021 冒険者ギルド
更新が遅いです。
というか、不定期です。
[語彙力]Lv.1だけど、読んでくれてる皆に感謝!!
いつの間にかPVが1000行ってましたw
ブクマも増えてたし、これからも
間は空くと思いますが書き続けたいと思います。
お姉さんの名前は、レイン=スコール。
名前を聞いてから、レインさんと呼んだら無理矢理、レインお姉さんに訂正させられた。
きっと絶妙なお年頃なのだろう。
どこの世界に行っても女性は年齢を気にするのだと悟った。
故に年齢は聞いてない。
伺うのが怖い。
え? いや、まぁ確かに見れるよ?
でも、見たら態度に出てしまいそうだし、やっぱり勝手に見るのは良くないよ。
うん。
常識が身に付くまで、店で住み込みで働く事になりました。
労働の対価が常識の学習と食と住まい。
衣類代は貸しだってさ。
労働は、金属の加工。
格安で手に入る土属金属をナイフなどに加工するのが、ボクの仕事になる。
スキル屋なのに、勝手に売っていいのかと聞いたら、「誰の許可がいるんだい?」と笑われた。
店を構えるのに村長の許可は要るが、何を売るかに許可は要らないらしい。
まぁ、限度はあるけど。
ボクらは今、村にある冒険者ギルドへ向かっている。
そうそう、この集落の名称を言って無かったね。
ここはカロウラ村。
緑が豊かで静かな村だ。
まぁ、辺鄙な村で周りは森しか無いとも言える。
ギルドに行く理由はレインお姉さんの提案。
ボクがギルドに登録されているかの確認だ。
レベル91ともなれば、既に登録がある可能性が高いと踏んだらしい。
あればボクの情報を呼び出して貰う。
なければ、普通に登録して、冒険者の仕事を覚える。
常識を習得した後でボクが普通に生活を送れる様にとのレインお姉さんからの配慮だ。
この話を聞いてから何か引っ掛かる事があるけど、なんだろ?
冒険者ギルドに着くと、慌ただしかった。
理由はボードに貼られた依頼書。
リアリス語のスキルを貰ったおかげで依頼書もスラスラと読めた。
その依頼内容は以下の通り。
■魔物の調査依頼■
村に侵入した未知の魔物。
仮称『緑の巨人』
2メートル以上あり、二足歩行の半虫半人型。
足の歪な形状、腿は大人の胴並みに太い。
対して膝下は子供の腕の様に細い。
足先は虫を思わせる鉤爪。
腕部は鍛え抜かれた兵士の様にガッシリしている。
一番異形なのは、頭部である。
昆虫類の魔物に見られる複眼に触覚。
複眼は人の血を吸った様に赤く、触覚は鞭の様にしなやかで長い。
顔の中心から生える触覚の先は地面に着いている。
そして、どうみても捕食に向いていない牙。
真っ白に尖った牙が十本近く並んでいる。
侵入したが、何もせずに去って行ったので討伐にはならなかったようだが、今までに見たことも聞いたこともない魔物。
村に来た目的・生態系など、1情報につき5万ギルという報酬で張り出されていた。
情報を出すだけで5万も稼げるとあって、依頼を探しに来た冒険者は皆それを受けて森へと向かって行った。
あー、やっちゃった……かな?
うん、まぁそうだよね。
あんな異形の生物が現れたらこうなるか……。
ボクは日曜朝にやっている特撮ヒーロー物の街に出現する敵を想像していた。
あの手の特撮は敵の出現の対策でヒーローが駆り出される。
ここではヒーロー=冒険者なのだろう。
本当に緑ホッパーが手を出さないでくれて良かったよ。
被害が出てたら、罪悪感でここにいられない。
「大丈夫か?」
唖然し、ボーッとしていたら、レインお姉さんが顔を覗き込んでいた。
「え、あ、うん。大丈夫」
ボクは赤面で慌てて答えた。
しょうがないだろ?
キレイな女性に顔近づけられたら、上がってしまう。
耐性ないんだよ。
何せ、年齢=彼女居ない歴だからな。
「サム坊のレベルなら余程の事がない限り大丈夫だろ。なんなら受けてみるかい?」
余程の事があるんで遠慮しときます。
「いや~、無理だよ。ハハハ……」
ボクはひきつった笑顔で返す。
「強者の謙遜は嫌みだよ?」
そんなつもりは毛頭ない。
だって、その依頼書に載っている魔物は推定レベル950。
その1/10以下であるボクにどうこうできる相手ではない。
いや、ゴーレム化しちゃったけど。
ボクが加工した幻想の魔物で、更に加工しなおしてるから、いくら捜索しても見つけられない。
まぁ、自分以外の人が徒労に終わってもボクは気にしない。
「ま、依頼受けるにしても先ずは登録しなきゃね」
「そうだね」
レインお姉さんに手を引かれ、カウンターへと向かう。
「レイン様。本日はどの様なご用件で?」
受付は規律をキチッと守りそうな四角い眼鏡を掛けた男性だ。
「ちょっとこの子の登録にね」
受付はボクの方を睨むと鼻で笑った。
「少年、ここは遊び場ではありません。レイン様も子供のおふざけに付き合わないようお願い致します」
「そんな事言っていいのかしら?」
「冒険者の登録は最低でも12才から、レベルも職に括らず15からです」
「だから?」
レインお姉さんがイラついているのが、ボクでもわかる。
「ここまで言っても、わかりませんか?」
「わかんないねぇ」
「無駄な事に時間を割きたくありません。帰っていただけますか?」
「ふ~ん、どうあっても取り合ってくれないの?」
「どう見ても8才……いえ、6才ですか?」
下がった!?
「対応する時間の無駄です。只でさえ魔物のせいで忙しいのに」
「はぁ、この堅物……。いいや、ギルマスに受付してもらうから」
「私以上に忙しいギルドマスターが対応する訳ないでしょう?」
「どうだろうね」
そして現在、ギルマスの部屋にて土下座させられている受付の角メガネ。
「ウチの職員がすまなかったね」
この人は、このギルドのマスターであるヴィオ=ランテさん。
ウェーブのかかったオレンジのロングヘア、女性だった。
ギルドマスターって言うから筋肉質なおっさんを期待したのに。
「ホントだよ。少しは便宜を図って貰いたいね」
「内容にもよるかな」
「そうだね。Cランクからにしてやってくれ」
「それは構わないが、なぜCランクなんだ? 彼の実力ならB……いやAランクでも大丈夫だと思うが?」
「ギルドマスター、レイン様に何を吹き込まれたかは知りませんが、そんなガキに便宜を図る必要など……ましてやAランク? バカバカしい」
土下座していた受付が頭を上げて発言していた。
ギルマスはすかさず、頭を殴り床に口をつけさせた。
この衝撃で角メガネは意識を断った。
「いや、ホントにすまない」
「構わないさ。で、Cランクを希望する理由だっけ? 色々あるが一番はアタイが同行したいからだね」
「それでしたら、A・Bどちらでも可能ですよ?」
「指名が来ちまうだろ?」
「そうですね。私としても溜まっている高レベル依頼を消化したいのでB以上にしたいのですが?」
「いずれはそれもありだろうさ。だが、まだダメだ。今のサム坊には記憶がない」




