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020 常識

更新が遅いです。

というか、不定期です。

[語彙力]Lv.1だけど、読んでくれてる皆に感謝!!


 お姉さんは、ハサミを取り出して[ゴーレム]にハサミを入れた。


 まぁ……結論から言うけど、切り取れなかった。


 1回目で切り取れず、「あれ?」と思ったようだ。


 2回目は何かを思い付いたのか、恐る恐る。


 3回目は確証を得たのか、連続でシャカシャカとハサミを動かしていた。


「ねぇ、この[ゴーレム]って形を変えられるだけ?」


「レベル2になってからは色が変えられるようになったよ?」


「やっぱり……」


 お姉さんはとても大きなため息をついて、ハサミを机に置いた。


「どしたの?」


「上位スキルだ、コレ……ゴメン。ウチだと買い取れないや」


「えー、なんで?」


 切り取れないんだから、聞くまでもないんだけどね。


「理由は二つ」


 おっと予想外、もう一つは何ぞ?


「一つは見ての通りウチにあるハサミだと取れない」


「ふむふむ」


 これは予想通り。


「もう一つは上位スキルを買い取れるカネはウチにはない」


「え? さっき50万って……」


「上位スキルを50万で買えたら嬉しいねぇ」


 お姉さんはニタニタと笑いながら妄想に入った。


 こっちのお金の価値がわからないが、50万も安くはないよね?


 と、思ったけどベトナムの1万ドンは50円って聞いた事があったな。


 50万でも2500円にしかならんな。


 考えている事に気づいたのか、お姉さんが笑みを止めて、真剣な顔で話しかけてきた。


「どうやら、上位スキルの価値も忘れてるみたいだね」


 忘れてるというか、知らないんだけどね。


 とりあえず、「アハハ」と笑って誤魔化す。


「もし上位スキルを売るときは軽く見ても1000万は下らないからな? 気をつけろよ?」


 二桁も変わった。


 すげーな上位スキル。


「あー、うん。わかった」


「にしてもスキルは買い取れないか……うーん、困ったね」


「何が?」


「この先何をするにもカネはいるだろ?」


「そうなの?」


「街に入る時には通行料を取られるし……」


 確かに、サム少年の情報が欲しいから街には行きたいんだよね……。


 通行料か、異世界あるあるだけど本当にあるんだね。


 まぁ、高速利用料みたいなもんだろ。


 にしても、このお姉さん優しいな。


 見ず知らずのおっさんの先行きなんか心配するとは……。


 あ、今は少年か。


「カネを稼ぐ為に冒険者ギルドに登録するにしても登録料は取られるだろ?」


「そうなんだ」


「この辺りも忘れてるのかい……なんか常識の類いが全部ないね」


「あー、そうかもね」


 常識が無い。


 その事を口に出してふと考えたようだ。


「……カネは使えるよね?」


「たぶん」


「たぶんって、不安な回答だね」


 この世界は貨幣のみで紙幣は無い事がわかった。


 デザインは国により変わるが刻まれる額も金属も統一されている。


 リアリス語を主とする、このトヨトム国の通貨の単位はギルであるが、やはり各国でそれも変わる。


鉄貨(アイアン) 1

銅貨(ブロンズ) 10

鋼貨(スチール) 100

銀貨(シルバー) 1,000

金貨(ゴールド) 1万

白金貨(プラチナ) 10万


 とりあえず、一般消費者に使われる金種をご紹介。


 一般と言ったので、察するだろうがこの上もある。


 業者達の取引や貴族のオークションでの落札、国同士の取引などで使うのだが、それはまた今度にしよう。


 貨幣に使われている金属の種類だが、高額な貨幣に使われている金属ほど、希少価値の高い金属になっている。


 色々と聞いてみたが1ギル=1円と考えて良さそうだ。


 あの小僧、本来タダを1万と言ったのか、後で1発殴らせてもらうおう。


 さて、カネの事で色々と伺った結果、今のボクには生活していく常識が備わっていないと指摘された。


 そして、お姉さんからの提案で、常識が身に付くまで店で手伝いをする事となったのだ。

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