表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悠久なる魔法ノ旋律  作者: 瑛樹
2章
11/25

仲間

海紗が放った灯が闇夜に花咲く。

七色の輝きがその空間を飲み込んだ。


『おのれ……小娘如きが…。』


仮面の女の素顔こそ見れないが、舌打ちをしているのか。チッ…と小さな音を立てていた。


『私達は貴女を畏れたりしません。負けません。』

庵が仮面の女を睨みつける。


『そうですね。庵の仰る通り……私達もその言い分に賛同しますよ。そして導きましょう。』

『我々の道標のひかりみやが云うならば、どのような壁であろうが道は在るだろうな。』


『その声は……貴と湊鵺か…。』

戸惑いの声が漏れる。


『えぇ。貴女は……』

言いかけると、赤紫色の双眸そうぼうを見開く。

『湊鵺……。』

仮面の女も言いかける。


『貴女という人は。仕方がない真実なのですね。良いでしょう。我々で息の根を止めるまで…。』

『そう……。なら私も容赦はしないわ。神の一族の君。』

『その呼び名は皮肉ですか?』

溜め息混じりに見据える。湊鵺の瞳には珍しくひと欠片の優しさもない。


『水鵺が相手をするまでもない。俺が処理かたづけてやろう…?』

『嵩…』

『わ、私達も戦うよ!』

海紗が口を挟む。すると驚いた表情をしたのが水鵺と嵩。

『僭越ながら私も戦いますわ。』

『僕だって、ハーフだけど力はあるよ!』

『それは私も。悠だけじゃ不安だし。』

庵達も海紗の言葉に続く。


『それじゃあ、皆であの仮面の女を倒そう!』

海紗が天に向かって手をかがける。

その姿に互いに頷き合う庵達の姿。それを冷ややかに見つめる仮面の女は静かに舌打ちをした。


『下等なる生物(にんげん)ほど束になる。』

ふふふ、と下卑た笑いを仮面の下から覗かせる女。

不気味以外の何者でもない光景と姿。


『人は我等が思う程、下等では無い。』

言い切ったのは嵩だった。その言動に目を見開く水鵺。

『人は確かに我々よりもか弱く、脆く、儚い。寿命も全く違い散って()くが気高く誇り高い者達だ。』

嵩の言葉を聞いて微笑む水鵺。その表情は慈愛に満ちている。


『魔族の一族の癖に、人間寄りです事。愚かな。愚か過ぎますわよ。嵩殿。それでは貴方様の婚約者(フィアンセ)も哀しむ事でしょうね。』

『黙れ。下衆(げす)の塊め。』

怒りに満ちる嵩。

『水鵺殿?我々と組ませぬか?』

仮面の女は水鵺へと手を伸ばす。すると茂みの死角から無数の影が飛び出す。


『何か来る!』

海紗が俊敏にその影を魔法で迎え撃つ。

『此処は私に任せて下さいね。』

にっこりと微笑む庵。魔法陣での防御で仲間を守護による援護魔法を唱える。


ほっとする一行だったが、直ぐに場の空気が凍った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ