だったりもする。文字とその読みと実際の意味がチグハグ。主人公は文字を読める様になったが、実際の意味と合致しないので混乱するだけだった。
貴族制社会。貴族が凄く強い。他に使用人と自由民、身分と言っていいのか不明ながら、従者というのもある。使用人と自由民の違いは不明だが、少なくとも使用者は使用人に対して使用収益処分が許される所有の関係にある模様。
貴族の生まれついての圧倒的な力で社会の秩序が維持されている。そのため『生まれついて』を覆す『努力』は秩序を脅かすものとして推奨されていない。たまに貴族以外からも生まれる才能、例えば藤原安寿や五月女美菜の様な例外は特別に貴族待遇を与えて取り込む制度となっているらしい。
用語集的な何か
竜安寺:元々は運輸業で財を成した大商人。現当主から貴族となった。現当主の娘『竜安寺貴子』も爵位や独立した資産を持つ貴族。資金力を活かして勢力拡大中。商人としては竜安寺商会。商会の方は現当主の父(貴子の祖父)である『富蔵』が代表を務めている。
馬糞:嫌がらせに他人の家の前に置く物。
学校:特別科と普通科に別れている。貴族の子弟及び体力等の才能が認められた者は特別科に行くこととなる。校舎が違う、食堂の内容も違うなど待遇にかなりの差がある。冒険や行軍の予行などが試験となっており、授業内容は全般的に謎。字が読めなくても補講で座っているだけで済む程度のザル。
ぷにゅ:最弱級の生物。小動物系の女生徒である『藤原安寿』の武力が23なのに対して武力は5。それでも一撃で主人公に大怪我を負わせた。
魔法:怪我を治したり、胃腸の調子を整えたり、疲労を回復したりと便利。離れた相手を火だるまにしたり、火柱を上げたりすることも出来る。
治癒魔法:怪我を治せる程の使い手は少ないらしい。
魔法力:この世界の人間は持っているらしい。これを使って防御力や攻撃力を上げているという話。主人公が魔法力の利用を練習しても無駄というのはバトラーの判断。主人公的には、数値化能力を使って魔法力の体への分配状況を知ることで、次の動きを読めたりする。
米:白銀のでんぷん質。日本人の命。
執事の嗜み:ここでは武芸百般。
マサラ鉱山:『竜安寺貴子』の所有物。王都への魔鉱石の主要供給源。『竜安寺貴子』は鉱山周辺を治める『マサラ子爵』でもある。町の大きさは、東京ドーム4633個分。
魔晶石:魔鉱石を精製して作るらしい。エネルギー源として、照明、調理等様々な方面で利用されている。電気・ガス、または電池・ガスボンベ代わりの物。
ゴーレム:自動で動く石造りの人形の様なもの。大きさはピンキリ。モノによってはかなり強い。マサラ鉱山では魔晶石で動くゴーレムも研究中。胸が弱点らしいが胸甲に守られている。胸甲を外す為には設定された一定の手順で動かす必要がある。
ゴブリン:松尾曰く、弱くて頭が悪い。群れる。生きている仲間は見捨てない。女王がいる。
ビーフストロガノフ:リョウリカードNo.258を読み込めば作れるらしい。
虹色軟膏:治癒魔法でも後遺症が残るほどの怪我でも治してしまう軟膏。高価という話。
謎のカプセル:バトラーが主人公に飲ませていたもの。瀕死の大怪我でもすぐに回復できる。鉄を食べたことがない主人公によれば、鉄の味がする。
七色草:ナドヤ山に生育している。虹色軟膏の原材料。ただし、普通での方法では虹色軟膏を作ることはできないらしい。
ハガン候:メニチェを中心とした領主の爵位。ナドヤ山も領内。ピエール曰く、蛮族。王国と戦争をしていたらしい。停戦条件として侯爵として王国の冊封体制に加わった。
竜安寺の使用人:一騎当千で有名らしい。
使用人:日本語の使用人とは随分と意味が違う。物と同じ扱いらしい、所有者は使用収益処分の権利を持っていて殺しても構わないという。
自由民:使用人よりも遥かに良い立場らしい。
貴族:偉い。強い。