表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想能力剣闘士  作者: 筋肉の脈動
2/6

御鳥様

聖水スタイル

「よく喋る人間よの」


突然、ひれ伏したくなるような声が頭に響く


私はビビって硬直し、股関に温い感覚を感じる


プロローグに続いて二度目のおもらしだ


「汝、どうしてここにおる」


そう告げられた、いや、念話ってやつなんだろうけど、その…神様からのお告げを貰うような…貰った事はないけど、そんな感覚を覚えた


ビビりながらも、それ以降に会話をされずに目…多分目だろう、一途に見られている感覚だったので恐る恐るに答える


「夢の神様?」


フッ 小馬鹿にされたような感覚を覚える


「夢ではない。股関に手を宛ててみるがよい」


そう言われ、股関に手を…


「当てないよ!漏らしてるんだよ!ビビったの、悪い!?」


「ならば分かるだろう、夢ではない、現実だ。もう一度問う。汝、どうしてここにおる?」


そう言われ、思考の海に入る


目を覚ますとここにいた。至ってシンプルだ


しかし、自分の名前も分からず、足元には巨木、目の前には巨鳥、自分の常識には当てはまらないものばかりで、全部夢ではなく現実…


「分かりません。目を覚ますとこの非常識な大きさの木の上で、そして遠くに…失礼ですが、こちらもまた、非常識な大きさの御鳥様がいらっしゃいました」


「ふむ…汝、名は?そして住んでいた国、分からぬならば住んでいた町、村でもよい、申してみよ」


一言、考えるような発言の後にそう聞かれた


「名前は…分かりません。覚えてないのです。国も…分かりません。こちらも覚えてないのです。しかし、住んでいた大陸、いえ、住んでいた惑星の名前なら分かります。地球、という惑星に住んでいました」


「迷い子か…あい分かった。汝、我が使途として名を与える。我が名はアイン。アイン・フォートレス。汝の名はジュリア。ジュリア・フォートレスと名乗るがよい。」


ジュリア…なんか違和感ある名前だなぁ…と心の中に不満を持つが、我慢する


相手は偉そうだし、不満を垂れ流すと同時に身も垂れ流しそうなのだ。最後の矜持だけは保たなければならない!


「ありがとうございます。しかし、節介名を頂いたのですが食料も水もなく…そしてこの巨木から降りる事すらできません。せめて下の森へと行きたいのですが、何か方法はありませんか?それと、できれば中に浮いてる状態をなんとかして欲しいのです…」


返事がない…口調からしてお爺ちゃんっぽいし話の途中で寝たのだろうか


鳥って目を開けて寝るのかなぁ…なんて失礼な事を考えると真横に黒い影が音もなく現れ、条件反射で体を捻る


「我が眷族である、安心せい」


体長…5メートル?翼を広げている状態なら更にでかい!多分…多分鷹だ!


でかい!怖い!かっちょええ!


「汝、今のままではこの世界の言葉も話せぬであろう。そして下は魔物の領域である。このまま下に降ろせば魔物の餌、到底抜けられるとは思えぬが抜けても人間の輪に入る事はできぬ。そこでそやつの出番だ。」


隣から視線を感じる


隣を見ると捕食者がこちらをガン見している


オイシクナイヨ?ホーラ、トナリノリンゴハイカガ

カネ?


「そやつに森の入口まで送らせる。入口ならば汝でも魔物を狩り、水を確保し、生きる事ができるであろう。言葉は五年程かかるが、魔法にて負担なく覚える事ができる。五年間森で鍛え上げ、生きる知識を身につけるのだ」


アイン様からそう告げられた。五年も森で生きらますか?(わたくし)、女の子ですのよ?


「ありがとうございます。アイン様に見つけて下さって命拾いしました。ですがもう夜も来ます。せめて一夜、安全な所で気持ちの整理をさせて頂きたいのです」


「よかろう。この場で我が眷族と夜を過ごすがよい。夜は人間には耐えきれぬ寒さだが、我が眷族の魔力によって包む。寒さはなくなるだろう。気持ちの整理をつけるのだ」


そう言いながら枝へと体を移してくれた。アイン様優しい!ダンディだね!


「あの!服、あとご飯!どうにかなりませんか…?」


フッ 小馬鹿にされたような感覚を覚える


が、無言のままに飛び立つ


今度は暴風に襲われないが、そのまま飛び去ってしまった


くそ、ダンディじゃない!意地悪じいさんだ!


そんな風に思っていると、隣のでっかい鳥がまるでテントのように体を丸める


中で休め、らしい


あぁ…鷹ちゃんはダンディだね…


とりあえずパンツを脱いで鳥に体を寄せて横になる


色々あって疲れていたのだろう


すぐに眠気が来て何時の間にか寝ていたのだった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ