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ミリオンワールド!  作者: ユーリ・バリスキー
第六章 スタンプラリーイベント
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#6―00

今回から新章になります。よろしくお願いします。



 暗く落とされた照明のステージ上では、設置されたスクリーンに一人の少女の写真と、これまでの簡単な経歴などが映し出されている。


 肩口までのブルネットの波打つ髪と碧の瞳、欧米人としてはちょっと低めの鼻には丸いレンズの眼鏡がちょこんと乗っていて、なかなかチャーミングな女の子だ。表示されているプロフィールによると、年齢は今月十三歳になったばかり。ただごく最近撮影されたという写真から受ける印象は、それよりも少し幼い。


 彼女は客席から見てステージの右(上手)側に用意された席に座る人物たちの中でもとりわけ若く、非常に目立っていた。


 もっとも彼女が目立っているのは、その容姿というよりも経歴によるものであろう。


 彼女は両親が共にアートディレクターとして世界中を飛び回る仕事をしており、幼い頃から祖父母に預けられて育ったのだが、その頃からパズルのように数学の問題を解いて遊んでいた。これは子育てにまるでノータッチだった祖父が、孫と何をして遊んだらいいのかわからずに、自分の専門分野――彼は物理学の教師だった――を教えるという他人が聞けば「そんな馬鹿な」と言われるようなことをした時に、数学に驚異的な適性を示したことが始まりだった。


 普通ならばこのまま飛び級に飛び級を重ねて一気に大学へ――という流れになりそうなところだが、彼女の祖父母と両親はそうはしなかった。それは幼い頃に様々なものを見て経験を積み、たくさんの人とも関わって感受性や社交性を磨くことが、仮に数学者の道を進むことになるにせよ必ずプラスになるだろうと考えた故であり、彼女はごく普通の子供として一般的な学校に通っていた。


 一方で祖父の伝手で手に入れた数々の論文を読み解き、彼女は数学者としての才能をひっそりと花開かせていた。


 そしてある時、祖父の母校である大学の研究室にいくつかの論文が届けられる。それは論文というにはまだ拙く、字体にも幼さが見受けられる奇妙なものだったが、数々の斬新なアイディアが輝きを放つ、宝石の原石のようなものだった。


 こうして研究者の間で名を知られるようになった彼女は、その後も一般的な学校に通いつつ、かの研究室に時折顔を出し数学者としても歩み出すこととなったのである。




 ここはとある国際会場の大ホール、そして現在“近江賞”という国際賞の授賞式が執り行われている。


 近江賞はいつきグループという、黛と匹敵する巨大企業の創業者によって設立された公益財団法人によって運営されており、科学分野や文化芸術分野で優れた貢献をした人物に贈られる国際賞である。


 実績という面ではまだまだの彼女だが、研究者の第一歩となった論文を、既に老境に達した大学教授と共同で研究を進め、長らく数多くの学者を挫折させ続けていた難問を解決するに至った為にこの場に居るのだ。ちなみにその教授と彼女は師弟のような関係になっていて、たいそう大事に育てられているそうな。


 ちなみに近江賞は授賞式の前にはレセプション、授賞式当日には晩餐会があり、さらに記念講演会やワークショップなどなど関連行事が数多くあるのだが、講演会などでは教授が話す予定となっている。正直、彼女にはまだ大舞台は荷が重すぎるようで、ステージ上の席に座る彼女は、遠目にも凄まじい緊張っぷりが見て取れた。その様子を見て、他の年長の受賞者たちが妙に和んで緊張が解けていたというのは、彼女にとってはちょっと不本意な事実である。




 いよいよ受賞の瞬間がやって来た。幸か不幸か最初の出番である彼女――マリーカは、教授と共に席から立ち上がった。


 それにしても妙に体調がおかしいような気がする。体がフワフワとして落ち着かない。床がスポンジにでもなってしまったのだろうか?


 ドイツと日本では時差が七時間(現在はサマータイム)もあるが、マリーカは一晩眠ったら時差ボケはすっかり解消されていた。むしろ時差ボケが酷かったのは教授の方である。


 またこの季節の日本は非常に暑かったが、マリーカは割と暑さには強い方なのでそれほど辛くはなかった。そのはずだったのだが、なぜかもう肌着は汗でびっしょりになってしまっている。


 空調が十分に効いているホールなのに一体なんでだろうと考えた時、初めて自分が極度に緊張していることに気づく。緊張しているということにすら思い至らなかったほどに自分が切羽詰まっている、というのはちょっとおかしかったが、とてもじゃないが笑える余裕はなかった。


 考えてみると注目を集めるような舞台というもの自体が初めてのことだ。学校では舞台上で発表するようなことは何もやってこなかったし、卒業式や入学式と言った式典もあっさりとしたもので、生徒が目立つような瞬間は殆どない。そもそもクラスメートと親族しか見ていない場では、たとえ何か失敗してもちょっと恥ずかしい思い出になるくらいのものだ。緊張するといってもタカが知れている。


 そんなことをつらつらと考えていると、教授が小声で話しかけてきた。


『マリーカ、顔を上げて前を見なさい。……じゃないと、君はきっと後悔するよ?』


 いつの間にか俯いてしまっていたことに気づき、マリーカは顔を上げた。そう、今は教授の晴れ舞台なのだ。恩師に恥をかかせるわけにはいかない。共同研究者と認めてくれているとはいっても、今回の自分は言わばオマケのようなものなのだ。


 ただ、後悔するとはどういう意味だろうか? しかも教授の言葉は、どこか悪戯を楽しんでいるようなニュアンスが感じられる。この教授は堅物のように見えて、結構お茶目なところのある、愉快で少し困ったお爺ちゃんなのだ。


 顔を上げた先、下手舞台袖の暗闇からプレゼンターと思しき一人の女性が静かに歩み出てきた。


 一歩進むたびにサラリと揺れる金糸の髪は舞台の照明を反射して煌めき、上品な藤色のドレスを纏う均整の取れた肢体は、強くしなやかな印象を見る者に与えた。高いヒールを履いているにもかかわらず美しい姿勢で優雅に歩くその様子には、微塵も緊張を感じられなかった。


 こんなにも間近で見るのは初めてのことだが、その完璧なまでに整った容姿は、彼女の才能を妬んだ者たちが、「きっと自分自身の容姿まで創作したに違いない」などと揶揄したくなるのも分からなくはない程だ。


 その人物が何者であるかに気づくとマリーカは驚きに目を大きく見開き、いつの間にか開いてしまっていた口を隠すように両手を当てる。


(うそ……まさか、そんな……こんな所で会えるなんて!!)


 彼女の名は黛清歌。主に西欧を中心に活躍しているアーティストで、若くして複数の芸術分野で大きな賞を総なめにしておきながら、本人に関する情報が極端に少ないという、ちょっとした生ける伝説的人物なのだ。


 そんな清歌の作品を、両親の伝手で偶然見る機会の合ったマリーカは、まるで恋に落ちるかのように一瞬でファンになってしまったのである。一度だけ生で聴くことのできたピアノ演奏は、気付いた時には涙が零れ落ちているほどの感銘を受けた。


 憧れの人物が何の前触れもなく目の前に現れ、マリーカは緊張など完全に吹き飛んでしまっていた。


 さらに清歌は目があった瞬間、花が綻ぶように柔らかな笑顔をマリーカだけ(・・)に見せてくれたのである。いかに天才と呼ばれていても、まだまだ人生経験に乏しい十三歳の少女には、これで舞い上がるなというのはかなり無茶な注文であろう。


 目を見開いたままポーッとしていたマリーカは、ドイツ語の通訳が清歌の挨拶を伝えてくれたのを聞いて初めて、いつの間にかもうすぐ傍まで来ていたことに気が付いた。


 清歌がまず教授と握手をして、次にマリーカと握手をする。


(ああ、もう手が汗でベトベトだよ~~。もう、やだぁ……)


 そんなマリーカの心の声が届いたのか、清歌はクスリと小さく笑うと抱擁するように手を後ろに回し、優しく二回背中を叩いた。


『あともう少しですから頑張って、マリーカ』


 清歌は流暢なドイツ語でそう耳元に囁くと、一歩離れてマリーカの目を見て微笑む。それを見てどうにか気持ちを立て直したマリーカは、ぎこちないながらも笑顔を作って、『はい』と声には出さずに頷いた。


 どうやら少しは緊張が解けたらしく、会場全体から安堵の溜息が聞こえてくる。正直言って見ていられない程の緊張っぷりで、このままでは受け取った証書を落っことすか、席に戻る時に転ぶかするのではないかとハラハラしていたのだ。


 結局マリーカは授賞式を一応無事、最後まで乗り切ることができた。もっとも清歌を見てからはずっと夢現(ゆめうつつ)状態だったらしく、ようやく正気を取り戻したのは式が終わり、晩餐会の為に着替えた時であった。







 清歌を除くマーチトイボックス(弥生のおもちゃ箱)の四人は、ただ今ワールドエントランスのフードコートでまったり中である。


 午前中のログインでコミックエフェクト実践活用法の研究や、清歌の装備品作成など、今日中にやっておこうと持っていたことは既に消化してしまっていて、午後は何をするか未定のままだ。次にすることが特に思い浮かばず、宙ぶらりんの状態のままなんとなくまったりしている四人である。


 清歌は昨日から泊りがけの出張で、本日の<ミリオンワールド>はお休み中だ。女子高生が出張とは何ぞや? と普通ならば思うところなのだが、彼女の場合は黛の娘としてやらなくてはならない務めがあるので、出張という言葉で合っているだろう。


 お嬢様的あれやこれやで夏休みも結構忙しい清歌も、これまで何気に弥生たちと同様、<ミリオンワールド>は皆勤賞だった。今までは予定をメンテナンス日に合わせたり、<ミリオンワールド>が終わった後の夜に予定を突っ込んでいたりと調整していたのだが、今回ばかりは自分の都合で動かせない予定だったので、やむを得ず欠席となったのである。ちなみに昨日はたまたまメンテナンス日だったので、お休みは一回で済んでいる。


 午前のプレイ中もそうだったのだが、ずっと一緒だったメンバーが急に一人掛けてしまうと、どうも調子が狂ってしまうようだ。特に清歌がいると、なぜかオモシロ事件が起きたり、ちょっと変わった提案が出てきたりするので、プレイにメリハリができる。――今日は四人ともなんだか気合が入らないというのは、清歌の不在が原因の一つなのであった。


 ストローでアイスティーを意味もなくかき混ぜつつ、絵梨は認証パス(スマホ)でちょっと気になったことを検索していた。


「あら……、ちょっと見て。ネットの公式サイトに、もう授賞式の様子がアップされているわ」


「ほほ~」「それどれ……」「清歌映ってるかな~」


 アップされていた動画を飛ばし飛ばし見ていると、最初の受賞者二人――お年寄りの教授とまだ幼い少女という目立つ組み合わせだ――が立ち上がった。


「うわ~、この子の緊張は半端ないな……。引きで撮影してるのに、こわばってる感じが目に見えて分かる」


「うむ。なんというか、気の毒になるほどだな……」


 ギクシャクとした動きでステージの中央に歩み出る少女は、確かに映像からも凄まじく緊張しているのが良く分かった。が、うつむいていた顔を上げた瞬間、その様子が変化する。緊張など忘れるほど何かに驚いたのか、口に両手を当て、思わずといった感じで半歩後ずさった。


「あ、清歌が出てきたよ! ……うわぁ、やっぱりドレスも似合うね~」


「ホント。最近忘れそうになるけど、やっぱり清歌は生粋のお嬢様なのよね。私らじゃ、こんな風に着こなせないわ」


 必要以上にプレゼンターが目立たないようにという配慮らしく、清歌が纏うドレスはシンプルなデザインで上品なものだが、それ故に着る者を選ぶだろうと想像できた。体のラインが分かってしまうというだけでなく、これを着てステージに自然体で立てるというのはよほどステージ慣れしていなければ無理だろう。


 この時のために仕立てたであろうドレス姿が今一つ板についておらず、めちゃくちゃ緊張しまくっている少女の様子とは、まるきり対極にあったと言える。


「あーっ! ちょっ、清歌ってば! なに抱きしめちゃってるの~!?」


 清歌がマリーカを軽く抱擁しているのを見て、弥生が思わず悲鳴を上げる。


「そんな、これくらいあっちの人達にとっては軽い挨拶みたいなもんでしょ? なぁに~、弥生。もしかしてヤキモチかしら?(ニヤリ★)」


「そ、そそそ、そんなんじゃないよ! ……そ、そう! いきなりアドリブみたいなことしちゃって大丈夫なのかな~って。ほら、教授の時にはしてなかったから、ね」


 ニヨニヨと生暖かい微笑みを向けて来る絵梨と悠司に、弥生が適当にでっち上げた理由を語る。


「ほほ~、そうなんだ~」「なるほどね~、清歌さんが心配だったと~」


「な、ナニよ、二人とも~~」


「…………ふむ。どうやら清歌嬢の行動は好意的に受け止められているようだな」


 動画を見続けていた聡一郎が、結果的に弥生のフォローになるような発言をした。


 どうやら余りにも緊張している少女の緊張をほぐすために、清歌はあのような行動をしたらしい。抱擁するというよりも、耳元で何かを囁くことが目的だったようだ。実際それは抜群の効果があり、少女はどうにか気持ちを立て直すことに成功したようだ。――と、同時に会場からも安堵の声がちらほらと聞こえてきていた。


「それにしても、こういう賞の式典で女子高生がプレゼンターっていうのは良いのか?」


「うーむ。良いも何も、こうやって務めを果たしているからいいのではないか?」


「フフ、まあ確かにそうだけど、ユージの疑問ももっともよね。……私も気になってちょっと調べてみたんだけど、この近江賞って財団設立時に黛家も深くかかわってるのよ。それで清歌に白羽の矢が立ったんじゃない? あの子なら舞台映えするし」


 悠司の疑問に対し、絵梨が自分の推測を語る。絵梨が調べた限りではこれまでの授賞式では、特にプレゼンターに拘りがあったという記録はなかった。もしかすると斎や黛の一族から、順番に回しているのかもしれないと思ったのである。


「あ~、そういう側面もあるんだけど、実は今回は事情があって、清歌じゃなきゃいけなかったんだって」


「ん? 弥生、なんでそんなこと知ってんだ?」


「昨日、式典前の清歌と電話で話したんだ。なんか変に時間が余って暇だったんって」


 実は今回受賞した少女――マリーカについては、授賞式の運営側からすると大きな悩みのタネだったのだ。十三歳という幼い少女を、国際的な式典に引っ張り出して大丈夫なのか、という不安が拭えなかったのだ。


 これが例えば清歌のように、もっと幼い頃から何度も国際的なコンクールなどのステージに立ち、場慣れしているというのならばまだしも、マリーカは才能を脇に置けば、最近までごくごく普通の小学生だったのだ。それをいきなり大舞台に立たせ、きっちり式典をこなせというのは、かなり酷な話である。


 とはいえ、体調が悪いわけでもないのに、マリーカに式典をさぼらせてしまうというのも具合が悪い。それに共同研究者である二人ともが、一緒に授賞式に臨みたいと希望していたのだ。


 困り果てた運営側は、こうなったらいっそサプライズでも仕掛けて、彼女の気をそっちに逸らせてしまおう、といういささか確実性の乏しい作戦を思いついたのだ。


 そうしてマリーカの家族から彼女についてあれこれ聞き取りをすると、好都合なことに黛家の娘――清歌の大ファンだということが判明したのである。財団設立にも関わった黛家の娘であればさほど不自然ではなく、何より舞台慣れしている清歌なら、この役目を任せてしまっても大丈夫だろう。


 ――とまあこんな次第で、運営から黛家を経由して打診を受けた清歌は、しぶしぶ引き受けることとなったのである。正直清歌としては、<ミリオンワールド>を一回休むことになるので、どちらかと言えばやりたくないという気持ちが強かったのだが、大舞台で緊張のあまり恥をかいてしまうかもしれない少女を救える(かもしれない)、などと言われては、引き受けざるを得ないというものだろう。


「そりゃあ、清歌さんも大変……いや災難だったな。……ってかやっぱりいるんだな、清歌さんのファンって」


「……日本こっちじゃあまり知られてないけど、海の向こうじゃかなり派手に活躍してたみたいだし……、そりゃあいるんじゃない?」


「うむ。同じ天才少女同志、なにか共感するものもあったのかもしれんな」


「そっか、なるほどなぁ」「ああ……そね、そういうこともありそうよねぇ」


 聡一郎の言葉に肯定的な返事をする絵梨と悠司。しかし弥生はちょっとその言葉に違和感を覚えて、すぐには返事を返せなかった。


 弥生はオレンジソーダの入ったグラスを手に取り、ストローに口をつけ一口飲む。そして背もたれに身を預けつつ目を閉じて、以前見せてもらった清歌の作品たちを思い出してみる。すると、


「……たぶん、天才同士だからっていうのは、ちょっと違うんじゃないかな」


 ――いつの間にか呟くように言葉が零れ落ちていた。


 目を開けると絵梨たちがどういう事なのかと、視線で尋ねていた。弥生自身そんな直感があっただけなので上手く言葉にできる自信はなかったが、思ったことを話してみる。


「う~ん、良く分かんないんだけど、この子の研究って、数学の世界の変わらない……真理? みたいのを探求するものなんでしょ? 上手く言えないけど、前に清歌の作品を見た時ね、これはきっと清歌が自分の中にある理想を追い求めていったものなんだろうなって、思ったの」


 一旦言葉を切った弥生は、いつの間にか三人が真剣な目をしていることに気づいた。この雰囲気の中、さらに語るのは小恥ずかしいのだが、ちゃんと最後まで話すべきだろうと思い口を開く。


「そんな清歌の作品だから、この子も大好きになったんじゃないかな? 自分の中にある探求心とか、研究に向かう姿勢とか、そういうものに似たものを、作品から感じたんじゃないかなって、私は……思う、よ?」


 最後が自信なさげになってしまうところが、我ながら締まらないなと弥生が思っていると、三人の口から感嘆の声が出て、さらにパチパチと小さく拍手までされてしまった。


「ちょ、ちょっとナニよ~。確かにちょっと語っちゃったけどさぁ~」


「いやいや、素直に感心してたんだ。……いや、マジで、な」


「うむ。天才などという言葉で一括りにしてしまった自分が情けない」


「そうそう、決してバカになんかしてないわ、本当よ? ……そね。たまに清歌が、“流石は弥生さん”って言うじゃない? アレがちょっと分かった、ってところかしらね」


「ええ~~、なによそれ~」


 馬鹿にされていないのは理解できたのだが、素直に褒められるとそれはそれで照れてしまう弥生なのであった。





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