不思議な沼の話
つまらないです。
ご注意ください。
隣の村には大きな森がある。
森には大きな館がある。
館は不思議。
僕には見えない。
僕の町には大きな沼がある。
沼には大きな何かがいる。
何かは不思議。
僕には見えない。
沼の何かは僕に言う。
「俺はお前を知っている。」
「お前のことを知っている。」
僕は答えてこう言った。
「僕はお前を知っている。」
「お前は何も知ってない。」
沼の何かはため息ついた。
「お前は何も知ってない。」
「俺すら何も知ってない。」
沼の何かは消えてった。
僕の家の窓から沼が見えた。
それは大きな蛇がとぐろを巻いたように、綺麗な円に尻尾をつけたような不格好な沼だった。
沼というにはひどく浅いが、それはやっぱり沼だった。
町の片隅に大きく広がる浅い沼。
底の見えない浅い沼。
浅い沼には何かいた。
誰にも見えない何かいた。
みんなはそれを怖がって、僕以外は近づかない。
学校からの帰り道。僕は沼を見に行った。
沼の隣にしゃがみ込み、僕は一人、呟いた。
「見えてるものこそ怖いのに。」
僕の声は沼の真ん中。
一番暗い、一番深い場所に吸い込まれていった。
辺りがふっと、暗くなる。
大きな雨雲が僕の上には広がっていた。
雨がポツポツ降り始め、大きな沼の水面に、大きな黒い影が浮く。
それは僕の独り言を、勝手に会話に変えてしまう。
そんな変わったそれだった。
それは僕にこう言った。
「見えないものはホントに怖い。」
「人の狂気がそうだろう?」
僕はおどけてこう言った。
「見えてるものはホントに怖い。」
「人と凶器がそうだろう?」
大きなそれはこう言った。
「お前はホントに変わってる。」
「子供のくせに妙なやつ。」
小さな僕はこう言った。
「お前はホントに変わってる。」
「何かのくせに妙なやつ。」
大きな何かは声を上げて笑った。
何かの笑いは地震を起こし、大きな沼を揺さぶった。
沼の何かは笑い続ける。
何かの笑いは地面を破き、大きな沼の形を変えた。
沼の何かは笑い止まない。
何かの笑いは雲を吹き飛ばし、大きな沼を光に晒す。
大きな何かは奇声を上げる。
何かの奇声は日照りを起こし、大きな沼は消え去った。
何かの姿も消え去った。
僕は一人で家に帰る。
大きな沼は消え去った。
僕は一人で眠りに落ちる。
なにかの姿は元よりなかった。
起きたらまずは窓を開ける。
家の窓から沼が見えた。
大きく浅いあの沼が。
世界は不思議に満ちている。
大きな森の話が非常に印象深い、と私の中で話題に・・・。
すいません。処女作だったものでつい・・・。
でも伸びない閲覧数の中で100近く読まれたのあれだけなんですよ。
で、ですね。童話もどきの作品が肌に合うのかと思いまして・・・。
要するに実験作でした。
実験に巻き込まれてしまった方々、本当にありがとうございました。
参考にさせていただきます。
あと、全く面白くもないのに付き合わせてしまって申し訳ございません。
ここから説明のようなものでございます。
ずばり言います。何かは「自分自身」です。
「沼に映る影」は「私の影」でした。面白くないですね。普通で。
あと、沼も見えません。沼が見えるのも僕だけです。
沼も「何か」もなくて、みんなが怖がってるのは、僕のことです。
幻覚を見続ける僕の話でした。
ホントに不思議なのは僕の行動というオチでした。
ここまで読んだ方いないと思いますが、お疲れ様でした。
と、同時にもう一度、ありがとうございました。




