退屈の無い日々
六畳の部屋の中に君と僕。君は僕を指差して笑う。
「驚いた?」
「全然」
僕は冷たく言い返した。だって慣れたんだもん。最初の頃はそりゃあ驚いていたけど。
「驚かないのかあ」
君はつまらなさそうな顔をする。
ところで君はどうしてサッカーのユニフォームを着ているのさ?
「サッカー好きなの?」
「うん」
君は少年の様に微笑む。
結局今日は名前さえ知らない君とサッカーをして終わった。今頃一階では母が夕飯を作ってくれているだろう。
でも、正直言ってこんな毎日が楽しい。
そう、何故か僕の部屋には毎日違う人が現れる。「どこから来たの?」って聞いても絶対に答えてはくれない。だけど、毎日違う人に出会えるから退屈しなくていい。
明日の朝目が覚めたら、今度はどんな人がいるだろうか?