4/12
4個
薄暗い部屋の中。そっと花を掲ぐように、僕は小さくお祈りをする。消えたようで、消えることのない、そんな傷が痛む時、僕はふと遠くに憧れる。呼ばれるような気持ちがする。遠くの空はいつまでも光って見えるから。
一掬の甘く拙い涙。まだ青き理性のような。
しかし、もう、どこにいるのか分からない。
時間軸も、緯度経度も。ただいま目の前の景色が流れて、たくさんの記号のままに溶けてゆくだけで。
またしかし、このぼやけた感覚とは!魔法のレンズのように、無駄な全てを捨て去ってくれる。そんな中でも、たった一つの向勢の原始となるものは、やはりあの遥かなる光。やはり僕を呼ぶ光。
傷は痛むが、それすら綺麗に反射しているよ、