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014 所有物?

更新が遅いです。

というか、不定期です。

お気に入り登録が一度に二人も増えました!

(  ̄▽ ̄) うれしい!

PVも700を越えた!

目指すはPV1000!


「ここは……どこだんべ?」


 それを聞いたボクは固まった。


 思考、それに体も。


 漫画的表現であればピキーンと硬直し、ボクは真っ白になり画力は落書きレベルにまで落ちていることだろう。


 この黒鎧の姿で名前も黒鷲と決めているのに、中身はイナカモンって、何の冗談だよ!


 黒鷲は辺りを見渡している。


 そして、ボク達の方に目を向けると……。


「ヒィィィィィ!」


 突如上げられる奇声。


「え!? 何!?」


「く、来るなぁ~! 来るでねぇ! 来ねえでけろ~!」


 何度聞いても思うだろう。


 お(めぇ)はどこさ出身だ?


 あ、感染(うつ)った。


 じゃなくて。


「大丈夫だよ。何もしないよ」


 ボクは優しい表情で(なだ)めようとするが、効果はない。


 肘で緑ホッパーを小突いた。


「ちょっと、どういうこと?」


「はて、ワタシ達は面識が無い筈ですし、魔刃が怖いのでしょうか」


「あぁ、魔刃か……」


 確かにボクと黒鷲の間には魔刃が刺さっている。


 いるけども………………。


 どーーーーー見ても視線がボクなんだよね。


「ねぇ? 緑ホッパー。どう見てもボクに恐怖を抱いているよね?」


「ハハハ、そんな事は……」


 緑ホッパーが試しに魔刃を地面から抜き、黒鷲の左サイドに回りこんだ。


 しかし、黒鷲は変わらず、ボクの方を見てわめいている。


 緑ホッパーはボクの横に戻ってきた。


「どうやら、そのようですな。マスター、この者に何かしたのですかな?」


「いや、見てただろ?」


「前のゴブリンの様に核を表出させたとか」


「うぐっ」


 緑ホッパーはやれやれという態度で続ける。


「マスター。言ったでしょう? 我々魔物にとって核は命そのものだと」


「聞いたけどさぁ。形状があまりにもキレイだったから……」


「だから?」


「見てみたいなぁ……て」


「ハァ……」


 大きなため息をつかれた。


「やるなら事前に相談して下さい」


「……相談したらいいの?」


「えぇ、相談していただければ、暴れる前に……」


 取り押さえてくれるのか。


「仕留められます」


 頼もしいな……ん?


「今、なんて言った?」


「相談して下さいと」


「その後」


「仕留められる」


「それ! 加工した仲間を仕留めるなよ!」


「ハハハ、加工しただけでは仲間とは言いませんよ」


 ん?


 加工したら、ボクの所有物になるんだよな?


 所有物だから何してもいいって事?


 でも、緑ホッパーが言ってるのは何かニュアンスが違う。


 そういや、森で……。



 ━━━━━━━━━━━━━



「ワタシはマスターであるサム=クゥエルに忠誠を誓い、これからの旅に同伴する。この旅に同伴し、功績を挙げられた者は報酬としてワタシから魔石を進呈しようではないか」



 ━━━━━━━━━━━━━




 てな事を言っていた。


 ボクに“忠誠を誓い”って誓ったっけ?


 それが、彼らに対する建前としても、“旅に同伴し”って事は魔石要らなかったら、ついて来ないって事だよね?


 少し考えて、[プロパティ]を開き、森ゴブ長との対話を開いた。


 それに気付いたのか、緑ホッパーから「おや、どうされました?」と質問されたが、「ちょっと相談」と返した。


「ねぇ、森ゴブ長ってさ、ボクの所有物だよね?」


「ちょ!」


『勝手に所有物にしないで欲しいっス』


「あれ? どうしたの緑ホッパー」


 ボクの質問の直後に入ってきた緑ホッパーに微笑みながら返した。


「あ、いえ……なんでも……ありません」


「そっか。それで、森ゴブ長はボクに加工された後になんか変わった事ってあった?」


『そっスね。身体が変わったっス』


「うん、それが加工だからね。それ以外は?」


『身体の形を変えられる様になったっス』


「他は?」


『言葉覚えたっス~♪ これで会話がスムーズに出来る様になったっスよ~』


 上機嫌の森ゴブ長に対し、冷静に質問を続けるサム。


「他は?」


『他っスか? 他は…… (核出されたっス)


「あ、それはゴメン」


『大丈夫っス。お陰でこんなスゴイ魔石貰えたっスから』


「他にはないかな?」


『無いっスね』


 この対話でふと思った事があった。


「あれ? そう言えば変形で核を出すまで、あれが自分の核とは思ってなかったんだよね?」


 出すまでと言ったが、実際は出しても言われるまで気づいてはいない。


『そりゃそうっス。自分の核なんてそうそう、見た事がある奴は居ないっスよ』


「そっか、ありがと」


『どういたしましてっス~』


 対話機能を閉じて、緑ホッパーの方を見ると冷や汗の様な物がダラダラと流れていた。


 出来れば、今ここで所有物という言葉について問いただしたいが、森ゴブ長との会話で疑問に思った事があるのでそちらを先に片す事にする。


 その対象は、奥の樹にひっしりとしがみついている。


「森ゴブ長が言うにはさ……」


「申し訳ありませんでした」


 話を切り出したところで緑ホッパーに謝罪された。


「ワタシは森の統治者という立場を捨てたく、マスターを利用いたしました」


 こちらの切り出し方が悪かったようだ。


 後で問いただそうと思っていた事だったのだが、向こうから話出してしまった。


 だが、今はその話をしたいのではないので、


「その話は後でいいや。それより、核の表出についてだけど、森ゴブ長は変形して表に出てくるまで、それが核とは気付かなかったって言ってるんだけど」


「え、あ、はい。それが何か?」


 問いただしを覚悟していたのだが、話を変えられ少し戸惑ったが、直ぐに持ち直し普段の冷静な対応をとる。


「黒鷲にはまだ変形を試して貰って無いけど、核を表出する仕様になってるってわかるのかな?」


「ふむ。今出ている訳ではないのですか?」


「流石にボクも学習するさ。今回のは黒鷲の意思で開閉出来る様にしてある」


「そうなると、わからないですね」


「うーん」


 二人して、沈黙が続く。


 口を開いたのは緑ホッパーだった。


「手っ取り早く、当人に聞きますか」


緑ホッパー=グリーン・ホッパー

森ゴブ長=フォレスト・ゴブリン・リーダー

黒鷲=ブラック・イーグル

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