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018 言語ゲット

更新が遅いです。

というか、不定期です。

[語彙力]Lv.1だけど、読んでくれてる皆に感謝!!


 ホバーバイクにまたがり、集落へと向かった。


 集落の入口には番兵や関所などもなく、自由に出入り可能。


 警戒体勢かと思いきや、そうでもなかった。


 入ったので、速度を落として走行してもらう。


 行く人行く人がこちらに目を向ける。


 やはり、珍しいのだろうか。


 たが、緑ホッパーが突ったように騒がれる様子はない。


 バイクのカウルは大成功といえよう。


 野菜を売っているとおぼしきおっちゃんが居たので声をかけたが、やはり言葉は通じなかった。


 ダメか……と思いバイクの方に戻ろうとすると、おっちゃんに肩を捕まれた。


 振り替えると、おっちゃんが1つの場所を指してニカっと笑った。


 指した先は向かいの角にある店だった。


 そこに行けば何か解決するのかとボクは向かう。


 入口に看板がぶら下がっているが読めない。


 でも識字率は高そうで安心した。


 中には魔石が並べられていた。


 サイズは地球で見る宝石からゴルフボールくらいまで様々だ。

 1つ1つの魔石の前には札が置かれてある。


 これが値札なのだろう。


 その割には同じ魔石でも、札に書かれている内容が違うようにみえた。


 カウンター内の店員に声をかけられた。


 声からして、男性。


 20前後の青年と見た。


 フードを深々と被っていて顔はわからない。


「ここは魔石屋さんですか?」


 かけられた内容は理解出来ないが、とりあえず返事をする。


 すると、店員が手招きをしている。


 カウンター前まで行くと、店員は青い宝石が嵌め込まれた銀色のハサミをと透明な魔石を取り出した。


 透明な魔石に対して何かスキルを使ったのだろう。


 ステータスボードが空中に表示された。


 だが、やっぱりボクには読めない。


 そのステータスボードの項目の1つにハサミを当てて切った。


 切った場所に文字が浮かんでいる。


 フヨフヨと浮かんでいる。


 店員が何かジェスチャーをしてくるが、わからないので首を傾げると、「やれやれ」と言った顔でカウンターから出て来て、文字を掴んでボクの胸に押し込んだ。


「これで、言葉、わかる」


 店員が話し掛けてきた。


 凄くカタコトだが、理解できる。


「ありがとう!」


 カタコトだろうがなんだろうが、言葉が判るのは嬉しい事だ。


「良かった、代金、金貨1枚」


「え?」


 まさか、金払えって?


「金ない」


「スキル」


 スキル?


「見る」


 店員がボクに対してスキルを使った。


「何、コレ」


 今度はボクの目でも内容がある程度わかった。


 これはステータスボードではなくて、スキルボードだ。


 だが、表示が全て「???」になっている。


「ただいま!」


 後ろから元気な声がした。


 ただいまと言うからには、ここの店員なのだろう。


 声は若そうな女性。


 20~30代だろうか。


 振り替えると真っ黒な生地で油でも塗りたくったような艶のあるボディスーツを着た女性が立っていた。


 ボディスーツはピンと張っていて、シワが殆ど見えない。


 中心の留め具は胸元を通り越して、へその下まで開いている。


 えっろ!


「客?」


「店長」


 男性店員の声のトーンがやや低く聞こえた。


「買取、珍しい、村」


「いや」


 女店長がスキルボードを覗き込む。


「お前見れない、レベル高い、期待」


 女店長はウキウキしながら、サムにスキルを行使した。


「レベル高い、見れない、ん?」


 女店長は何かに気付いたようだ。


「リアリス、レベル1、交渉、困難」


 女店長は男店員が出した透明な魔石のスキルボードを再度開き、リアリス語と書いてある項目を1回2回とカットしていく。


 カットする度に浮いているリアリス語の文字が煌めく。


 10回くらいカットし、浮いている文字をボクに押し込んだ。


「ほら、これで話せるだろ?」


 ハッキリと言葉がわかる。


 言葉が通じるって、それだけで嬉しいモノだ。


 ボクは心から感謝の言葉を述べた。


「ありがとう! お姉さん!」


「んまぁ! お姉さんだなんて! 嬉しいわぁ、何かいいスキルがあれば、高額で買い取ってあげるんだけど。う~ん、残念ねぇ」


 お姉さんと呼ばれた事が余程嬉しかったのだろう。


 いきなり口調が変わった。


 高額で買い取りと言われて思い出した。


 初めのリアリス語と今のリアリス語の代金をボクは払えないのだ。


「ごめんなさい。ボク、お金ないんだ」


「ん~? 今のリアリス語? あんなのサービスよ。坊やみたいに余所の国から来た人の為に村のみんなから定期的に貰ってるの。お金なんか受け取れないわ」


「え? でもさっき金貨1枚って……」


「ん~~~~~~?」


 お姉さんはニッコリと笑っている。


 顔は笑顔なのだが、怒っている様にも伺える。


 そのまま、男店員の方へと向かった。


「ちょっと~ア~レ~ス~。ど~ゆ~事?」


「いや、ちょっと小遣い稼ぎに……」


「金貨1枚が小遣いってレベルかな?」


「だって、汚れてるけど身なりのいい服着てるし、表の乗り物みただろ?」


 お姉さんはサムに眼を向け、服装を凝視する。


 ラインの入った白いシャツに黒のベスト。


 それと茶色のパンツに深い緑の靴か。


 一針一針丁寧に縫われた衣類。


 汚れは最近付いたモノだね。


 長年着古した感じには見えない。


 これだけで、富裕層と見えるが、それだけでは納まらないね。


 ベストもそうだが、シャツにまでもボタンを備えている。


 シャツのあの光沢のある白いボタンといい、ベストの同様の光沢の黒のボタン。


 アタイの知る限りあの輝きを見せるのは真珠と黒真珠だ。


 まさか、あんなに平らになるまで贅沢にも削った?


 そんな勿体ない事をするのはどこのバカな貴族だろうね。


 大きさは、ほぼ均一。


 レベルの高い細工師に依頼してるね。


 パンツはコートに隠れて腰回りは見えないか。


 最後に回したが一番異常なのは、靴だ。


 何だ、あの靴は?


 靴と言ったら革だろう?


 だがあれは、どう見ても布だ。


 布では靴の耐久度に足らんだろう?


 いや待て……そうか、流石は貴族か。


 耐久性よりも見た目を重視すると言う訳か。


 布での耐久性を考えるに1日1足といった所か。


 贅沢を見せつけてくれる。


 服のサイズはどれも、この子供にピッタリ合わせて作られている。


 ホントこういうのだけ目が効くんだよなコイツは。


 しかし……。


「乗り物って?」


「見たこともない乗り物だよ。あんなの乗ってるって事はどっかの金持ちに決まってる」


「そんなのあったか?」


「店の横にありますよ」


 アレスは不貞腐れて店の側面の窓から見えるホバーバイクを指差した。


 ホバーバイクは入口の邪魔にならないように、店の側面に停めている。


 このお姉さんは逆側から来たのだろう。


 お姉さんは外のホバーバイクを確認しに行った。


 その際、アレスは逃げ出そうとしたが、お姉さんがスキルを使い店に置いてあった縄で縛り上げられた。


 亀甲縛りって奴かな?


 今は天井に吊るされている。


 これがキレイなお姉さんなら目の保養になるのに。

 


 しばらくしてお姉さんが戻ってきたが、首を傾げている。


「本当にアレに乗って来たのかい?」


「そうだよ」


「じゃぁ、あんたテイマーなのかい?」


 テイマーっていうと、魔物を従えてる奴だよな?


 なんで?


 ……あー、そっか……このお姉さん鑑定みたいな事してたっけ。


 てことは緑ホッパーを見られた?


 いや、待てその前にどう答えるべき?


「答えないのは肯定かい?」


「え、いやーそのー……テイマーってなんですか?」


 いやいや、違うよ!

 テイマーがなんたるかは大体解るよ!


「テイマーじゃ無いってのかい?」


「いやーどうなんでしょうね。アハハハ……」


 明後日の方を向いて目が泳ぐ。


「もしかして……」


 お姉さんはサムの顔をじっと伺う。


 もしかしてって何ですか?


 テイマーだと何か悪いの?


 テイマーじゃないと何か悪いの?


 わかんないよー!


「いや、すまない。アタイの癖でね」


「へ?」


「職業を聞いたりするのはマナー違反だって解ってるんだが、気になるとついね。坊やの国ではテイマーは(さげす)まれる対象なのかい?」


 蔑まれる?


 職業で?


 あー、でもそれも異世界あるあるか。


 でも、実際どうなんだろう?


「わかんない」


「いや、そうだよな。そんな事言いたくはないか」


「いや本当にわからないんだよね」


「自国の世情も知らないってのかい? アタイにも見れないレベルで?」


「しょうがないだろ? 記憶がないんだし」


「記憶がない? まさか記憶喪失か?」


 記憶喪失とは違うけど、あーでもその方が『サム=クゥエル』は探しやすいかな。


 よし、記憶喪失で通そう。


「あー、うん。気付いたら森にいたんだ」


「森か、記憶喰い(メモリーイーター)にでも出くわしたかね」


「メモリーイーター?」


 記憶喰い(メモリーイーター)


 その名の通り、記憶を糧とする魔物。


 出現場所は深い森や洞窟。


 出会った者は記憶を抜かれるので、正しい姿の記録はない。


 尚、被害者は頭部に損傷を負って見つかる事が多い。


「ところで、自分の事はどこまで解ってるんだい?」


「名前と年齢? あとはステータスボードで見れる事くらいかな」


「ふーん、見る事は出来るんだ。じゃぁ、レベルは?」


「91」


「ど~りで、アタイには見れない訳か」


「そっか、レベル差があると見れないんだっけ」


「そういう所は覚えてるんだね」


 しまった。


 記憶喪失設定だった。


「あれれ? いや、何でだろうね? アハハハ……」


「別に可笑しくはないさ。記憶喰いってのは文字通り喰らうんだからね。人様が皿に出された食事を食すのとは訳が違う。礼儀もへったくれもなく食い散らかすからね。何を覚えてて何を忘れたのかハッキリとはわからないさ」


 どう誤魔化そうかと焦ったけど、便利な魔物もいたもんだ。


「そういえば、お姉さんは幾つなの?」


「人に聞いといて答えないのも失礼か。アタイは56だよ。ついでに上にぶら下がってるのは12だ」


 高いのか低いのかわかんないな。


「アタイは冒険者ってのをやっててね」


「あれ? ここの店員さんじゃないの?」


「店員……ちゃあ店員か。ここはアタイの店だよ。たまに魔石仕入れる為に冒険業やるけど、本業はこのスキル屋の店長さ」


「え? ここは魔石屋じゃ無いの?」


「魔石本体を売る事はあんま無いかな。売るのは魔石に残ってるスキルさ」


 ボクは先程の魔石とハサミを思い浮かべていた。


「あぁ、だから……なるほどね。あのハサミは魔石からスキルを切り取る道具か」


「ちょっと違うかな。スキルボードからスキルをレベル1つ分だけ切る道具よ」


「……何か違った?」


「魔石とスキルボードの違いかな。スキルを切り取れるのは何も魔石だけしゃない。人からも取れるのさ」


「だからさっきの店員さんは、ボクのスキルボードを見てたのか」


「全然見れなかったけどね。そだ、坊やのスキルボード見せてよ」


「いいよ」


 ボクは[ステータス]でスキルボードを開こうとしたが、お姉さんが奥の部屋で見ようと言うので奥の部屋に着いていった。


 男性店員は吊るしたまま放置し、奥の部屋の扉はスキルにより硬く閉ざされた。


 あの男店員にボクのスキルボードを見させないようにとの配慮なんだろうけど……。


 コレ、別方面から見れば軟禁されてるよね?


「[ステータス]に[プロパティ]、[ゴーレム]かどれも聞いた事が無いね。というか、[テイム]が無い!?」


 あ、しまった。


「じゃあ、あのゴーレムは……ゴーレム? まさかこの[ゴーレム]は!?」


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