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053 魔石譲渡

不定期更新です。

語彙力がありませんが

読んで下さる皆様に感謝。

m(。≧Д≦。)m


誤字脱字ございましたら

ご指摘下さると嬉しいです。

「グリンを迎えに」


 ボクは何を当たり前の事をと返答した。


「そうじゃなくて、ホルンちゃんに投げ飛ばされたよね?」


 あぁ、それで。


「あれくらいどうってことないよ」


 と、見栄を張るが本来はゴーレムの手を借りている。


 ……いや、正確には足と羽か。


 彼には助けられたし、新たな名と魔石をあげなければ。


「流石は冒険者か、私は無理だな」


「イクスさんなら転移すればいいじゃん」


「転移か……、転移は精神が安定していないとうまく発動しないんだ。落ちる恐怖に晒されてたら、たぶん発動できないかな」


「そんな欠点があるのか」


「これは私の欠点だけどね」


「ボクも最初焦ったよ。でもだいぶ滞空時間が長かったから……慣れた」


「あんなの1回で慣れないよ。やっぱり冒険者は頭の出来が違うのかな」


「それは誉めてるのか、思考が単純と馬鹿にしてるのか」


「恐怖に対する耐性を誉めてる」


「まぁ、ボクは冒険者にはなったばかりだから、どっちでもいいけどね。それにあーゆうのは、イクスさんの言う通り職関係なく個々の性格だよ」


 と、言いつつもスキルがある世界だ。


 恐慌耐性とかあるなら、上がれば冷静に判断出来るようになるのかな?


 恐慌耐性……あるなら上がってる気がする。


 ホルンの鷲掴みに対する恐怖……は痛みが無かったからな。


 だが空に投げ出された後の反応は地球でのボクなら考えられない。


 耐性……ありそうだな。


「だよね。やっぱり」


 言うのは確認してからでいっか。


「イクスさんは生産職なんだから、いざという時に身を守る魔道具とか作ってないの?」


「あるけど」


 結界を発動する魔道具がある。

 

 だが、これはオートで発動する物ではなく、使用者の意思で起動しなければならない。


 転移が発動できない状況で結界を発動できる自信がないと言われた。


 結界の意味よ……。


「危機的状況にのみ発動できないの?」


「構造的には可能だよ」


「なら━━」


 イクスは首を横に振る。


「危険感知の魔道具と組み合わせるんだが、危険感知の魔道具は常に魔力を消費する。この研究所でも使ってるけど年間使用で中規模ダンジョンの核並みの魔石が必要だ。1ヶ月でも小規模ダンジョンの核は必要だろう。個人が持ち歩くには大きすぎるよ」


 サイズと魔力の問題か。


「それって、この魔石なら可能?」


 サムはストレージから問題になった魔石を取り出す。


 なお裁判に提出された魔石はグリンが新しく作成した物でサイズは米粒サイズに変更していた。


 あの裁判では証拠物として箱に納めたまま進行。


 箱は元のままなのでゲリオスにはバレていないだろう。


 すり替えたのは言うまでもなく人から出たと偽装する為だ。


 内包魔力もほどほどに収めている。


「余裕だね」


「じゃあ、あげるから試してみてよ」


「ただで貰うわけにはいかないよ。と言っても買える代物でもないんだけどね」


「いいんだよ。物の価値なんて人それぞれ。ボクにとっては冒険者のランクあげ。グリンにとっては未知(スイーツ)との遭遇(出会い)くらいの価値しかない」


 ストレージにいるゴーレム達には強化素材だから喉から手が出るほど欲しいだろうがグリンがいくらでも作れる。


「売れば一生暮らせるよ?」


「売れる店があるの?」


「オークションに出すとか」


「仮に売れたとしてヤバイ人に目をつけられる。ボクは平穏に暮らしたいからパスするよ」


「欲がないなぁ」


「平穏を望むのも充分欲だと思うよ」


「価値は人それぞれ、欲も人それぞれか」


「そうゆうこと。それに魔石はグリンがいくらでも作れる。魔石販売で生計たてようと思うなら常識的なサイズにしとくよ」


「それじゃ、この魔石はいくらで売ってくれるのかな?」


「相場がわからない」


「相場か、物が物だからね。内包魔力に加え利便世の高いサイズ。1つ1000億でも安い」


 脳がフリーズした。


 サムの脳だからとかではない。


「は? え? 1000億なら買えるの?」


「無理無理。用意できる現金はせいぜい300億が限界。それも一度に下ろすのは難しいだろう」


 余計に持ってる事実が怖くなった。


 いや、ボクの手元にあるのを知ってるのは、イクスさんとヴィオさんとシルメリアさんしかいないけど。


 よし、手放そう。


「1コ1億で買わない?」


「買った! っていいのかい? 千で安いと言ったろ? なのにその千分の一なんて」


「持ってる事が怖くなったので」


「サムくんが持ってる事実は一部の人しか知らないよ?」


「その一部の人にはイクスさんに売ったと伝えとく」


「ちょっと、それだと私が睨まれる」


「それも込みの価格ってことで」


「せめて売却額は伝えないでくれよ」


「交渉成立だね」


「じゃあギルドカード出して」


「なんで?」


「振り込むから」


「そんな機能が?」


「あれ? どのギルドでも振り込み機能はついてるはずだけど」


 ギルドカードを作ると口座が開設される。


 ギルドカードはどのギルドでも共通で、冒険者ギルドと生産ギルドの両方に登録してもギルドカードはこの1枚で済む。


 生産ギルドでは始めに説明されるらしいが冒険者ギルドでは説明なかったな。


 イクスさんが、自身のギルドカードを操作すると空中にウインドウパネルが表示された。


 そのパネルの右側にカードの窪みがありボクのカードを設置する。


 すると左側のパネルの上に100億、右側のパネルに0と表示されだ。


 そしてイクスさんのカードのスライスされた魔石にイクスさんの親指を押し当てると振り込みが開始され、数字がボクの方へと移っていく。


「額が額だから少し時間がかかるだろう。その間に書類を作ろうか」


「書類? なんの?」


「グリン製の魔石を1点1億で購入する書類」


「別に後で返せなんて言わないよ?」


「グリンさんがいればいくらでも作れるみたいだからそれは心配してない。どちらかというと出所を明らかにするのが目的」


「明らかにする意味あるの?」


「この莫大な魔力を燃料に今まで不可能だった魔道具が作れるかも知れない。もし製品化するとなったとき出所不明の魔石なんか使えないからね」


「ボクみたいに窃盗か、ゲリオスのように殺人を疑われない為か」


「そうゆう事だね。ま、無色魔石だから発表するとしても人造魔石の目処がたってからだけどね」

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