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016 街へ向けて

更新が遅いです。

というか、不定期です。

語彙力ない文章だけど、読んでくれてる皆に感謝!!


 魔刃族の加工をした。


 彼ら魔刃族は宿主の魔力で行動するから基本魔力は少ないんだ。


 だから、単体ではスキルは殆ど使えない。


 始めは飛行機にしてやろうと考えたけど、飛行スキルを獲てもそれに回せる魔力がないんだって。


 同じ理由でタイヤもダメだった。


 それでも自由に移動できる様になりたいというから、適当な手足をつけてやる事にしたんだ。


 全体のバランスをとりながら脚の長さを決めていったら、どっかで見たことのある虫になった。


 言い訳染みて聞こえるだろうけど誓って言うよ?


 特に意識してたわけじゃないんだ。


 意識してたらガガンボみたいになんかならないと思うんだよ。


 うん、ガガンボになった。


 相違点は(はね)が無いくらい。


 当人はガガンボなんて知らないんだろう。


 凄く喜んでくれている。


 だからこそ、胸に刺さる。


 そうそう、魔刃族を加工する際にカラーパレットが増えている事に気がついた。


 慌てて、ボクのステータスを確認すると[ゴーレム]がレベル2に上がっていた。


 上がる条件は何なんだろうか……。


 欲しいと望んだから?


 確かに色が変えられる様になったのは嬉しい。


 だが、本当にもし考えるだけで、バージョンアップするのなら試して見ようと思ったが思い止まった。


 上限があったら困る。


 くだらない要望が叶えられて、後々本当に欲しい機能で追加出来なかったら悲しいからな。


 既に人の国に入っていると聞き、早速街へ向かった。


 街がどこにあるか解っている訳じゃない。


 舗装されていなくとも道は道だ。


 道すがら走ればその内着くと思ったんだ。


 ホッパーバイクに股がり、水ボールに支えられ、舗装されていない道を走り始めた。


 そうそう、緑ホッパーの形状の変更を行った。


 ボクのレベルあげも元々はそれが目的だしね。


 変更は要望通り、中肢と翅を追加した。


 中肢は普段は腰回りに畳んでいる。


 緑ホッパーの要望通りに加工していったら、化物になってしまった。


 いやどちらかといえば怪人の方かもしれない。


 加工はボクの脳内で行われるから、加工後に確認してもらい気に入らない箇所があれば、再度加工するという事を繰り返した。


 特に顔がヤバイ。


 緑ホッパーが細部にまでこだわるもんだから、魔力枯渇になりかけたよ。


 脳内のモデリング画面を相手に見せられる仕様ならいいのに……。


〔条件が満たされました〕


 ……なぁんか聞こえた。


 恐る恐るステータスを確認すると、[ゴーレム]のレベルが3に上がっていた。

 

 なんだろう。


 願いを叶えてくれる龍にギャルのパンティでも頼んだような気分だ。


 どこの誰とも知らぬ下着貰って誰が嬉しいんだよ!


 選別してんの龍か触角生えた緑の人だぞ?


 もしそのギャルがデス代だったらどうすんだ!


 本当に欲しい機能の為にとっておこうと思った矢先なのに。


 いや? 欲しいさ! 欲しかったさ!


 この機能はとても役にたつさ!


 だから大丈夫!


 それに検証も出来たし一石二鳥だよね!?


 心の中で返答しない誰かに訴えた。


 あれ? でもそうすると、土を加工した時に動く事を願ったけど、それは叶えられないって事なのか?


 再び脳内でモデリング画面を確認するとカラーパレットの他に全体表示ボタンが増えていた。


 試しに押して表示させてみた。


「おや? このウインドウはなんです?」


 やはり全体、他の者にも見える表示のようだ。


「加工用の画面だよ。今できる様になった」


「今? もう少し早く欲しかったですね」


 はぁ、まったくやれやれといった態度だが、顔が完全な昆虫な為に読み取れない。


 加工したボクでさえ、顔を見れない。


「ねぇ、緑ホッパー」


「なんですかな?」


「外部装甲着けない?」


「外部装甲ですか? 必要を感じませんが……」


「正直言って今の緑ホッパーは怖い。マジで」


「畏怖ですか、それは褒め言葉ですね?」


「いや違うから、加工したボクが言うのもなんだけど、キショイ意味で怖いから」


「キショイですと!? このカッコよさが解らないとは……マスターも子供ですね。あ、子供でしたね」


 声のトーンから察するに怒り混じりの驚き、嘆き、(笑)のようだが表情は全て畏怖だ。


 ヘリウッド映画のエイリアン顔と言えば伝わるだろうか。


「あと、この世界がどうかは解らないけど、その顔で街へは入れないと思うよ」


「なんですと!?」


 凄く驚いているのだろうが、やはり読めない。


「人族もこの良さが解らないと!?」


「試してみようか?」


「いいでしょう。人族にこの良さが解らないというのであれば、その時は外部装甲だろうが、お面だろうが着けて差し上げましょう」


「言ったね? ならひょっとこの面でも着けてもらおうかな」


 ホッパーバイクの形状も大きく変わった。


 タイヤは外してホバーバイクになっている。


 ホバーとホッパーを掛けてホパーバイクと命名したが却下された。


 正直リアル過ぎてで巨大バッタに股がっている気分だ。


 座席は前と同じく水ボールにへばりついて貰っている。



 道を走り始めて、すぐにトラブル発生。


 なんか、十数人に囲まれた。


 始めは同じ道の向かい側から馬車に乗ってやって来ていた集団だったのだが、目視できる距離になると馬車から降りてこちらに向けて構え始めたのだ。


 緊迫した表情で槍やら剣やら構える奴らがいれば、その奥で杖を持ちをブツブツ呟いている老人やら女の子がいる。


 装備品はみんなバラバラで統一感は無い。


 白いシスターみたいな服を着た一際可愛い娘が話しかけてきたが、何言ってるのかサッパリだった。


 聞いたこともない言語だった。


 ここは異世界なのだから、当たり前なのだが、身体はサム少年の物だ。


 もしかしたら、解るのではないかという期待があったのだが、無念にも打ち砕かれた。


 まあ、きっと広い世界だ。


 地球でも、隣の県でも難解になり、国が変われば理解不能だった。


 この地方で通じないだけで、きっと他に行けばこの少年の手掛かりが掴めるだろう。


 ところで、必死に語り掛けてきてるこの白シスターちゃんには、ちゃんと対応した方がいいのかな?


 未だにホッパーバイクに股がったままで、聞いていた。


 言葉が通じないにしても、一度ホッパーバイクを降りて一礼くらいはした方がいいのかな?


 という訳で、一度降りた。


 そのタイミングを狙ったかの様に横から飛び出してきた金髪ロン毛の甲冑男に抱き抱えられた。


 甲冑男はそのまま集団の輪から少し離れた所で一度止まり、白シスターちゃんにグッドサインをした。


 白シスターちゃんもそれにグッドサインを返し、それを合図としたかのように、回りの者共が一斉に緑ホッパーに斬りかかった。


 後方の杖持ちはバシバシ魔法を放っている。


 あ、杖持ちは魔法使いか。


 それはそれとして、なにも身に覚えがないまま、タコ殴りにされている緑ホッパー。


 ないよね?


 実は寝てる間に何かやらかした?


 などと考えもしたが、よくよく考えれば、緑ホッパーがこの形状になったのはついさっきだ。


 ボクはというと、甲冑男に抱き締められている。


 しきりに何かを語り掛けているが、やはり聞き取れない。


 まったく、抱きつくなら白シスターちゃんにして欲しいものだ。


 何故、こんな男に抱きつかれにきゃならんのだ。


 それにしても、タコ殴りの緑ホッパーはよく堪えているな。


 てっきりすぐにキレるかと思ったのに。


 まぁ、それも今のうちだろう。


 本当にキレないうちに退散するか。


 甲冑男は力一杯抱き締めているように見えたのだが、サムが少し力を加えると簡単に離れられた。


 甲冑男は放心状態でポカンとこちらを見ている。


「まったく、ボクはもう行くよ?」


 日本語で話しかけても、返答はなかった。


 放心していて聞こえていないようにも見えた。

加工した緑ホッパーは

仮面ライダーのアナザーアギトが

ヴェノム化した様な姿です。

目は赤く光を帯びています。

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