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うさぎのモリー  作者: tom
9/11

第二の人生を切り開け

第九話更新ですw


『人間になれるのか‥‥?』


モリーの表情が硬くなる。


『ふむ。なれないことはないじゃろうな、まあそのためには努力と根性が必要じゃが』


ニンジンじじいことこの国の王は笑った。


豪放磊落な気性のこのじじいにしては俺が人間になれないことに重みを置いているようだ。


しかしこのじじいのことだ、油断禁物。

モリーは警戒した。


『王様、うさぎさんが人間になれる方法をご存知なのですか?』

毒舌地味眼鏡系女子ことルミはモリーの代わりに口を開いた。


『ふむ。人間になるためには、自らを絶つことか必要じゃ』


『自らを‥‥絶つ?』

トビリア、ルミ、モリー‥‥そして偶然居合わせたジャガイモババアは目を丸くした。


『って!いつからジャガイモババアここに居やがったんだ?!』

モリーは仰天した。


『あんた相変わらずネズミみたいだねえ?あれ猿だったっけ?』

皺苦茶の顔にハスキーボイスのババアと会うのは久しぶりだ。


『黙れ!!』モリーはジャガイモババアとの因縁を断ち切りたくて仕方なかった。



『あー、もう騒がしいわね。いい加減にしてようさぎさん?要するにうさぎさんが人間になるには、うさぎさんを皆で食べればいいということでしょう?』


『はあ?!』


毒舌を超えて、もはや弱肉強食の理論で通そうとしている恐ろしい女だ。


すると今度はトビリアが『大丈夫だよモリー、僕もモリーと一緒にお鍋に入ってぐつぐつ煮られるから』

全くフォローにもなっていないことを言い出した。


『てめえらふざけてんのか?!』


モリーは叫んだ。


『俺に自殺しろとでも言うのか?!』


『ほっほっほ〜、深読みしすぎじゃよ』


『深読みしなくたってそういうことじゃねえか?!なんなんだこのじじいはっ‥‥』


『それがしが言いたいのはなあ、要するにじゃ‥‥』


ニンジンじじいの顔がさらに渋くなる。


『第二の人生を切り開くことじゃよ』


それだけ言い残し、王様は去って行った。



残されたモリーたちは口をあんぐりと開け、とにかく時間を返して欲しかった。



『あのおじいさん、何が言いたかったのかイマイチ分からなかったね、モリー。あんなんでよく王様が勤まるもんだよ』

へらへらとトビリアは珍しく正論を言った。


『全くだ。なにが第二の人生だ。書店の先に置いてある本の帯に印刷されてそうな言葉だ。』


モリーは不機嫌真っただ中である。


『うさぎさん、時間を返して欲しいなんて無理難題は言わないから、代わりにアイスを奢るくらいはして欲しいわ』


『王様の左手』とも言われるルミの異名を知っているモリーは『王様に頼め』と吐き捨てた。


ジャガイモババアはというと、王様の肩に寄り添いながら鼻歌を歌って行ってしまった。


全くお似合いなカップルだぜ。

そうモリーは心で呟いた。



結局モリーの人間になる方法は闇に包まれていますw

なんだかんだ言って毒舌地味眼鏡系女子(王様の左手という異名も持つ)ルミはモリーが気になっている女の子なのかもしれません。

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