011 経験値稼ぎのサポート
昔から国語が苦手で、改行、句読点など
よくわかりません。
表現も苦手で更新は不定期になります。
PVが500いったよ。ありがとう。
緑ホッパーが負けるとは思って無かったけどさ。
この状況は何?
先程、ちょっと戦闘になって闇ゴブが複数に増えた事にビビってたんだ。
そしたら1体だけ抑えだしてさ。
「何やってんの?」て思ってたら、案の定、他の闇ゴブが斬りかかったから「危ない!」と思うじゃん?
なのに、その闇ゴブは空中で停まっちゃうし。
そんなやり取りをしていたのに、闇ゴブは鎧の胸当てだけを開いてボクの前に立っている。
緑ホッパーは「ささ、どうぞ」と新たに剣を出している。
何? まさかこの状態の闇ゴブに刺せってこと?
サポートってこれ?
ボク的には、緑ホッパーが瀕死まで追い込んで、トドメをボク……だと思って、そういう覚悟はしてたんだけど。
相手を屈服させて胸を一突きなの?
剣を持ち、無抵抗……というより協力的な闇ゴブに剣を刺す姿を想像する。
あれだね、神話にある焚き火に飛び込むウサギの表現を悪くするとこうなるよね。
この殺り方は思った以上に気分が悪い。
悩んでいると、「刺す場所がわかりませんか?」と声を掛けられた。
刺す所がわからないんじゃなくて、刺したくなくて戸惑ってんだよ。
など考えている間に刃先を闇ゴブの胸の中心に刺した。
「グゥ……」と声を漏らす闇ゴブ。
その刃先の刺さった剣をボクに持たせる緑ホッパー。
剣は子供の身体には重く、持ち手を両手でしっかりと握り締めた。
支えるように持っていても、わかる剣の斬れ味。
力を抜くと闇ゴブの腹を裂いてしまいそうで、角度を維持する。
だが重い剣を子供の力で支え続けるのは大変だ。
手は小刻みに震えている。
なんで、こんなに、重いんだよ。
「マスターには重かったですかね? こういう時は、腹で支えるのですよ」
緑ホッパーはサムの背後から両肩を掴み、サムを前方の闇ゴブの方へと押してくる。
「お、押すなよ! 刺さっちゃうだろ!」
「では、押しますね」
どっかの芸人のフリじゃねぇよ!
柄頭がサムの腹で支えられた。
1mm、また1mmと刺さっていく感触がサムの手のひらと腹に伝わる。
うぇ、気持ち悪い。
手を離したいけど、離したらもっと酷いことになりそうだし、でも離さないとどんどん刺さってくし。
「こんなんで殺してもボクの経験値にならないだろ?」
「なりますよ」
なるんかーい。
というか、もういっそのこと一気に刺して欲しい。
なんでこんなゆっくり刺すんだよ。
闇ゴブからこぼれる声は耳に障るし、手に来る感触は気持ち悪い。
よし、ボクも覚悟を決めよう。
「わかった、わかったから、一気に刺せない?」
闇ゴブをこの処刑スタイルで殺す覚悟はできた。
だから、一思いに一気に……。
「そうすると、柄がマスターの腹を突き破りますが?」
おうふ。
そっかー、刺さっちゃうかー。
だから慎重にゆっくりなんだね。
でもこの速度で刺し進むのもイヤだなぁ。
いっその事、寝っ転がってもらえれば、剣の重みで刺し抜けそうなのに。
「グゥアァァァァ」
闇ゴブの断末魔が聞こえてきた。
「あれ? 終わったの」
「はい。漸く絶命いたしました」
漸くとか言うなよ。
可愛そうだろ?
それにしても考え事していると時間の流れは早く感じるな。
「これにより、ゴブリンの経験値がマスターに入ります」
ボクは急速に気持ち悪くなった。
目が回る。
脳が揺さぶられているようだ。
上司に付き合わされて呑み空かした翌日のように、胃にあるもの全てを吐き出し、胃を洗浄したい。
ボクはその場に倒れこんだ。




