第??? いつかの話
「我、汝に命ず──」
轟っ、と爆音が空気を震わす。
元々、ここがどこだったのかということすらわからなくなっている荒地。
家やお店らしき建造物は、ほとんどが破壊されており、無事なものはない。
空は赤く濁り、炎が舞うようだ。
人は、いや、人らしき焦げ茶色の物体が、あちらこちらに投げ飛ばされている。あるものは物の下敷きに。あるものは何かに刺さり。あるものは斬られ。あるものは焼かれ。あるものは凍らされ。
耐性がない人ならば吐いてしまうだろう。そんな悲惨な状況だった。
鳴き声が、叫び声が響く。
プテラノドンのような飛行生物が空を飛び交い、トカゲのような生物が地を這い、人の形をした生物が、獣のような生物が地を歩く。
決して、“主”となってはいけないものたちにより、埋め尽くされていた。その生物を魔物と言った。
その中に。二人の人間が立っていた。いや、人間のような姿をしているだけで人間ではないかもしれない。しかし、魔物と戦っているのを見ると人間の敵ではないように思う。
二人は女性だった。方やメイド服を着、片手に機関銃を持った美少女。方や、少女よりかは幼女と言った方があっている、『大きな鍵』を持ったゴスロリ服の少女。ゴスロリ幼女は、真っ黒である。全身真っ黒。プラスで黒い傘でも持っていれば完璧なのだが……彼女が持っているのは、何故か大きな鍵である。そして、機関銃。機関銃など、この世界には存在しておらず、メイドの手にあるのはおかしい。
しかしここは、ファンタジーの世界。あらゆるものがおかしく、おかしくない。故に矛盾も矛盾ではなく、どれが不可能でどれが可能かもない。解放されているといっても過言ではない。
さて、問題は、彼女たちのことである。
何故、こんなところにいるのか。
犠牲となった者たち以外の人間は既に避難をした。途中で襲われたら最悪だが、戦いに長けている者たちがついているため問題はないだろう。故に、一緒になって避難すればいいはず。だが二人は、堂々と、敵の真ん中に立っていた。立って、戦っていた。メイドは、機関銃で敵を射ち散らし、幼女は、『大きな鍵』をぶん!と振り回し敵を薙ぎ倒していく。『大きな鍵』は本来、そのように鈍器として使うものではないが、しかし、敵を倒せないというわけではない。そして、メイドがなぜ、機関銃を使っているかというと、それはいつか知る時が来るだろう──といっても、たいした理由ではないのだが。
突然、戦っていた二人が戦いをやめる。メイドの少女は持っていた機関銃を投げ捨て、幼女は持っていた大きな鍵を横にして両手で持ち、メイド少女に向かって、こう言った。
「我、汝に命ず。──禁じたる魔聖の門、その怒りを以て、示し給え」
そう言ったかと思うと、『大きな鍵』が光始めた。眩しくはないが、結構な光量だ。
それとほぼ同時に、
───メキリ
そんな音がしたと感じるほど奇怪なことが起きた。
幼女の手にはいつの間にか大きな『金色の鍵』が握られていた。それが先ほどから持っていた『大きな鍵』であることは状況から考えて理解できる。しかし、その後の行動は理解できなかった。
幼女が『金色の鍵』を両手で持ち、それを──メイド服の少女の胸にある鍵穴の形をした空洞に差した。
鍵が3分の1ほどまで挿し込まれたとき、鍵を回した。
ねちゃり、と音がすると思ったが、普通に錠前に鍵をさし開けたときの、カチャリ、という音がした。
そして────
────光が全てを埋め尽くした。
ぅぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおとぉぉぉぉおおおおお!!
↑
関係ないものを書いてみました。
作者はこの話を書いたあと叫びました。それが上記に書かれているものです。気にしないでください。
あとがきのところか前書きのところに書けばいいですって? いいえ、ここに書くからいいのです。
どうやってここの場面まで持ってこようか。