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骸骨の夢  作者: 読歩人
第一章 骸骨洞窟編
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任務開始

初めての御遣いの開始です。

 私を含めた骸骨兵は、ジフ様の命令を果たすべく部屋から通路へと歩き始めた。


 通路に入ると段々と暗くなり百歩も歩かないうちに闇に包まれてしまった。部屋では、倒した騎士達が持ち込んだのか松明が転がっていたため問題なかったのだが。


 困った私は、松明を取りに部屋に帰ろうかと仲間の骸骨兵に目を向けた。すると暗闇の中で骸骨兵が青い光を放っているではないか。驚いて自分の腕を見てみると、大鉈を握った白骨が同じように青く光っている。同時に黄色の光が上下左右を包んでいることに気づいた。円形盾が固定されている左手を、黄色い光に伸ばすと硬い岩壁の感触がした。


 物が光って見えている。

 昔はこんなことは無かったはずだが・・・昔?私は以前何をしていたのだろうか、思い出そうとしても頭に何も浮かばない。微かに右手に握る大鉈の感触が懐かしく感じるぐらいだ。


 私が思考のために歩みを止めると一緒に歩いてきた骸骨兵達が左右を通り過ぎて黄色い光の中を、いや通路の中を歩いて先に進んで行く。

 いけない、今は昔のことを考えるよりジフ様の命令を果たさなければならない。私は、頭蓋骨を揺らし思考を切替え仲間の骸骨兵達に追いつかんと再び歩き始めた。


 しばらく仲間の骸骨兵達と歩みを進めると通路の先に何かが落ちている。近づくとそこは十字路になっており青く光る人型がいくつもあった。頭蓋骨を砕かれた人骨が二体、首と四肢を切り離され焼かれた死体が二体あることが確認できた。私達は、ジフ様の命令に従い骸骨兵と死体兵らしき残骸を部屋に運び始めた。


「人間共め! 骸骨兵の頭蓋骨を砕き、死体兵を焼くとはこれでは再創造できん!」


 ジフ様は、私達が持ち帰った人骨とバラバラ死体を確認するなり人間を罵り始めた。


「この”骸骨洞窟”に神官や魔術師無しで挑むくせに、再創造の防止だけはしっかりしやがって。入り口から十字路までに配置していた骸骨兵と死体兵が全滅しているとなると不味いな・・・ん?」


 喚き悩まれているジフ様は、かっこいいなと鑑賞していたらジフ様が私達に目を向けられた。


「お前達、休んでないでまともな骸骨兵と死体兵の残骸を探して持って来い。今持ってきたように頭蓋骨が砕かれてなく首と四肢が斬られていないやつだぞ」


 ジフ様は、私達が持ってきたような残骸以外を持って来いと、再び命令を下された。私達骸骨兵は、十字路の所まで戻りそこで別れ個々に残骸を探し始めた。


 私は、十字路の真ん中の通路を選び進んだ。真ん中の通路は、上に向かうらしく直ぐに階段があった。

階段の途中には、頭蓋骨を砕かれた人骨がいくつかあるだけで五十段も上ると再び通路になった。通路を進むと何度か右、左、と曲がった後、ジフ様のいるような広い部屋に出た。


 その広い部屋では、十字路で見つけた何倍もの青く光る人型を見つけることができた。部屋の中央に転がっている人型は、頭蓋骨を砕かれた人骨やバラバラ死体だったが、部屋の隅に仰向けで並んでいる死体は、斬られたり刺されているだけでさほど壊れてはいなかった。

 死体の数が八体と多かったのでどれを運ぼうか悩んだが、一体だけジフ様のような外套を着た死体があったのでそれを運ぶことにした。


 私がその死体を持ち上げると死体の胸から白く光る六角形の板が零れ落ちた。鎖で死体の首につながっているのかゆらゆらと揺れるその聖印を見た瞬間、私の脳裏に神官という言葉が思い浮かんだ。

次回は、宗教の説明予定です。

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