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#01 落ちました、大学!

牛乳大好きです。大学受験に落ちました!

僕がじゃないです。主人公がです。

斯く言う僕も落ちるかもしれません!

 校門前の桜がようやく八分咲きになった頃だ。あたたかい南風が吹き下ろして頬を撫でる。

 先月の後期試験の合格発表。スクリーンに整然と並ぶ数字たちの中に、私を表すものはなかった。

 今日に至るまで学校に報告を入れなかったため、担任からSMSで呼び出しがかかった。せめて家の電話にかけてほしい。というか、卒業したのだから私の番号を消してほしい。


「これからどうするの?」

 そのようなことを聞かれた。その問いに私は答えられなかった。担任は呆れた顔で次を切り出した。

「浪人するの? それとも、就職する?」

 そういうと担任は二枚の紙切れを私に差し出した。

「求人・・・・・・票?」

 一枚は求人票、もう一枚は私の履歴書だった。ある程度の項目がすでに埋められている。

「あなたどうせ失敗した時のこと何も考えていないと思ったの。だから最近起業して、人手が足りないと嘆いていた知り合いから要項もらっておいたのよ。日中働けて、若くて顔のいい子を探してたから、あなたなら即採用されると思うわ。どうせ大学に行きたいって訳でもないんでしょ」

 決めつけている節が気にくわないが、実際その通りなので反論できない。

「ありがとうございます」

 私は素直に担任の厚意に甘えることにした。

「面接は今日の午後三時に組んでおいたから」

「唐突!」

 在学中から思ってはいたのだが、やはり行動力のある女性だ。その上観察眼もすごい。少し癪だが、憧れる。



 求人票に書かれていた住所は学校の近くだった。テラス席のある、お洒落なカフェという印象だ。こんなところで働かせてもらえるならいいなぁ。


「失礼しますっ!」

 面接室に入ると、パイプいすが一つ用意されていてその向かいに男性の面接官が一人座っている。

「お掛けください」

「失礼します」

 ゆっくりいすに腰掛ける。

「合格」

「え?」

「合格だよ、明日から来れる?」

「は、はい!」

「じゃあ、よろしくね。今日はもう帰っていいよ」

「ありがとうございます!失礼します!」

 

 あっさりと決まってしまった。もしかして人生イージーモード?なんて暢気なことを考えていたのも束の間、だんだん不安になってきた。いくら担任がセッティングしてくれたとはいえ、いくら何でもいすに座った瞬間合格というのは、怪しすぎる。怪しいけど・・・・・・

「ま、いっか」

 私は玄関の扉を開けた。

「お母さん、私明日から働くことになったよ!」

「は?」

 正常な反応だ。

今後の更新は未定です!

牛乳大好き先生の次回作にご期待ください!

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