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024 日本語

更新が遅いです。

というか、不定期です。

[語彙力]Lv.1だけど、読んでくれてる皆に感謝!!


白シスターが腕を怪我している描写を

書き忘れていた為に022を少し変更しました。

「それで、サムの記憶はどのくらい失ったんだ?」


「全部。今のボクは完全にトージだよ。あ、でも呼び方はサムのままでいい。トージの時もサムって呼ばれてたし」


「前世もサムと呼ばれていて、今生は本名がサムとは些か出来すぎているな」


「嘘じゃないよ?」


「疑うわけではない。もしかしたら君の魂の名前がサムなのではと」


「なるほど、いつの世に転生してもボクはサムであると」


 せめて、もう少しカッコいい名前が良かった。


 シュナイダーとか、シュバルツとか。


 ゲームの時に良く使っていた(ほむら)とか。


「さて、飛行魔導具が魔物だと言う事は解ったが、シローナ達の言う事が解らなかったのは何故だ?」


「あー、サムってば[リアリス語]がなかったのよ」


「なに?」


「国外から来たみたいなのよね」


 魔物にまたがる言語が通じない少年。


 シローナ達からすれば、魔物に捕まった少年に見えなくもないか。


 魔物に捕まった少年がいたとして、シローナ達の行動は正しいか?


 並の冒険者ならば先に魔物の鑑定をする。


 自分達で救出できるかを見定める為に。


 だが、サム少年の従える魔物だレベル90前後でも可笑しくはない。


 私ならギルドに報告に戻るが、もしかしたら弱い魔物なのか?


「その魔物のレベルは幾つなのだ?」


「きゅ━━」


 素直に950と言いかけてレインが被った。


「わかんないのよね。アタイが見れたのはゴーレムって種族くらい。あとはレベルもスキルも全て見れなかったわ」


「レインが見れない? サムが言いかけたのを合わせて考えると90以上という事か……」


「あ……うん。そうだね」


 歯切れの悪い返答だが、自身の考えを整理していたヴィオは気付かない。


 やはり90前後、いや90オーバーか。


 シローナは確か先週Eランクに昇級したばかり。


 レベルも20前後だった。


 Cランク、レベル50オーバーのレインが種族しか見れないのだ。


 シローナ達は種族すら見れたか怪しいな。


 だが、物と魔物のステータス表記は基本から異なる。


 だとすると、シローナ達も魔物だと解っていて救出に行った事になる。


 となれば責められる行動ではないか。


 決して誉められる行動ではない。


 本来ならレベル差で敵わないと判断してギルドに報告に戻る所だからな。


 となると、双方無罪放免か……。


 いや待て、イーチャルは飛行魔導具がある筈ないから魔物だと断定していた。


 間違いでは無かったが、それは鑑定していないという事ではないのか?


 とすると、シローナ達の行動は冒険者としては間違っている事になる。


 それに、魔物ではあるがテイムした魔物、従魔だ。


 異国の言語で進路を妨害し、静止した所で従魔から無理矢理降ろす。


 その上で、従魔に魔法、打撃を浴びせ……。


 考えを整理していて、背筋がゾクッとした。


 レベル90オーバーの魔物だぞ?


 シローナ達、良く生きてたな……。


 サムがしっかり従えている証拠だな。

 

「そういえば、イーチャルが攻撃されたと言っていたが」


「それは本当に解らない。ボクは何もしてないし、緑ホッパーなんか微動だにしなかったから」


「緑ホッパーというのは……」


「あ、緑ホッパーは乗り物、魔物の事だよ」


「解った」

 

 後はシローナ達に話を聞いてまとめるが、十中八九シローナ達に非があるな。


 ギルドで騒いだシローナとイーチャルは降格は確定だ。


「そういえば、他に言語スキルはなかった筈だが……」


「言われてみれば、そうね」


「サムじゃないからね。トージで使ってたのは日本語だよ」


「ニホン……聞いた事はないな。そもそもスキルボードに無かっただろ」


 そーいや、無かったな。


 なんでだ?


「二千年前の言語だから? いや……でも……」


 いや、違う。


 そもそも、この世界の言語じゃない。


 この世界とは違い学び覚える言語だ。


 だからスキルボードには反映されないんだ。


「なるほど、それも途絶えたスキルと言う事か」


 おっと、納得されちゃった。


 ……まぁいいか。


「でも、そうだとしたら何でスキルボードに無いんだろう」


「トージとして目覚めてから、ニホン語を使わなかったんじゃない?」


「いや、緑ホッパーとの会話は日本語だったよ?」


 そーいや、座席に水ボール乗せたままだ。


 すっかり忘れてたな。


「……もう一度スキルボードを見させて貰えないか?」


「いいよ?」


 そう言って表示したステータスには、(しっか)りと[日本語]がスキルとして表示されていた。


「え? なんで!?」


 ボクが驚きの表情を見せると、ヴィオが「やはりな」と呟き言葉を続けた。


「スキルには名称が必要だ。スキルの名称は神が考えてくれる訳ではなく、我々が考えねばならない。恐らくトージの目覚めからニホン語を発言したのは先程のが初なのではないか?」


「えー、そんな事━━」


 「ないよ」と言いかけて思い出してみる。


 こちらに来てからボクの声は変わった。


 サムの声で日本語は聞き覚えがない。


 加工品達(ゴーレム達)の声は?


 無いな。


 緑ホッパーは……母国語とは言っていた気がするけど、日本語は口にしていない……な。


「━━あるわ」


 現象として存在していても名称がなければスキルにはならない。


 緑ホッパーが言ってたな。

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