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不定期更新ですよ
サムの希望は幾つかあった。
1つ目はSP導入後、SPを消費して得られるスキルは職業や種族に関係なく得られる事。
例えば剣士であっても弓術スキルが得られる。
人族であろうとゴーストの様に壁をすり抜けられる。
ただ消費するSPは膨大になる。
他の職業は2倍のSPが、他の種族はランクの差×5など、ぼったくりの様に必要となる。
2つ目はこのウイルスに掛かるのは知能がある程度備わっている者に限る事。
でないと知能なき魔物はスキルのレベル上げすら出来なくなる。
だが、この2つ目は却下された。スキットルにも考えが有るようで、他の手で行くそうだ。
実は3つ目としてウイルスに掛からないことを考えたが周囲が掛かってるのに自分だけ掛からないことは不自然と思い言わなかった。
「という事があったわけ」
「スキルに自らの名を残す。人族は不思議な生き物ですね」
「うん。ボクもそう思う」
「それにしても、肉体の入れ替えですか。元の肉体に戻りたいとは思わないのですか?」
「キメラってるしね。でもこの肉体は返したいと思ってる。サム君が狂喜の果てに壊れたのはトージの肉体のせいだしね」
「返却したら、マスターはキメラとやらになってしまいますよ?」
「最悪、元の肉体をゴーレムで作り替えるよ」
「ほほぅ。マスターもワタシ達の仲間入りですか。それは是非とも取り返しましょう」
「それまでは、この肉体は無傷で過ごさないとね」
「なぁに、死んでも蘇生させますよ」
「だから、死ぬほどのダメージ受けたら傷が残るだろうが!」
空を見ると夜が明けていた。
「さてと、レインお姉さんの家に帰るか。せっかくだし、SUVに乗って行きたいな」
「しばしお待ち下さい」
言われてよくよく見ると人型のグリン以外がいない。
SUVもキャンピングキャリーもヘリもクルーザーもだ。
あ、ついでにバッタも。
「どこに行ってるの?」
「辺りの見張りに回しています」
「出来るだろうとは思ったけど、やっぱり出来るのか」
「何をですか?」
「やったボクが言うのも変だけど、意識の分裂っていうのかな?」
「その事ですか。やろうと思えば万に分けても平気ですね」
「万かー。その合体は見てみたいけど、考えるのが面倒だ。でも何で万?」
「カウント・マン・ティスと呼ばれる魔物に進化したんですが、卵からスタートしました。孵化すると意識は万の個体に別れていましてね。その時得たスキルが[孵化意思数]。これにより意識を分断できる様になりました」
「不快指数?」
「はい、孵化意思数です」
何故に不快指数で意識を分断できるんだ?
卵からバッタが大量に出てきたら不快ではあるけども。
「間もなく戻ります」
グリンの指し示す空を見ると、こちらに向かっている車両が空を飛んで来ている。
「ちょっと車両について説明するね」
今回の様に収集をかけたときや合体時には飛んで来て構わない。
けど、普段は各々普通の車両として行動して貰いたいと説明した。
SUVはバイク同様、地面にタイヤを付けて走行する。
キャリーは自走しないのでSUVで牽引する。
念の為、ヘリは飛行するけども、ローターを回して浮力を得て、後部のローターを回転させる事でバランスを取り旋回する。
クルーザーは後部にあるスクリューを回転させ推進力を得て水上を走行する。
バッタ……はわかんないから任せる。
「かしこまりました」
「それで、キャリー・ヘリ・クルーザー・バッタは今どこに?」
「キャリーは呼び寄せています。ヘリは上空で鳥を、クルーザーは海で魚を、バッタは山で植物を食しています」
バッタは解るけども、ヘリもクルーザーも口とか作って無いんだけど、どっから食ってるんだ?
「いいけど、ほどほどにね。乱獲して絶滅したり、地元の人達が食に困る事にならないように」
「かしこまりました」
グリン「つまり、地元の者共が喰わない獲物を狩ればいいのですね?」




