言ってしまえば……
言ってしまえば、それは、一言で関係が崩れてしまうかもしれない言葉。
言ってしまえば、それは、もう、話してはくれなくなるかもしれない言葉。
だけど、
言わなければいけない。
別に言わなくたって誰も恨んだり、憎まれたり、軽蔑されたりなんかされない。
けど、
言わなければいけない。
自分のココロに嘘はつけない……
だって、なってしまったのだ。
初め見たときに一目で引かれて一目で憧れてた。
キミの後をずっと追いかけてた。
次第に仲良くなってきたと思う
けど、
あくまで、「友達として」だろう。
キミは私の気持ちに気づかない。
そして私は、キミの気持ちがわからない。
わからないから、怖い。
言ってしまえば、キミとの関係が崩れてしまうかもしれない……
言ってしまえば、キミともう、二度と、話さないかもしれない……
怖い
怖い
こわい
だけど、言ってしまえば、それは新たなる一歩かもしれない。
言ってしまえば、見えてなかった道が見えるかもしれない。
だから、いう。
だから、いいます。
すぅ……
「キミが……好きです……」
……言ってしまえば、もう、後の事なんか考えてられない。
言った後悔と、言った苦しさが同時に襲いかかってくる。
苦しい……
苦しい
苦しさに負けるなと思っても目から水は溢れてくる。
いっそのこと、逃げ出してしまえば……
駄目だ。
そんなことをしてはいけない。
……顔を上げ、キミを見る。
キミは、少し驚いた顔をした。
けど、
それは、言ってしまえば、優しい笑みというのだろうか。
驚いた顔はすぐに笑みかわり、そして……