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うさぎのモリー  作者: tom
10/11

四月一日

第10話です^^


 ーホー‥‥ホケキョッケキョ



薄いピンクの花びらがネズミのような灰色の動物の鼻先に舞い降りた。


『はっ‥‥はーっくしょん!!!!!!!!!!!!』


大きな大きなくしゃみがへんてこな国に響き渡る。


『ったく、春ってのはどうも好きじゃねえ』



モリーは芝生の上に寝そべり執筆活動を続けているようだ。


そんなモリーの元にまたしても邪魔が入る。



『うさぎさん、せっかくの春なのにそんなところで寝そべっていたら春が台無しになるでしょう?』


俺のことを”うさぎさん”と呼ぶのは間違いなくあの女しかいねえ。


顔をあげると


サングラスをかけた少女が水色ストライプのワンピース姿で立っていた。


毒舌地味眼鏡系女子ルミ。


『そこ邪魔だ、影になるだろ』切れ気味にモリーはルミに言った。


『失礼しちゃうわ。せっかく人が御馳走を持って来てあげたのに』


モリーの短い耳がぴくっとした。



サングラスをかけているので余計になにを考えているのかが分からない。

まじまじとルミを見続け、モリーは倒れた。


『お前の考えてることがさっぱり分からないな』


『人の考えてることが手に取るように分かる人なんていないわよ』


ああ言えばこう言う。



『はい、これ』

ルミが差し出したものはランチバッグのようだ。

『サンドウィッチ、私が作ったのよ?食べてくれるわよね?』


『なんだお前、ヤンデレか?血とか髪の毛とか入れてないだろうな?』


『爪ならいれといたわ。』


『な?!』



『爪や髪は消化されにくいって聞いた事あるわ。自分と同じ細胞で作られているものは残ってしまうらしいの』


ニヤリとルミは笑みを浮かべた。



『気持ち悪さがあのトビリアを超えてるぜ、ねーちゃん』


モリーは恐怖した。


『冗談に決まってるでしょ?相変わらず変態ね、うさぎさんは』


それからモリーはお腹が空きすぎていたのでサンドウィッチを結局食べた。


『んー。まあ味は☆0.5くらいだな』


『うさぎさん、うさぎさんをサンドウィッチの具にしても良かったのよ?』


今度はルミが切れた。


『それにしてもお前にしては気前がいいじゃねえか、なんか性格でも良くなったのか?』


『性格はもとから良いわよ。』

ルミはフンとして行ってしまった。


『全く何考えてるんだか‥‥』


四月一日の出来事だった。








読んで下さった方、ありがとうございます!

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