答え合わせ・1
注意! 注意!
ここから先は解答編となります!
最後まで推理を固めたい方は、ここが最後の引き返しポイントですよ!
作者言いましたからね! くどいくらい言いましたからね!
普通に読み進めたい方は、このままどうぞ!
……よし! これで十分、前書きで文字数稼げたな!
多分大丈夫ですよね? 下側の文章見えないですよね?
計算間違っていたらごめんなさい!
「もうすべて分かっているぞ。随分と捻くれた表現じゃないか――」
村長が名を呼ぶと、草むらからある人物が顔を出す。現れたのは村の若者。険しい表情だが、まだ認める気は無いらしい。今日の会話を持ち出してすっとぼけた。
「村長と竜人娘が話しているのが気になって。あ、あの時はハーピィ娘にからかわれたから、ちょっと認められなかっただけッス」
「感情自体は認めるか。そりゃそうだ。お前はそこだけは揺らがない。いや、揺るがす訳にはいかない。でないと、今までの犯行全部が無駄になっちまう」
互いに剣呑な気配のまま、竜人娘の家の前で対面する。何らかの核心を得ているだろう村長へ、若者は自分から問うた。
「一体どこで……そこまで自分は疑われたんッスか?」
「何か一つ、分かりやすいのがあった訳じゃない。小さな違和感が重なっていたのと……お前を犯人と仮定した時、色々としっくり来ただけだよ。
二日目……お前はオバチャンの家に突撃した時、お前は同伴した。あれは協力的な態度に見えるが、その実本当は……俺を見張っておきたかった。現場に証拠がある危険性も考慮していたのだろう。突入に乗じて、証拠があればもみ消せる立ち位置を欲した」
疑念を持ってみれば、そのような解釈も出来るかもしれない。しかし素直に考えれば、これは村人として協力的な行動にも映る。現に合議に出ている全員は、若者より竜人娘を疑っている現状だ。
これだけでは弱い。納得できない若者へ……村長は三日目の行動も含めて推理を続ける。
「三日目……狼女が殺された日。お前は俺より先に家にいた。証拠が残ってないか注意も兼ねていたろうが……これは言うほど不自然じゃない。俺が違和感を覚えたのは――『お前は扉を開けようとしなかった』事だよ。あの日の話し合いでもちょっと言ったが……『犯人は最後まで狼女に抵抗されたから、扉の鍵が開いているとは考えられない』状態だ」
「全員を集めてから、改めて調べようと思ったッスよ」
「それでも、ダメ元で扉に触れてみるぐらいはすると思うがな。最初からそれさえ諦めて気づかないのは、犯人の素養と感じたよ」
「他には? まだあるッスよね?」
若者の問いかけに、静かに頷く村長。不審な点の積み重ねを、彼は淡々と語り続けた。
「お前は三日目、村八分について自分から明かしたな。過去の記録、それらしい日記を見つけたと言って」
「そうッスよ。嘘だって言いたいッスか?」
「いいや、真実と認識している。竜人娘からも同じ情報を得ているからな。だが……村八分なんて後ろめたい事柄は、誰だって自分からは口にしたがらない。三年前に居なかった俺やハーピィ娘は知らなかったし……恐らくドワーフやお前の相方も、半分以上忘れかけていたんじゃないか?」
一瞬だけ感情を揺らがせた若者は『相方』の単語に反応したようだ。共犯者である植物オタク兄貴だけれど、本日に死亡……いやコイツに殺されている。そのことから、村長は一つの事柄を見抜いていた。
「お前さんにとっては『村八分』は大きな動機なんだろう。許しがたい事なのだろう。だが移民した奴は知らないし、やった側も三年前の事なんざ、細かく覚えちゃいない」
「ふざけているッスか?」
「人間そんなもんだよ。傷つけた事に無関心で、傷つけられた事を忘れられない。昨日今日の事でさえ、やった側は覚えてねぇよ。ましてや、三年前の事件なんざ……話題にする時しか思い出さん。だから、そうだな。『動機の一つとして村八分を話題にする』ってのは、当事者以外だと不信感がある。俺は、悪魔が言い出すと踏んでいたぐらいだよ」
「その時は知らなかったんじゃ?」
「二日目に竜人娘から聞いていた。彼女が言い出す分には、当事者だから違和感はない。そしてお前さん……今日『竜人娘へ特別な感情を抱いている』と自白したな? それが……殺人の動機に繋がった。愛か恋かは知らないが……彼女へ強い思慕を抱いた事で、村八分を他人事と捉えられなくなった」
村八分の話を聞いたとて、村長目線は『そんな動機もあるのか』『そんな話があるのか』と、聞いた瞬間は感心する。しかし長期間覚えていられるだろうか? 日々の生活に追われていく中で、生活に関係の無い事象は記憶の隅に追いやられていく。その時の植物オタク兄貴の反応から、村長は犯人同士の連携の甘さを見抜いていた。
「これは予想だが……一日目、二日目の犠牲者の『村の長老格』『噂好きのオバチャン』は、村八分の中核人物だった。そして植物オタク兄貴にとっても、恨みを抱いている相手だった。俺の予測が正しければ……お前らが組んだ理由は、殺意を抱いた相手の合致。この二人の殺害までは、利害が一致していた。
けれど三日目の殺人……狼女の死についてはモメたんだろう? あの時、植物オタク兄貴の証言は歯切れが悪かった。恐らくお前の相方は『一日目、二日目の殺人で目標達成』か、それに近い心情だったんだろう。
だがお前は理由が違った。必要であれば、それ以上の殺人を犯す事に躊躇が無かった。そこで溝が生まれていたんじゃないか? 故に――四日目の今日、共犯相手を殺す事も躊躇わなかった」




