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プロローグ

 時計は6時を表示していた。もう少しで夏だというのにの冷たい空気が部屋の中を駆けめぐる。そして私はこう思うのだ。

 今日こそは学校に行ってやるっ!


 時計は8時を表示していた。デジタル時計の画面は遅刻でも学校に行けと言っている。

 …無理だ。あのクラスの人の『またあの人遅刻か?邪魔ってか来るな』オーラを感じなきゃじゃん。怖いし、着替えるのも面倒だよ。

 準備だけされて置いてきぼりの鞄が申し訳なさそうにこちらを見ている。

 ごめんよ?また連れて行けなかったね。でも明日こそ行くから!

 とはいっても暇。暇すぎる。暇暇すぎる。勉強はやる気でないし、朝ごはん食べようにも、母親がいる間は死んでもリビングに行きたくない。

 そうしていつものように何回読んだかわからない漫画を読むのだ。正直、台詞を全部覚えてしまって何の楽しみにもならない。暇潰しでしかない。

 時計は9時を表示している。

 母親が仕事に出掛けたあと、私はリビングで遅すぎる朝食をとるのであった。

 学校に

行きたくないわけではない。むしろ、とっても行きたい。私の頭の中でいつもぐるぐると違う考えが回っている。

 友達であろう人からは毎日、『学校に来い』とメールが入る。

 部活の先輩からは、『無理して来なくてもいいけど、誘拐されたかもと心配になるから、来て欲しいな』とメールが入る。

 行きたいの。とっても行きたいの。

ーーでも、行けないの。

読んでくださり、ありがとうございます。至らぬ点がありましたら、コメントしていただけると助かります。

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