表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うさぎのモリー  作者: tom
1/11

ジャガイモババアからの離脱、そして芽生える心

完全にシュールっていうのでしょうか、架空のお話です。一応ジャンルはコメディです。

口の悪いうさぎの日常という感じです。



『このネズミ!!』


ハスキーボイスで叫んだのはじゃがいもみたいな顔をしたババアだった。


これで何回目なのだろうとモリーは憤りを通り越してお地蔵様のような穏やかな表情にもなれずにいた。


ここのところモリーはいろんな家を転々としている。


『ちくしょうっどこに行ってもじゃがいもみたいなババアしかいねえ』


これが最近のモリーの口癖である。



 ご覧の通りモリーは口が悪く、おまけにネズミに似ているうさぎを想像してほしい。



『どこか他に居候できるとこ探さねえと‥‥。』


モリーが呟くように言い放つと現在のモリーの主のジャガイモ‥‥いや、おばあさんがさらに声を荒げて


『ネズミ!!今なんと言ったんだい!?』


とぶち切れた。



するとモリーは『もういい』と言い



今度は本当にお地蔵様のような穏やかな表情を浮かべて『去る』


と言い、ぴょんぴょん飛び跳ねて行った。



後に残されたおばあさんは


『猿だったのかい‥‥』と首を傾げながら、ちょっとズレた解釈をした。



 

 モリーは貧乏で十分な職にもありつけないでいた。


昔の将来の夢はお金持ちになるか、性転換してお金持ちと結婚することだった。


けれどもその夢も打ち砕かれた。


『この呪いさえなければ、俺は‥‥』



 モリーの呪い‥‥それは、人間になれないこと。


この国に住まうものすべては初めはなんらかの動物で、悪い行いや態度が悪いとそのままで


良い行いや普通に過ごしていたら、人間になれるという意味不明な国なのである。



 

モリーは周りに『俺今落ち込んでるから話かけんなよ』と話かけながら森を歩いた。


歩いている途中、知り合いの友達の女の子共に遭遇した。


『女の子共に囲まれるのはまあ、良い気分っちゃあ良い気分だよなあ〜』


そうモリーはニヤつきながら心の声をそのまま口に出した。


ちなみに女の子共は全員人間である。



そばかすの目立つ気の強い子アミがそれをチラ見し、小声で『どうしよ〜』ともう一人の地味な子に話す。


するとその子が『どうしよ〜だってさ』とはっきり告げた。


『はっきり言うな』モリーはつっこみを入れた。


『アンタまたやらかしたのね』地味子は再びはっきり言った。



 黒髪ショートの色白眼鏡(中肉中背)、彼女の外見はこんな感じ。


モリーはうろたえた。今月に入って三度目の退職、いや自主退だ。


しかも目の前に居るのは毒舌地味眼鏡系女子として有名なルミだ。


『もう帰るからなにも言わないでくれ』モリーは自身のメンタルを心配し、頼み込んだ。


『帰る‥‥どこに?帰る場所なんてないんでしょ?うさぎさん』


灰色の毛が砂へと変わり始めたモリーは泣いた。



ー言い過ぎたかしら?


『すこしキツかったかしら?』


ルミはさっきとなに一つ変わらない口調や態度でモリーを心配する。


するとモリーは意外にもこれは嬉し泣きであると発言した。



『俺は今まで、まずネズミ、そしてネズミ、それからネズミ、そう、ネズミと呼ばれることがほとんどだった。だから今、毒舌地味眼鏡系女子として有名なルミにうさぎにさんまで付けられて呼ばれて嬉しくって、ズピッ』


最後の『ズピッ』は鼻水をすする音である。


『何を言っているんだか分からないわね。私は単純にあなたの名前を知らないからそう呼んだのよ』


『え?嘘!?この人、ネズミじゃないの?!』アミが仰天する。



『人でもねえよ』


最後にモリーはツッコミを入れた。





























読んで下さった方、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ