042 人造魔石
不定期更新です。
PVが6000いきました。
ありがとうございます。
スマホで書いてるんですが
朝、起きるとバックスペースに親指が……
学習能力が低く、ちょくちょく白紙にする作者です。
「ほぅ。無色魔石か、透明度も高い。相当な魔力保有量だね」
「それが、人造魔石だ」
「本当に人造なのかい?」
「それをイクスに鑑定て貰いたくてな」
「え? 確定じゃないの?」
「ほぼ確定。いや、確定と言っていいのだが、冒険者ギルドのグランドマスターには確たる証拠がいるのだ」
「現冒険者ギルドのグランドマスターってホルンちゃんでしょ? あの騙されやすい」
「そのホルンだな」
「なら鑑定るまでもなく、人造ですって報告すれば信じるんじゃない?」
「事が起こる前ならな」
「事?」
「何から話したものかな。まず、その魔石をランクアップ素材として納品したのは、そこのサム少年だ」
「どうも、サム=クゥエルです」
サムは軽く挨拶した。
「君が? この席にいるから関係者だとは思ったが」
「因みに、その魔石を造ったのはサム少年の……連れだ」
ヴィオは少し言葉を濁した。
素直に魔物と言ってはいけないのだろうか。
「連れ……か」
「それで、このお兄さんは何者なんです?」
サムはイクスの方を向き質問を投げかけた。
が、当のイクスは辺りをキョロキョロしている。
「お兄さんって、僕の事かな?」
「他に誰がいるんでしょうか」
冷静な爽やかイケメンフェイスがパアッと明るい笑顔になり、
「紹介がまだだったね。僕はイクリプス=キンバリー。生産ギルドのグランドマスターだ」
「は、はぁ」
そして、ホルンがサムに対して行った事、除名の経緯を話した。
「うわっ、それで除名にしちゃったのか~。それはマズイなぁ」
「そうだ。だからお前に鑑定して貰いたい」
「んー、構わないよ。でも僕も生産ギルドのグランドマスターだ。生産ギルドでも未だ実現できていない人造魔石の製造を冒険者ギルドに越されたと思い書類仕事を投げ出して来たんだ。もし、人造魔石じゃなかったら、鑑定料……払ってくれるんだよね?」
「あぁ、構わない。ホルンの財布から出す」
「本人の了承なく決定していいの? 僕、高いよ?」
「構わん。それと迷惑料をサムにもな」
「ボクはちゃんと買い取ってくれればそれでいいよ」
「それでは私の気がすまん……それならその魔石はホルンに買い取らせよう。なぁに、アイツも伊達でグランドマスターなんてやってない。カネはたんまりある筈だ」
そんなやり取りをヴィオとサムがしている間に、イクスは鑑定を始めていた。
「……ん、んー。ヴィオちゃん? これをホルンちゃんが買い取るの?」
「それを100石な」
「無理じゃないかなぁ」
「サムにも言ったがホルンも一応、グランドマスターだ。魔石の100や1000、払えない事はない」
「へぇー。ホルンちゃんって僕より稼ぎがいいんだ」
「いやいや、お前は生産ギルドのトップだ。それよりは劣るだろ」
「僕でも1個買うの厳しいって言ったらどうする?」
「ハハハ、冗談はよせ」
笑いながらイクスの方を向くと、イクスは真顔で返す。
「え? マジか?」
「まずね。造られた魔石で間違いないよ。造ったのが人族ではないと断言できるけど」
「何故だ?」
「まず魔力保有量がね。2Eある」
その発言に吹き出したのは、サムの方である。
「へぇ、君は魔学に理解があるようだ」
ボクが知ってるのは科学だけどね。
それにボクが知ってるのと同じとは限らない。
というか、合ってて欲しくない。
「エクササイズでもするのか?」
「エクサ、数値の桁があまりにも膨大な時に使う省略文字の1つさ。普通に売ってる魔道具でも消費魔力が大きいものはKとか、Mが付いているだろ?」
キロ……メガ……もう、間違いないのか。
「キロ、メガなら知っている」
「全て1000桁上がりで記号が変わるんだけど、K、M、G、T、P、Eと」
「ギガまでは聞くな」
「サム君は知っているみたいだけど、ヴィオの為にどんなモノか説明しよう」
口頭での説明は難しいと踏んだのかイクスが壁に数値を書いていく。
「後で消してくれよ?」
「勝手に消えるから大丈夫だよ」
K =1,000(千)
M =1,000,000(100万)
G =1,000,000,000(10億)
T =1,000,000,000,000(1兆)
P =1,000,000,000,000,000(1000兆)
E =1,000,000,000,000,000,000(100京)
Z =1,000,000,000,000,000,000,000(10垓)
Y =1,000,000,000,000,000,000,000,000(1抒)
「桁がありすぎて解らん!」
清々しいな。
「おいおい、それでも冒険者ギルドのマスターですか?」
「ぁあん?」
ヤンキーかw
睨まれたイクスが怖じ気づいている。
「そ、そうだねぇ。広域殲滅魔法のエクスプロージョンがあるじゃない?」
「あぁ」
「この魔石の魔力を媒体にエクスプロージョンを発動させたら、この大陸は消し飛ぶ」
「なっ!」
「もっと正確に言うなら、大地は抉れ、空には穴が開く。この惑星が滅ぶだろうね」
「そんな雑な扱いで大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。このままならただの魔力の塊。例え砕いても膨大な魔力が溢れ出すだけ。そんな勿体ない事しないし、させない。あ、でも出力調整されてない魔道具に接続したら暴発するかも知れない」
「あのっ!」
暴発と聞いて不安に思う。
「暴発したらどうなります?」
「接続した魔道具にも寄るだろうけど、魔導コンロとかなら、王都は焦土かな」
「だが、残りの魔石はギルドで管理されている筈だ。大丈夫だろ」
「いぇ~、それが、どっかの子爵に盗られたらしく」
「盗られた!? 王都冒険者ギルドは何してるんだ!」
「あ、違う。盗られたんじゃなくて、ボクが盗った?」
「はぁ?」
Yを1「抒」と書いてますが
本来は「てへん」ではなく「のぎへん」です。
なろうに弾かれました。




