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読んでいただき有難うございます。

語彙力ありません。

更新が遅いです。

以上の事をご了承の上、ご覧下さい。

 愚王かと疑ったわ。


「あぁ、心臓の献上はしなくてよいぞ? お前の心臓を貰ったところで使い道などない。廃棄する手間が出る分迷惑だ」


「き、貴様ぁ!」


「裁判長、爵位剥奪は撤回し弟のノーモアに継がせろ。ゲリオスは裁判の通り犯罪奴隷で構わない」


「誰が犯罪奴隷か! 帰らせてもらう!」


「帰すわけが無かろう。判定(ジャッジメント)の刻印(・エングレイブ)


 国王が(かざ)した手のひらから白い液体がゲリオス目掛けて放射された。


 ゲリオスは全身白くドロッとした液体にまみれ、足を止めた。


 うげぇ、誰得だよ。


 これが美少女なら全力で脳内保存するのに。


 白い液体は程なく消えた。


「クソジジイ何しやがった?」


 威勢はいいが、その場から動こうとしない。


「貴様に刻印しただけだ」


「足が動かねぇ!」


「貴様に刻まれた刻印は余が罪と認める行いだけ黒く染め、その罪の分、足は重くなる。動けないとなると……どれ見てみるか」


 ゲリオスの衣類を剥ぎ、太鼓腹があらわになる。


 そこには蛸の様な絵が描かれていた。


 蛸の頭から伸びる複数の足は白い足もあれば黒い足もある。


 比率的には黒足が圧倒的に多い。


「ふむ、人を殺めた事があるな」


「では、やはり……」


「だが、100はいってない。全てを自分で、と言うのは偽りのようだ」


「勝手に人を殺人犯にするんじゃねぇ! だいたい、ここの裁判長はハートラスの筈だ!」


「何を今更」


 本当に今更だ。


 ボク、サムの裁判から裁判長はこの人だ。


 まさか、視界に入って無かった?


 裁判=勝利が確定だったのか?


 となるとそのハートラスが怪しいな。


「ハートラスは虚偽の疑いがあり解雇いたしました」


 裁判長が共犯者か、確かに裁判官が何を言おうと結論を出すのは裁判長だし、それにしても公平な裁きを下すはずの裁判長が……腐ってるな。


「解雇だとぉ~! 俺様に断りもなく勝手に!」


「貴方との癒着の疑いだったのですが、まさか娘を人質にして裁判を有利な判決にしているとは思いませんでしたよ」


 ごめん、ハートラスさん。


 良く知りもせず疑って。


 腐ってるのはゲリオスだけだったわ。


「娘?」


 なんの事だか理解していない様子で困惑していたが、すぐに何かを思い出したようだ。


「あーあーあー、あの娘か。いたなぁ。そんなの」


 いた? “いる”じゃなくて?


「ハートラスを従えてた理由ってそんな事か。忘れてたぜ」


「そんな事? 家族を奪われた悲しみが貴方には判らないと?」


「判るかよ。んなもん。その娘ならもういねぇしな」


「居ないとは?」


「初めは可愛かったから穴として使ってやってたんだ」


 今、コイツ何て言った?


 まったく面識もないハートラスという人物。


 裁判長として罪を犯していたが、人質を取られていた事に少し憐れみを感じていた。


 それはほんの少しだった筈だが、今のゲリオスの言葉で怒りの感情に火がついた。


 人の物を奪う程度の小者だと思っていた。


 考えが甘かった。


 そうだ。


 大切な物だったかも知れない。


 その日の生活費だったかも知れない。


 奪われた事で死した人もいるかも知れない。


「だがどんどん痩せこけていってな。見た目にも汚いし地下牢に押し込めた」


 名も顔も知らぬ女の子。


 行われた事を想像して火のついた怒りに薪がどんどんくべられる。


「最後には動かなくなりやがったから、棄てちまったよ」


 痩せこけて? 食事は?


 動かない? まさか、“死”!?


 くべる薪は火力の高い木炭に代わる。


「理解しがたい。捨てたとは? 今はどちらに居るのですか?」


「どうだろうな。領地の森に棄てろと命じたのは覚えてるが、アイツらが正しく命を実行してれば森で養分になってるんじゃねぇのか?」


 既に木炭では火力が足りない。


 木炭でも火力の高いと言われる備長炭を通り越し、くべる燃料は石炭へと変わっていた。


「語るに落ちたな。殺人を自供するとは」


「だから人を勝手に殺人者にするんじゃねぇよジジイ」


「お前の行いを殺人と言わず何と言う?」


「ペットを拾っただけだ。餌をやらないと動かなくなるなんて知らなかったがな」


「貴様っ!」


 燃料が火薬にでも変わったかのように瞬発的に動いていた。


 裁判官の1人が怒りから声を荒げ終えるよりも速くサムがゲリオスの口を塞いだ。


「お前、もう黙れよ。聞いててイライラする」


「むぐぅ!」


 [判定の刻印]で重くなるのは足だけだ。


 腕は自由が効く、顔を掴んでいるのは子供の腕だ。


 子供の腕、ゲリオスはその程度と思い、軽い力でサムの腕をはたいた。


 だが、その子供の腕は石像の如く固く振り払えなかった。


 次は思いっきり拳を振るうが、金属の塊でも殴ったかのように拳が痛む。


 痛む拳、振り払えない腕、理解が出来ず戸惑っていると子供の腕がゲリオスの口から離れた。


 ゲリオスは自身の拳が効いたと思い、声をだそうとした。 


ンオアイ(クソガキ)! ンン(んん)アンア(なんだ)?」


 口が開かない。


 何か貼り付けられた?


 必死に手で口周りを触るが何も貼られている様子はない。


 それどころか、口がない。


 そんなバカな。


 唇も口という形状そのものがあった部位が塞がり皮膚になっている。


 顎は開く、舌も動くが唇が開かず喋れない。


「これで耳障りなセリフは聞かなくて済むな」


 ここまで行動し、ハッとする。


 ボクはここまで忍耐がなかったか?


 冷静になったかのような考えをするも、怒りは治まっていないようにも感じる。


 肉体がサムだからか?


 魂は冷静であろうとするが、肉体が冷静を保てない。


 精神は魂だと思っていたが、判断するのは肉体……脳なのだろうか。


 これも気をつけないと、今後失敗する可能性があるな。


 既に遅い気もするが……。

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