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ミリオンワールド!  作者: ユーリ・バリスキー
第十一章 新年
147/177

#11―00




 十二月三十一日、弥生、絵梨、悠司、聡一郎の四人は、昼過ぎに黛邸を訪れていた。主目的は夜になってから割と近場にあってそこそこ大きな神社に、清歌も加えて初詣に出かけることである。


 では何故こんなに早くに集まったのか? それは皆で蕎麦を打つためである。


 ますます訳が分からない話なので軽く経緯を説明すると、大晦日の夜に集まって皆で初詣に行こうという話から、どうせ集まるなら他にも何かしようという話になり、「それなら年越しそばを食べよう」から「なんなら蕎麦打ちからやってみようじゃないか」と勢いに任せて決定したのである。蕎麦打ちの指導は黛家のメイドさん(主にキッチン担当)にお願いすることにしたので、比較的彼女が手隙の時間に集合したのだ。


 ちなみに凛は夜遅くの外出に両親からの許可が下りず、またそもそも夜更かしは苦手であることもあって不参加。千代も大晦日は家族と過ごすと決まっているので不参加である。――二人とも大層残念がっていたのは言うまでも無いことであろう。


 蕎麦打ち教室の先生役となったメイドさんから指導を受けつつ、五人は苦労しつつも楽しみながら、どうにか蕎麦――小麦粉二割の二八蕎麦である――を打ちあげた。素人が料理本や動画などを参考に蕎麦打ちに挑戦し、水回しに失敗してそばがきにするしかなくなった――などという失敗談もよくあるようだが、ちゃんとした指導者と一式揃った道具のお陰で、出来に多少のばらつきはあるものの全員蕎麦と言えるものが出来上がっていた。


 なお、やはり一番上手にできたのは弥生で、次いで“くくり”と呼ばれる練りの作業の手つきが妙に上手だった清歌、残る三人はどっこいどっこいといったところだった。


 実食は夕食の時間にすることにして、五人は調理室を後にする。


「蕎麦打ちなんて初めてやったけど……、思ってたより楽しかったな」


「うむ、確かに面白い体験だったな」


 聡一郎が腕を組んで悠司に同意する。一人暮らしで一応自炊もしているのだが、蕎麦打ちは普通の料理とは異なる達成感のようなものがあった。


「将来、蕎麦打ちを趣味にするのもいいかもしれんな」


「だなー。……まあ、今日は付きっ切りで指導してもらったからどうにかなったが、一人でやるとなると大変だろうけどな」


「確かにな。しかし、だからこそ趣味になるのではないか?」


「ああ……、そういう考え方もあるか」


 男性陣の会話に弥生と絵梨がピタリと足を止め、顔を見合わせてから振り返った。何とも言い難い、敢えて言うなら胡散臭い奴を見るような視線を向けられた悠司と聡一郎がたじろぎ、足を止める。


「弥生さんも絵梨さんも、どうかされましたか?」


「う~ん、なんか二人がヘンなことを言い出したからさぁ……」


「そね。まさか二人とも、蕎麦打ち男になったりしないでしょうねぇ……」


 別に変なことを話していたつもりは無い悠司と聡一郎は、思わず首をひねった。蕎麦打ちを趣味にするのは、そんなにおかしなことではないし、また殊更非難されるようなものでもない筈だ。


 そう思ったのは清歌も同じだったらしい。奇妙な反応の理由を尋ねられた弥生は、「まあ、それ自体は悪くないんだけどね……」と前置きしてから答えた。


 どういうわけか蕎麦打ちは男性、それもおじさんと呼ばれるくらいの年齢になった男性が嵌る傾向があるらしい。それ自体に問題は無いのだが、いざ蕎麦を打つとなると結局四人前分くらい作ってしまうために、主に家族も一緒に付き合って消費することになってしまうのだ。


 最初の一~二回程度なら、笑って付き合ってくれるのだろうが、それが毎週のように付き合わされるともなると、流石にウンザリしてしまう。週一回程度では腕前もさほど上達するわけもなく、毎回素人の打った蕎麦レベルではなおのことだ。


 これはなにも蕎麦打ちに限った話ではなく、家族の道楽に付き合わされて迷惑をこうむるという話は割とよくある話ではある。――が、“蕎麦打ち男”などと言う風に、さも当然のように男性の趣味ばかりがやり玉に挙げられるのは少々納得がいかない。悠司と聡一郎は、世の男性諸君の為に(?)控えめに反論を試みた。


「いや……、だったら一人で練習して、自分で食べてしまえばいいわけで……」


「そうだな。それで上達してから家族に振る舞えばよいのではないか?」


「そうなると今度は、変につうぶった人間になっちゃったりするのよねぇ……」


「下手すると、脱サラして蕎麦屋を始める……なんて言ったりしてね~」


 しかしそのささやかな抵抗はあえなく叩き潰されてしまった。いささか偏見があるような気もしないでもないが、これ以上の抵抗は無意味であろうと二人は沈黙する。そもそも二人とも、将来そういう趣味もアリかなという程度の軽い発言だったので、弥生たちを論破する必要は無いのだ。


「まあでも、今日みたいに皆でやるのは楽しいかもね」


「そね。……っていうか全員の分を集めると凄い分量になるけど、アレってどうするの?」


「余った分は、私の両親や兄に振る舞えば……」


「それはダメ!」「それは却下ね」「ちょっとカンベン」「流石にそれはな……」


 清歌の申し出にノータイムでツッコミが入る。自分たちで食べる分には、達成感やらなんやらもあって多分美味しく感じるのだろうが、客観的に見れば他人に自信をもって振る舞えるような代物ではない。なので、余った分はそれぞれお土産に持ち帰ることとなった。







 清歌の部屋に入った四人は、そこに以前は無かったものがあるのを見て、思わず歓喜の声を上げた。


「おコタがある!」「炬燵があるわ!」「おおっ、炬燵!」「立派な炬燵だな!」


 以前来た時にはソファとテーブルのセットが置かれていた場所に、八人くらいは余裕で入れそうな大きさの、立派な炬燵が鎮座していたのである。ちなみに下にはラグが敷かれていて、五人分の座椅子も用意されている。そして天板の上には当然の如く、篭に入ったミカンが乗っていた。


 冬の暖房器具として定番の炬燵ではあるが、たまたま弥生たち四人の家には無い、もしくはあっても出していなかったので、これは嬉しいサプライズだった。


「うわぁ~、清歌の家に炬燵なんてあったんだ……。ちょっと意外かも?」


「ふふっ、皆さんがいらっしゃることになりましたので用意してみました。喜んで頂けたのなら何よりです」


「えっ!? わざわざ出してくれたの?」


「ええ。……ただ、私も炬燵は好きなので、ちょうど良い口実になったという感じです。手間がかかりますので、毎年出さず仕舞いになってしまいますので」


「あ~、そうなんだよね。ウチにもあるんだけど、今あるテーブルをどけたり炬燵布団を用意したり、かな~り面倒臭いから出すの見送っちゃうんだよね……」


 清歌と弥生がそんな話をしている内に、絵梨たちはちゃっかり既に炬燵の中に入ってスイッチを入れ、早くもぬくぬくしていた。


「二人ともー、何やってるのー? こっちはあったかいわよー……」


「あっ、ちょっとみんなズルい! 清歌、行こ」


「はーい」




 五人が炬燵に入ってぬくぬくすること早一時間余り、テーブルの上には人数分のミカンの皮が散らかり、それぞれほわんとした表情でテレビから流れる情報番組をBGMに取り留めのない話をしている。


 今は年末恒例の国際展示場で開催されている、コミックやアニメ、ゲームの祭典の様子が報じられていた。


「弥生さんはー……、こういったものに興味は無いのでしょうか?」


「あ~、これね~。私はあんまりないかな~」


「まー弥生はどっちかっつーと、ゲームショウの方だよな……」


「そーねー……、オタクにしても畑違いって言うか……」


「この寒い中始発電車とかで出かけるのだろう? 毎度思うのだが……、凄い熱意だな……」


「あー……、夏の方もお盆の凄い暑い時期だものねー」


「きっとそこでしか得られない、幸せがあるんだろーなー……」


「かもね~。まあ、私は今おコタで十分幸せだよ~」


「そうですね~」「そーねー」「だよな~」「そうだなぁ……」


 まさしく人をダメにする暖房器具、炬燵。その恐ろしい魔力に捕らわれた五人は、先ほどからこんな話を延々と続けていた。


 このままでは炬燵と一体化してしまうのではなかろうか、などとアホなことを考え始めた頃、悠司がどうにもならない生理現象で炬燵から一旦離脱した。そしてお手洗いから戻って来た時、炬燵トラップに捕らわれ、天板の上に頭を乗せてほわんとする四人の姿を目の当たりにして、思わず額に手を当てる。


「こりゃアカン……。おーい、リーダー。炬燵で寛ぐのもいいが、ちょっとはしゃっきりしようや。このままじゃ炬燵から出られなくなって、初詣も『ま~、別に行かなくてもいいか~』なんてことになりかねんぞ?」


 悠司の告げる不吉な予言に、四人が同時にむくりと体を起こした。ありそうな話なだけに笑えない。


「う~ん、どうしよう? ちょっとは頭を使った方が良いよね……。ゲームでもする?」


「でもこの人数でテレビゲームっていうのもアレよね? トランプでもするの?」


「うむ。あとは……人〇ゲームやモ〇ポリーなどのボードゲームだろうか?」


「ボードゲームはお正月っぽい気もするが、たまにはそれもいいな。いや……、っつーかそもそも清歌さんにボードゲームなんて……」


「ありますよ?」


「「「「えっ!?」」」」


 ――というわけで清歌に連れられて行った先は、物置代わりに使用しているという一室で、中には整然と背の高い棚が並んでいた。書庫も兼ねているようで、棚の幾つかには本がびっしり埋まっている。ちなみにここに置かれている本以外の物は、清歌の兄の趣味に関するアイテムが殆どである。


 その一角に、様々なデザインの箱が積み上げられている場所があった。モノトーンのシックなものだったり、古い地図のようなものが描かれていたり、やけにカラフルでコインや紙幣が散らばっているものだったりと、バラエティに富んでいる。


「わ~、本当に沢山あるね。これ全部お兄さんの物なの?」


「はい。なんでも気に入ったデザインの物があって買ってみたら案外面白くて、一時期はまっていた……ということのようです」


 多分に呆れ成分が含まれているその言葉から、弥生は「たぶんゲームに付き合わされたことがあるんだろうな」と推理して尋ねたところ、清歌は眉を下げて肩をすくめてみせた。どうやら正解だったらしい。


 ちなみにそれは清歌の兄が高校時代の頃で、学校に持ち込んで非公式の同好会を作って遊んでいたとのことだ。なんでもテレビゲームと異なり、互いの顔色を窺いつつプレイするので、男女交えてやると合コンのようでとても楽しいのだとか。


「それにしても、ボードゲームって沢山あるのねぇ。全然知らなかったわ」


「兄から聞いた話なので私も詳しくはありませんけれど、こういったゲームの愛好家もいるのだそうですよ。日本よりも海外の方が盛んとも聞きましたね」


「っつーことは、この辺の日本語がどこにも見当たらない箱はもしかして……?」


「はい、海外で購入したものだと思います。あ、日本語訳されたマニュアルが中に入っているものは、日本で購入したものかもしれません」


「なるほど、ローカライズされていない輸入物という事か。……しかし、う~む。こう多いと目移りしてしまうな……」


 いくつかの箱を手に取って物色していた聡一郎が唸る。こうやって改めて見ると、中々に凝ったデザインの物が多くどれも面白そうに思えてくる。特に明らかにメインターゲットを大人に絞っているものなどは、遊びごたえがありそうだ。


 ゲームの箱を手に取っては棚に戻すという事を繰り返すことしばし、弥生が一つの箱を両手で掲げた。


「これに決めたっ! これが面白そう!」


 それはファンタジーに登場する戦士や魔法使いといったキャラクターの絵に、ゲームのアイテムであろう地図やコイン、カードなどがデザインされている箱だった。ちなみにイラストは所謂マンガ的なものではなく、古典的な小説の扉絵に使われるような重厚な雰囲気の絵である。


 このゲームはたまたま清歌もプレイしたことのある物で、プレイヤーは冒険者となって様々な依頼をこなし、最終的に最も高い名声を得たものが勝利となるというものである。特徴的なのはプレイするに当たってゲームマスターを必要とするところで、テーブルトークRPGを元にボードゲームを作ったと考えるとイメージしやすいかもしれない。


「あら、結構面白そうじゃないの。それにしても弥生は本当にこういうの好きよね」


「まあね。っていうか<ミリオンワールド>はアレでしょ? だからこういう正統派ファンタジーにちょっと飢えてるのかも」


「ま、いいんじゃねーか。実は一度この面子でTRPGをやってみたいなーって思ってたから、丁度いいし」


「ところで清歌嬢、どこにも日本語が見当たらないのだが……もしや?」


「はい、そちらは海外で手に入れて来た物ですね。けれど遊ぶ分にはさほど支障は無いと思いますよ? あ、ただゲームマスターは私がやる必要がありますね」


 清歌の説明に弥生は「む~……」と数秒考えるも、このゲームをプレイしたいという欲求が上回り結論を出した。


「じゃあ清歌にゲームマスターをお願いしちゃってもいいかな?」


「はい、承知しました」







 ボードゲームで大いに盛り上がり、皆で打った蕎麦を食べて感想を言い合い、年末恒例の歌番組を流しつつ黛家提供のパーティー料理に舌鼓を打っていると、いつしか夜も更け時計は十一時を回っていた。


 本日の――いや、正確にはもうすぐそこまで迫っている明日のメインイベントである初詣に出かける時間である。


 五人は黛邸を出て、神社へと向かう道をのんびりと歩いていく。このペースで行くと、だいたい三十分ほどで着くので丁度いいタイミングのはずである。


 白い息を吐きつつ空を見上げると、そこには無数の星が瞬いていた。


「それにしても晴れて良かったですね」


「そね。流石は晴れ女。こういうイベントでは絶対に外さないわね」


「も~、前にも言ったけど、それって皆も同じことでしょ?」


「ふふっ。……せっかく晴れているのですから、やはり着替えた方が良かったのではありませんか?」


「う~ん、まあ……ね?」「ええ、興味はあったんだけど……ね?」


 十時ごろに部屋を訪れたメイドさんに、初詣に行くなら是非にと、晴れ着に着替えることを強く勧められたのである。なんでも弥生や絵梨に似合う着物は既に見繕ってあるのだとか。


 弥生と絵梨も女の子であり、華やかなお着物を着て初詣に出かけるというのに心惹かれるものもかな~りあったのだが、浴衣ならまだしもちゃんとした着物を着て、まともに歩き回れる自信が全く無かったので固辞したのである。ついでに言うと、黛家提供の着物は一体どれだけの価値の物なのかと恐れおののいたのも、もう一つの理由であった。


「いや、お前さんたちは別に着ても良かっただろう? それより俺たちにまで勧められたのには驚いたぞ。なあ?」


「うむ。正直言ってこちらにまでというのは、全く想定していなかったな」


 女性陣ばかり着替えるのでは釣り合いが取れなかろうと思ったのか、悠司と聡一郎にも羽織袴を用意していると、メイドさんたちが強く勧めてきたのである。これは余談だが、弥生たちが固辞したにも関わらず、にじり寄りつつなお強く勧めてきたメイドさんが約一名いた。


「……申し訳ありません、皆さん。普段着物を着る機会が少ないものですから、たまには着付けをしたかったようですね。特に父と兄は冠婚葬祭の場ではスーツしか着ませんから」


「あ~、それで……」「あんなに勧められたというわけか」


 そんな話をしている内に、いつのまにやら彼女たちと同じく神社へ向かう人が増えていた。有名な神社という訳ではないが、この地域では一番大きく由緒正しいところなので、なかなかの人出である。


 参拝者たちの流れに乗って歩いていると、神社の鳥居の前に到着した。


 この神社は鳥居をくぐるとその先に石段が伸びていて、それを登り切ると境内があるという造りになっている。


「そういえば、清歌ってまさか初詣も初めて……とか?」


 先日の動物園の一件を思い出した弥生が尋ねると、清歌はクスリと笑みを浮かべた。


「毎年ではありませんけれど、以前に何回か。ただ、こちらの神社にお参りするのは初めてですね」


「そっか。じゃあ上に行こっか。たぶんカウントダウンをするからね」


「カウントダウン? 神社で……ですか?」


「あはは、なぜかやるんだよね~」


 これも一種のあるあるネタであろうが、どういう訳か人が集まるところで年を越すと、どこからともなくカウントダウンが始まるものだ。それが神社であろうが、お寺であろうが、ライブ会場であろうが、スクランブル交差点であろうが、何故か始まってしまうのである。


 五人は長い石段を登り切り境内に入った。そこで無料で振る舞われていた甘酒を頂きつつ、その時を待つ。


 すると甘酒を配っていた二十歳くらいの巫女さんが一人、スマホを片手にすすっと前に出て来た。そして――


「新年まで、あと……二十秒!」


 と、良く通る声で宣言した。なんとカウントダウンの音頭は巫女さんが取ってくれるらしい。


 清歌たちも顔を見合わせると、十秒からカウントダウンに参加する。


「三……、二……、一……。あけましておめでとうございまーす!」


「「「「「あけましておめでとうございま~す!」」」」」


 どこからともなく拍手が巻き起こり、それが収まると早速お参りが始まった。


 清歌たちもお行儀よく列に並び、自分たちの番が来たところで、ここに来る前にネットで調べておいた作法に則って参拝をする。


 最後に新年最初の運試しという事でお神籤を引いてみた。結果は大吉が三人、中吉が二人ということで、まずまずの運勢のようだ。――こういうところで、どうせ大吉が一番多いんでしょう、などと無粋なことを言ってはいけない。


 五人はゆっくりと石段を降りていく。


「ちょっと寒いけど、こういうのもなんかいいね。……みんな、今年もよろしくね」


「はい。今年も宜しくお願いいたします」


「ええ、今年もよろしく。なんだかんだで去年は色々あったわよねぇ」


「ああ、よろしく。今年はどんな年になるかな~」


「うむ、今年もよろしく。さて、どうなるかな……」


 五人にとって去年は、出会いと様々な驚きが沢山あった年だった。今年はどんな年になるのだろうかと思いを馳せる。


 弥生が隣に視線を向けると、同じようにこちらを見ていた清歌と視線が合った。いずれにしても、このメンバーでなら楽しいに違いないと思える。


「う~ん、先のことは分からないけど……。取り敢えず、清歌の家に戻ったらもう一回さっきのゲームやらない?」


「ふふっ、それもいいですね」


「さっきは負けちゃったから、リベンジしておきたいところね」


「ふむ……一年の計は元旦にありと言うが……」


「っつーことは、今年も楽しくゲームができるってことかね~」


 そんな風に和気藹々と話しつつ、帰路に就く五人なのであった。





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