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003 フォレストゴブリン

更新が遅くて申し訳ありません。

丁稚な文章ですが、お楽しみ頂ければ幸いです。

ネーミングセンスが無いのはご了承下さい。


 どうして、こうなった……。


 いや、ボクが言ったからなんだけどさ。


 それにしても、並び過ぎじゃないか?


 これ……何匹いるんだ?


 ん? 魔物の数えかたって、匹? 体? 人?


 まだ夜も明けない森の中、終わりが見えない長蛇の列。


 並ぶは人ならざる者共。


 いわゆる魔物。


 というか、虫まで律儀に並んでる。


 虫の後ろに鳥が並んでるけど喰われないのか?


 でも、それを言ったら蟷螂(カマキリ)蜘蛛(クモ)の様な“ 喰ら()う系() ” と(チョウ)飛蝗(バッタ)の様な“ 喰()()系 ” が並列してるのも変な話かな。


 ボクが知ってる蟷螂や蝶でもないけど……。


 蟷螂は鎌が電動鋸(でんどうのこぎり)だし、蜘蛛は背中に見るからに毒々しい色の液体が入ったの試験管がいくつも刺さってるし、蝶は羽が丸ノコだし、飛蝗……は普通かな。


 隣にいる元巨大バッタに比べれば普通に見えるかも知れないが、5mは先にいる虫がこんなにハッキリと容姿がわかるものだろうか。


 否、無理だ。


 何故なら上記であげた虫共は、全てにおいてサイズがおかしいのだ。


 流石にサムも気付いたが、それは1mまで近づいた時にやっとだった。


 緑ホッパーに聞いたんだけどバッタ対して「クレイ」って叫んだのに、ゴーレム化した理由だけど、スキルは効果を思い浮かべながら発動する意志があれば名称はなんでもいいらしい。


 むしろ発言すら不要だとか。


 スキル名をそのまま言ってたら、対策してくれと言っているようなものだからだ。


 確かに納得。


 ボクの場合、「クレイ」はスキル発動+形状として固定されているっぽい。


 さて、ゴーレム化を開始しますか。


 1人目は緑ホッパーがサンプルと指さしたゴブリンだ。


 種族名:ゴブリン

 レベル:36

 スキル:[風刃Lv.4][短剣Lv.8][投石Lv.8][鑑定Lv.2][感知Lv.3]

 ※以降スキル内の『Lv.』は省略します。例[感知3]


 ボクなんかより全然強い。


 対象のステータスは緑ホッパーが見せてくれてるけど、ボクも[プロパティ]で確認している。


 殆どが「?」で埋め尽くされているけど、回数こなすことでレベルが上がり、見れるようになるから使えってさ。


 こんなに多く好条件の対象がいるのだから、利用しない手は無いと。


 好条件ってのは、自分と相手とのレベル差。


 多ければ多いほど早く上がる事があるらしい。


 それに、大抵の高レベルの魔物は感知スキルを持っていて、見られた事に気付くと、襲ってくるんだとか。


 何ソレ異世界怖い。


 今回は、緑ホッパーの許可があり快く(こころよ)(?)見させてもらえている。


 まず、ビーストモード。


 元の姿をメカニカルにリメイクしている。


 要は表面の毛を失くし、関節をユニバーサルジョイントかボールジョイント化。


 そしてロボといえばスジ彫りだろう。


 他の魔物もこの手で行くつもりだ。


 だってこんなに個性溢れる素体を無くしたら勿体ないだろ。


 そして、人型、バトルモードだ。


 と言っても、元が亜人族だからそんなに大差が無い。


 猫背で中腰だから背筋を伸ばすくらいか……つまらんな。


 後頭部の面が開き耳を軸とし、上に回転させてゴブリン顔を隠し、首を180度回転させて後頭部に出てきた顔を表に持って来させる。


 これで頭はよし。


 身体もこのままは、つまらないよな。


 胸の中央は回転扉みたいに反転させて何かしら紋章が出るようにするか。


 紋章か……小学生の頃に作ったサムライの兜の紋章でいいか。


 出来れば水晶か宝石みたいなのが、胸の中心に出て来てその中に紋章が見えるってのがカッコイイんだけど……素材がゴブリンだから宝石とかは無いよな。


 しょうがない。


 宝石は後で嵌め込むとして、現状はサークル内に浮き出るようにするか。


 手足はこのままでいいかな、元より人型で指も5本あるし。


 考えが纏まった所でゴブリンに手を当てて、心でゴーレム発動をイメージ。


 あれ?


 ゴブリンに手を当てて、ゴーレム化を実行しようとすると、ゴブリンの中に石みたいな塊の反応を感じた。


 ボクの目にはゴブリンという形をした枠がある。


 枠の胸の辺りに塊があり、その塊に緑色の霧が集まっている……逆だな。


 その塊から緑色の霧が身体全体に流れて行っているのが見えた。


 身体全体にと言っても、手足に行くと薄れていき、指先までは届いて無い。


「なんだ? これ」

 

 緑ホッパーに訪ねると、それは魔石と呼ばれる魔法を使う生物は全てが持つといわれる核だった。


 形状は種族、色は魔法適正、大きさは魔力量により変わるのだが、魔力濃度が高いと圧縮され小さくなる代わりに硬度が高くなる。


 ついでに透明度も増す。


 魔力濃度はその名の通り魔力の濃さ。


 この魔力濃度の違いにより同じ量の魔力の消費でも威力が違ったりする。


 なるほど、魔物にはそんな物があるのか。


 なら宝石じゃなくて、この核とやらを胸に出し刻印すればカッコイイじゃんと思いつき、実行。


 ゴブリンを緑の光が覆い、光が収まるとゴーレム化したゴブリンの出来上がり。


 ではでは、人型に変形して貰いましょう。


 マジモンのロボ(ゴーレム)の変形が目の前で見られるなんて、こんなに嬉しい事は無い。


「ホントにやるんスか?」


 元ゴブリンが不安そうに訪ねてくる。


「うん」


 ボクは楽しみな気持ちからにこやかに即答する。


「あ、変形の仕方わからない?」


 変形機構を意識してゴーレム化しているけど、実際にボクがゴーレム化を受けた訳じゃないから、そこら辺の感覚が分からないんだよね。


「どれ、ワタシが手を貸しましょう。どのような変形なのですか?」


 ボクは緑ホッパーに変形の手順を説明した。


「いや、わかってるんス。感覚ではわかるんスよ?」


 元ゴブリンは、迫ってくる緑ホッパーに対し、たじろぎながら後方へと下がる。


「マスターがお待ちです。さぁさ遠慮せずに」


 そう言いながら、緑ホッパーはゴブリンの頭を掴んだ。


「では、まず首を回転させて……」


 90度回ったところで、ゴブリンが悲鳴を挙げた。


「無理っス! ゴブリンの首はもうこれ以上曲がらないっス」


「大丈夫だ。今はゴーレムだからな」


 元ゴブリンの抵抗虚しく、緑ホッパーの力技でそのまま、ぐるんと180度回した所で元ゴブリンは「ハァ……ハァ……」と息を漏らして涙ぐんでいる。


「そして、次に後頭部が開くんでしたかな?」


 緑ホッパーは元ゴブリンの後頭部に手を当てて、力技で開けようとする。


「い、いたたたたたたた! 痛いっス! 開けるっス! 開けるっス! 自分で開けるっスから!!」


 元ゴブリンは「スゥ……ハァ……」と深呼吸をした。


 もう一度「スゥ……ハァ……」と深呼吸。


 更にもう一度……。


 「ゴキッ」……なんか緑ホッパーの方から、拳を鳴らすような音がした。


 見ると、目が赤い……怖い。


「ひぃぃ! やるっス!」


 後頭部が開き……。


「ウヒィィ……気持ち悪いっス~」


 ぐるんと回り元の顔を隠した。


 もう既に手順1と2が逆だけどね。


「こ、これでいいスかっ?」


「まだ続きがあるだろ?」


「うぅ……」


 元ゴブリンは下向きながら渋々胸を反転させ、中腰姿勢を直した。


 初めてのリアル変形はイヤイヤながらも完了した。


「疲れたっス~。怖かったっス~」


「やれやれ大袈裟な」


「へぇ~、これが核か。思っていたより、透明度はないな」


 胸には薄緑色の球体が表出されているが、透明度が無い為か紋章は見られない。


「「え?」」


 緑ホッパーと元ゴブリンが、二人してこちらを見た。


「これ……オイラの核っスか?」


「ん? そうだよ?」


 元ゴブリンは必死に胸元の核を手で覆った。


「隠さないでもっとよく見せてくれないかな?」


「ひぃぃ! 来ないで欲しいっス!」


 よく観察しようと近寄るサムを払いのける元ゴブリン。


「一体どうしたんだ?」


「あ~、マスター?」


「ん?」


「ワタシの説明が足りませんでしたね」


 核とは第2の心臓。


 普通の心臓がHPの心臓と例えるなら核はMPの心臓だ。


 どちらが欠けても生きられない。


 つまりボクのした事は、弱点を表出させたって事か……。


 うん、そりゃ焦る。


 周りも見えなくなるわな。


「核を仕舞う形にしてやりたいんだが、近寄れるかな?」


「そもそも何故核を出そうと思ったのですかな?」


「宝石みたいな物かと思ってさ。宝石の中に紋章が刻印されてるとカッコイイじゃん?」


「宝石ですか……それでしたら、ワタシが宝石の代わりになる物を用意しましょう。それで覆ってやることは可能でしょうか?」


「ゴブリン以外の素材を足すのか……出来るかわからないけどやってみよう。でもあれにどうやって触れよう……」


「ワタシにお任せを」


 緑ホッパーが元ゴブリンに近付き話かけている。


 所で異世界と言えばやっぱりいるんだね……スライム。


 元ゴブリンが落ち着くのに時間もかかりそうだし、次に並んでいたスライムを手にとり、とりあえず揉んでいるのだが……気持ちいい。


 ヒンヤリしてて、凍る前のアイス枕みたいだ。


 にしても……どうしよう、液状の魔物をメカニカルにとか想像出来ない。


 メタルスラ……いや、止めとこう。


 というか、素材が液体ってゴーレム化するとどうなるんだ?

 硬化するのかな?


 そもそも、緑ホッパーの関節部は昔のロボットアニメみたいに、かなり融通がきくみたいで伸び縮みしてるんだよな。


 プルルンとしているスライム。


 弾力はあまりない。


 形は自在に変えられるが、維持する弾力がない。


 モニモニと粘土の様に揉んでいるが、考えは纏まらない。


 もういいや。


 何も考えずゴーレム化を発動させた。


 すると、水色の光がスライムを覆い落ち着くと見た目変わらないスライムがそこにいた。


 が、先ほどより、弾力がある。


 試しに、形状を球体にして地面に落として見ると弾む弾む。


 まさしく、ボールだ。


 このスライムも気に入ったようだ。


「こいつは水色だし、呼び名はウォーターボールにしよう」


 後続のスライム達も弾む(ウォーター)ボールを見て目を輝かせた。


 目は無いけどね。


 なんか、全体的にキラキラしてるからそうなんだと思う。


 試しに水ボールに聞いたら、「みんなもこれがいいって~」だってさ。


 スライムの声は純心無垢な子供っぽい。


 それにしても、人懐っこいな。


 他の魔物は元ゴブリンの嘆きを見た為だろうけど、列から離れ遠巻きに見てるってのに。


 怖くないの?


 って聞いたら、「よくわかんない」だとさ。


 そもそも、ゴーレム化前は言語が違うから何で元ゴブリンがあんなに必死なのかが、わからないんだと。


 でも「ならんでれば、つよくなれる」から並んだんだって。


 うん、単純。


 いや、純心と言ってあげるべきかな?


 あれ?


 そういや、水ボールには魔石を感じなかったな。


「君には魔石は無いの?」


「あるよ~」


 そう言って、水ボールが口 (?)を開くと、鮮やかな青い宝石があった。


「これが魔石?」


「そうだよ~」


 ゴブリンの薄緑色の石とは比べる事も失礼な輝きだ。


 カットもまるで宝石のようで、例えるならサファイア?

 しかもデカい。


 これソフトボールくらいの大きさがあるんじゃないか?


 それにしても、こんなに大きな魔石があるならゴーレム化前に見えてそうだけど……。


「これはいつも、身体のどの辺にあるの?」


「んとね~、いつもはしまっててだしてな~い」


「仕舞う? どこに?」


「ん~、わかんない。でもしまえるの~」


 わかんないけど、仕舞えるってなんだそりゃ?


 後で緑ホッパーに聞くか。


 水ボールと遊んでいたら、緑ホッパーと共に元ゴブリンが戻ってきた。


「マスター。こちらの魔石を彼に着けて上げて下さい」


 そう言って広げられた緑ホッパーの手の平には、先程の水ボールの魔石に負けず劣らない大きさの緑色の宝石が置かれていた。


 透明度も高く例えるなら、そうエメラルドだ。


「どうしたの? これ」


「造りました」


 へぇ~、魔石って造れるのか。


 なら表に出る紋章用の魔石は緑ホッパーに造って貰おう。


「ごめんね。ゴブリンくん。ボクが無知なばっかりに」


「その事っスか? もういいっスよ~。さぁ、早くお願いするっス~♪」


 やけに上機嫌だな。


 さっきまでの怯えと震えはどうした。


 ま、いいか。


 さて、ゴブリン以外の素材を足せるかな?


 緑ホッパーに渡された魔石を右手に持ち、左手で元ゴブリンに触れ、ゴーレムを発動する。


 まずは元ゴブリンの魔石を体内に移動させて、ぽっかり空いた胸にこのエメラルド魔石を嵌め込み固定させるイメージで……。


 お! くっついた。


 なるほど、素体以外の素材も足せるんだな。


 そーいや、身に付けてた衣類とかもそのままゴーレム化できてたし、当然か。


 胸に嵌め込みが完了したとたん、ゴブリン枠に流れていた緑の霧が濃くなり、勢いも増しだした。


 それは、指先に行っても衰えることはなく奔流(ほんりゅう)している。


 大丈夫か? これ。


 そう思いながら手を放した。


「力が、力が溢れて来る」


 おい、語尾はどうした。


「フハハハハハッ! これが力! これがpowerか!」


 おーい、完全にキャラが違うんだけど大丈夫か?


「おい! 人間! 先程はよくも貶めてくれたな?」


「核を出しちゃった事? だからそれはゴメンて……」


 あまりの変貌ぶりに、ジリジリと後退し距離を取る。


「これは、その礼だ!! [ウインドカッター]!!」


 元ゴブリンが構えた手刀を横一文字に振ると、白い三日月状の波動がボク目掛けて飛んできた。

 

「うわっ!」


 ボクは思わず目を瞑ろうとしたが、ボクの前に緑ホッパーが立ち塞がり右手を開いて元ゴブリンへと向けた。


「[捕食]」


 三日月状の波動は開かれた緑ホッパーの掌に吸い込まれていった。


 緑ホッパーはそのまま、元ゴブリンの前まで歩いて行き、拳を丸め『ごぅん!!』森に結構な音が響いた。


「痛いっス~!? 何なんスか~?」


 お? 元のゴブリンに戻った。(言動が)


「申し訳ありませんマスター。小物がその手に余る力を得ると、その力に酔ってしまう事があるのです」


「なるほどね」


 あれ? それじゃぁ、魔石を緑ホッパーに造って貰うのは辞めた方がいいか。


 毎回こんな事起こったら、ボクの身が持たない。


「力酔いしたみたいっス。悪かったっス~」


「ボクも悪かったよ」


「さて、わかってますね?」


「わかってるっスよ~」


「何が?」


「この魔石は、口止め料という事です」


「何の?」


「マスターが表出させてしまった核のですよ。幸い他の者達は言語の違いから核が表出した事には気付いていないでしょう。なのでこれはあなただけの特別なのです」


「わかってるっス~♪ 誰にも言ったりしないっスよ~」


「そういや、君にも名前を付けなきゃね」


「名前っスか?」


「そうだな。グリーンゴブリンで」


「却下」


 元ゴブリンじゃなくて、緑ホッパーに却下された。


 しかも、間髪いれず即答で。


「なんでだよ。直球でいいだろ?」


「ワタシと同じグリーンシリーズの名を冠するなど、身の程をわきまえて貰いたい」


 何故か緑ホッパーが元ゴブリンを指さし、上から目線でいい放つ。


「勝手にシリーズ化するなよ。んーじゃぁ森のゴブリンって事でフォレストゴブリンでどう?」


「それがいいっす!」


「何故ワタシの名より響きがいいのです?」


「お前が却下したから」


「うぐっ……ワタシも改名を望みます!」


「却下」


 今度はボクが間髪いれずに却下する。


「何故!?」


「あのねぇ。君が誘ったせいで、ボクはこの魔物の列をゴーレム化しなくちゃならないんだ。そんな時間はな~い」


 ボクの不容易な発言も原因の1つだけど……わざわざ言う必要はないよね。


「時間でしたら、いくらでもございますよ」


「ボクは早く終わらしたいの! どうしてもって言うなら、今後の旅で何か功績を挙げてよ。それに応じてカッコイイの考えとく」


「ホホゥ、功績に対する報酬ですか……畏まりました。ではチャンスがあれば全力で行かせていただきましょう」


 また不容易な発言をしちゃったな~。


 でも、この列を消化しないと、せっかくの異世界が楽しめないし、早く森以外も見たいし、何よりこの列に並ぶ魔物全てに名前付けなきゃいけないんだろ?


 我儘な緑ホッパーに構ってられないよ。


 水ボールみたいに大人しければいいのに。


 さて、悩んでる時間も勿体ない。


 次つぎ♪


 ……………………ゴブリンか。


 前のゴブリンと見た目の違いが見つからない。


 先程のフォレストゴブリンに行ったゴーレム化を「森ゴブ」と命名し、イメージ記憶。


 魔石付きを「石付き森ゴブリン」と命名し、イメージ記憶。


 スライムボールを「ボール」と命名し、イメージ記憶。


 素体の形状でゴーレム化をどんどん実行していった。


 名前?


 もうね……同じの多過ぎ!


 まぁ、そりゃそういう種族なんだからしょうがないんだろうけど……。


 とりあえず、石付きは呼び戻して、フォレストゴブリーダーに改名しといた。


 こいつだけ魔石で強化してるしね。


 緑ホッパーが、


 「そやつが何時いつ、功績を挙げたのですかな?」


 とイラついていたけど、


「この後も同じのが十数体並んでいるんだ。見た目だけでも区別が付く奴は、分けときたいんだよ」


 と誤魔化した。


 んで、後続の名前だけど、1号、2号、3号……。


 いや、もうね。


 本当に無理!


 ちゃんとした名前が欲しがったら、今後活躍してね。


 で、どんどん消化していった。


 後続のゴブリン共のゴーレム化が終えると、(フォレスト)ゴブリーダーの胸の魔石がやはり気になるようで、


「何故アイツニダケ!?」


「我々ニモヨコセ!」


「卑怯ダ!」


 等のクレーム……否、問い合わせがあったが、


「彼には第1被験者として、検証に付き合って貰った。その褒美だ」


 と緑ホッパーが大人の対応をしていた。

 それに続き、


「ワタシはマスターであるサム=クゥエルに忠誠を誓い、これからの旅に同伴する。この旅に同伴し、功績を挙げられた者は報酬としてワタシから魔石を進呈しようではないか」


 などと掻き立てた為、ボクがせっせとゴーレム化を実行している後ろで、


「「「「「うぉおおおおおおおおお!!!!!」」」」」


 という歓声が上がっていた。


 魔石付けてあげるのは構わないんだけど、力酔いしないでくれよ?

 

 さて、検証を始めてわかった事だが、MPの消費量は対象のレベルに比例しているようだ。


 比例というか、レベル分MPを消費していた。


 レベル1なら1MPしか消費しないし、レベル26なら26MPの消費だ。


 それ以外のパラメーターは全無視だった。


 そして、無機物にはレベルがない。


 大量に土人形が作れた訳だ。


 あれ?


 でも待てよ?


 土人形にはMP消費してなくて、ボクのMPは丁度千って事は……。


 緑ホッパーはLv,950以上あるって事か!?


 そして次に素体よりあまり大きいゴーレムは作れない事だ。


 ある程度までなら、他の素材で補う事が出来るが、他の素材を足せば足すほど動きが鈍くなり、最終的にはクレイの様に動かなくなった。


 動けなくなったが正しいかな。


 もちろん、どこまで足せるかなんて生体実験をしたつもりはない。


 ちゃんと本人()の希望をのんで実行したし、後でちゃんと動けるサイズに調整し直した。


 たぶん、あの霧が魔力なんだと思う。


 あれが、届かないと動かす事が出来ないのだろう。


 だから、緑ホッパー作の強力な魔石を付けて上げれば動けるようになると思うんだよね。


 森ゴブリーダーの霧の奔流を見てるとそう思えてしまった。

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