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うさぎのモリー  作者: tom
2/11

美青年だけど微青年

第二話です。

新キャラ登場ではっちゃかめっちゃかです。


 


 岡を超え、砂利の小道を通り、川を渡り、そしてまた岡に登ることを繰り返すモリーはとうとう倒れた。


気がつくと西の方に太陽が今にも沈みそうになっていた。


『俺の墓場はこの岡で決まりか‥‥?』



『意外とそうでもないかもよ』


不意に寝そべっているモリーの頭上から声がした。


見上げると、そこには



『びっくりするほどの美青年が居たと思ったでしょ?』


黒髪を肩まで伸ばした整った顔つきの若造はニコリと笑みを浮かべた。


別にびっくりするほどだとは思わないが自分で言っていて痛くないのだろうかと逆にモリーは心配になった。



『女じゃないのか、お前』


『あ〜それね、よく言われるよ』へらへらした雰囲気は余計に男だとは思えないとモリーは密かに思った。



『俺に何か用か?悪いが今機嫌が悪い上に、お腹が空きすぎて死にそうになってるのを演じて善人に声をかけてもらうのを待っていたところなんだ』



『あははっ君、面白いね!ん?てことはもしかしてその善人って僕のことかな?』


お調子者っぽい若造だ。


『お前に俺を救えるのか?』


やや見下し気に問いかける。


『さあ、どうだろう?ワンコインくれるなら考えなくもないと思うよ』


こいつ‥‥俺が一文無しなのを知っての発言か


モリーはさらに苛立った。



『冗談だよ、そうイライラしなーい』


白いポロシャツをふわりとさせてダブルループする。


その青年をこの世で一番うっとおしい存在とモリーは認識した。


『でも、僕は君の力になりたい。だから話かけたんだよ。そうだっ名乗るのが遅くなってしまったね。僕はトビリア、よろしくね、うさぎ君』


首を傾げてまたあのへらへらした笑みを浮かべた青年は握手をしようというのか


モリーの前に手を伸ばした。



『とりあえず起きていいか』



差し出された手にモリーはおもいきり自分の手を叩き付けた。






 『痛いじゃないかモリー君、乱暴者は女の子から敬遠されちゃうよ』


『敬遠されるどころか、わざわざバカにしてくる連中のが多いがな』


すっかり日の暮れた空には無数の星々がひそかに光っている。


『ところでお前、トビリア、俺をどこに連れて行くつもりなんだ』


岡を下り、森の中を二人(匹)で彷徨う光景はモリーは内心嫌だった。


どうせなら可愛い女の子と一緒のほうが断然良いからである。



『い・い・と・こ・ろ‥‥だよ♪』青年はちゃめっけに答えたが、その顔面を殴りたくなった。


暗い森の中ではフクロウの声や発情期の猫の声、はたまたあんな声やこんな声がどこからともなく聴こえてきたが、あんな声やこんな声はモリーの脳内での話である。



『さて、着いたよモリー君』


有名なホラースポットの廃屋ならぬ廃屋敷だ。


『なんのつもりだコノヤロー』キレるモリー。


『ここを僕らの家にするんだよ、ていうかここ僕ん家だしね』



レンガの積まれた外壁に人が寄り付いていない証拠の雑草の茂り具合。


扉は鉄格子でところどころが錆び付いて近づくと血のような匂いが鼻を刺激する。


なによりも奥に見える屋敷は立派であったと感じさせるほどの存在観や奥ゆかしさを持ちながらも、寂れた感じは否めず、新鮮味に欠ける。


『いかにも幽霊とか出そうじゃねえか!なにがいいところだあ!!?』再びキレる


『無理もないね。僕の趣味はいろんな廃墟を見て回る事なんだ。こーんなふうにね♪』

今度はシングルループだ。


モリーは呆れたようにその場に座り込んだ。











キャラ紹介


モリー

外見;ネズミのように見えるうさぎ。体毛は灰色。耳が短いのが特徴。


性格;おっさんっぽい。口が悪い。女好きな言動があるため女好きだと思われるがおばあさんは嫌いらしい。メンタルが弱いと自覚している。一文無しの無職で居候兼使いっ走りで衣食住しては、雇い主がババアすぎるという理由で離脱している。


癖;たびたびクズ発言をする。話相手にツッコミを入れる。




トビリア

外見;身長172センチ。細身で黒髪はさらさらで肩につくくらい。女の子と間違われることと独りで居る事が多い。鼻は高く色白。瞳は紫色。奥二重。 


性格;へらへらしている。自身を美青年だと思っている。いきあたりばったりのような感じで他人に理解されにくい。趣味は廃墟探索。癖;調子に乗ると回転する。ニコリと笑う。

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