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消費に溢れた世界で、僕の心を揺する打ちよせる波のような何か。絶えず、強く鈍く揺すられる心地。
君の名を呼ぶ。それは僕にとって最もささやかな祈りとなるよ。友愛を信じて、臆病でも、ナイーブでもいいのさ。どうせ暗く冷たい夜なら、遠い一閃でも信じよう。たとえ蜃気楼のように雪を溶かす、一介の幻想だとしても、僕は信じよう。なぜなら今ここには、光はこうして見えるのだから。
僕の全てを照らすと予感したあの午後の光。似たものはあれど、僕は復たそれを見ない。しかしいつまでも光るあれは、僕の全く予感したとおりに、遥かに澄んだ蒼穹の真上にあるから。