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030 シワ寄せ

お久しぶりです

不定期更新です

PVが3000いきました!!(゜ロ゜ノ)ノ

ありがとうございます。 m(。≧Д≦。)m

 ━━は吸収されて、さらに巨大な……。


「あの……サム様?」


「ん、 あ、何?」


 声を掛けて来たのは困惑顔の女性ギルド職員だった。


「身体が光るスキルとなると、戦闘系のスキルしか思い付かないのですが、ギルド内での使用はお控え頂けますか?」


 身体が光る? 何のこっちゃ。


 ここがスニーキングで有名なゲーム内なら、ボクの頭には「?」が表示されている事だろう。


 周りを見回すと冒険者達がボクに対して構えをとっている。


 武器を抜く者はいないが、剣を握りしめる者や盾を構える者がいた。


 どうやら、ギルド職員による冗談とかでは無さそうだ。


 となると、ボク光ってた?


 何で? ただ妄想を膨らませてただけなのに……。


 いや、それよりも今は言い訳を!


「すいません。思考加速のスキルです。少し考えを纏めたかったもので」


「こちらの勘違いでしたか。申し訳ありません。ですが、次からは個室のご利用をお願いできますか?」


「了解了解」


 報酬も貰ってるし、いつまでもここにいたら迷惑か。


 なんか知らんけど身体が光るらしいし。


 転職してレベル上げにでも行ってくるかな。



「え? 転職できないっ!?」


「申し訳ありません。転職の魔導具が一斉に壊れてしまい。現在原因を調査中なんです」


「そうなんだ……」


「冒険者の皆様にはご迷惑をお掛け致します」


「あ、いや大丈夫だよ。ギルドの転職がどんな物か試したかっただけだし」


「そう言って頂けると助かりますね」


「それに自分で転職できるしね」


「そうなんですね……え?」


「ん?」


 受付のお姉さんが潤んだ瞳で見つめてくる。


 もしかして惚れちゃった?


 おいおい、中身おっさんとは言え見た目はまだ子供だよ?


 お姉さんカワイイし、ボクとしてはアリなんだけど。


 ボクと並んだらお姉さんに向けられる世間の目が……。



「あの……」


「はっ、はいっ!」



 再び妄想に入りかけた所で声を掛けられ引き戻される。



「お願いします!」


「お受けいたします!」


「まだ要件も言って無いのに、引き受けていただき、有難うございます!」


「ん? 要件?」


「はい。冒険者の転職受付です。もちろん1件毎に報酬がでますし、特別依頼にしてランクのポイントも発行いたします!」


「んん?」


 あぁ、恥ずかしい。


 穴があったら入りたい気分だ。


 いや寧ろ、埋めてくれ。



 そんなこんなで引き受けた冒険者の転職作業だが、結構評判が良かった。


 なぜならボクには[プロパティ]で相手のステータスなどを確認する事ができる。


 そして、ゲームやマンガで培ったファンタジー知識がある。


 具体的に言うと、一番乗りで受付に来た冒険者カインの対応だ。


 剣士からいきなり魔法使いに転職したいと言ってきたので、まずは拳闘士で肉体レベルを上げ、次に魔闘士で魔力を高め、それから魔法使いになる事を薦めた。


 勿論、転職希望のカインには、


「何で好きな職に変えてくれねぇんだよ! こっちはカネ払ってんだぞ?」


 とキレられたが、この剣士……MPが1桁しかない。


 転職すればその職に見合うステータスが得られるとはいえ、すぐに底をつくでしょコレ。


「近道が最短距離とは限らないんだよ?」


 と諭し、MPが1桁である事を伝えた。


 カインは酷く落胆している。


 というか、全ての職のステータスが上乗せされるんだから、全職レベル1を解放すれば多少なりとも底上げされるのに何でしないんだろな。


 理由は直ぐに判明した。


 転職料金がクソ高い!


 ボッタクリかっ! とツッコミたくなるくらいに高い。


 まさかの1転職が10万ギル、白金貨1枚だ。


 村の危機回避と同額かよっ!


 レインお姉さん、転職しなくて良かったのか聞いてたけど、ボク無一文だからね?


 そもそもカインの剣士はレベル21だ。


 まだ伸び代が全然ある。


 もう少しレベルを上げてからでもいいんじゃないかと聞くと、ここいらの魔物はあまりレベルが高くはならず、どの職もだいたい20レベルで頭打ちになるそうだ。


 そこで転職をしていき、ステータスを底上げした後、次の街に拠点を移動する。


 うん、本当にゲームみたいだ。


 ボクがやっていたゲームも全職一定まで上げるとエリア解放されるシステムだった。


 ここでは元々自由に行けるが、周囲の魔物の格が上がる為、依頼をこなせず生活ができないのが理由だ。


 勿論、依頼達成すれば、この村に居るよりもよりも収入は増えるしランクも上がり易くなる。


 カインが魔法使いになりたい理由は回復魔法を覚えて、少しでもコストを抑えてステータスの底上げをしたいからだそうだ。


 そうか~回復魔法か~。


「それなら、魔法使いじゃなくて回復職だろ?」


「んな職業あんの?」


 おや? 知られてない?


 でもボクの[転職]でみるとあるんだよな。


「とりま、試しに回復職にしてみる?」


「やだよ。余計にカネ取られるだけじゃねぇか」


「ん? いーよコレはサービスで」


「マジ? いいの?」


「いーよいーよ」


 カインは予想通り、回復系統のスキルを得ていた。


 魔力もそこそこ上がったようだ。


 得たスキルは[体力回復]と[状態異常回復]の2点だけ。


 それだけでも、カインには感謝された。


 さて、[転職]スキルを他人に使用してボクに変化は……ないな。


 MPが若干減った? かも知れない。


 そーいや、[転職]にもレベルがあるんだよな。


 使えば使うほど上がるのか?


「なぁカイン」


「何ですか? サムさん」


 たった1回サービスで転職してやっただけで、コロッと態度変えたなコイツ。


「君さえ良ければ、他の職も解放したいんだけど」


「他の職を解放って、マジすか!?」


「[転職]のレベル上げしたいんだよね」


「いやもう是非! お願いしますっ! これからは兄貴と呼ばして下さい!」


「やだよ。ボクのが年下だろ?」


「そんなの関係ないっすよ兄貴」


 もう兄貴になってる。


「じゃぁ行くぞ。[拳闘士][魔闘士][魔法士][魔術師][魔導士][魔導具師][付与魔術師][錬金術師]」


 ボクはリストにある職を1つ1つ解放していった。


 MP不足の睡眠衝動は職解放では起こらないようだ。


 それにしても、職多いな。


 全職解放とかないかしら。


〔条件が満たされました〕


 嫌なアナウンスが聞こえ、恐る恐る自身のステータスを確認した。


 良かった……[転職]の方だ。


 [転職]も上位の様で、Lv.2で出来る事に[全職解放]が追加されていた。


 2重の意味で助かった。


「と、いうわけで[転職:全職解放]!」


 カインの数百の職が全て解放された。


「よし、終わった」

「あざっす。スゲェすよ。力が(みなぎ)ってくる」

「あと、コレがカインの今のステータスね」

「は? え? マ、マジ? MP:8010(はっせん)!?」


 カインの現在の職は錬金術師。


 全職解放はその名の通り解放するだけで、転職するわけではないらしい。


 HPは6千超え、MPはカインが言った通り8千ある。


 職業は戦闘から戦闘支援、魔法職、生活職、生産職、果ては勇者や賢者まで全てが解放されていた。


 勿論、それに連なるスキルも得ているようだ。


 自分でやっといてなんだけど、コレ大丈夫か?


「それで、今は錬金術師だけど、何になる?」


「色々ありすぎて悩みますけど、やっぱり剣がいいんです」


「え? 剣士に戻すの?」


「いえ、剣をメインに使う職でオススメはありますか?」


「オススメねぇ……あ、鍛冶師は?」


「え? なんで?」


「今見てたんだけど、鍛冶師は自身の造った作品は全て扱える。勿論、剣もだ。何より鍛冶師なら自分で手入れが出来るしな。お前が言うコストカットにはもってこいだと思うが?」


「確かに……巧く造れればカネにもなる……」


「それに魔物討伐でレベルが上がるのは勿論だが、鍛冶師は鍛冶の鍛練でもレベルが上がる」


「俺、鍛冶師になります!」


「おう、がんばれよ~」


 こんな感じで、あと4人の全職解放をして転職のアドバイスをしてたんだ。


 10万ギルはここらの冒険者にとっては月の収入の2/3を占める。


 そう何度も利用できる筈もなく、本日の5人という人数も多い方だそうだ。


 そうそう、ボクのアドバイスのお陰かカインの他にも生産職が2人増えた。


 え、ボクのせい(・・)? 何を言ってるのかな?


 そして、この依頼と言う名のバイトだが、1件1万ギルだ。


 ランクのポイントも貰えるとはいえ、少な過ぎやしないか?


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