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光が遠くに  作者: 永井晴
10/12

10個

光は遠く。遠く……ほんの少し前、それは僕の中では「近い」という全く逆の意味であった。今はもう、甚だしいほどに忠実である。

しかし不思議なことに僕らは、最も遠い幸福ほど、却って最も近くにあるのだと知ることがある。僕らはそういう遠近の中を行く。気迷いと言うのなら、もっと懸命に生きなければならない。あの眩しい黒光を前にただ立ち尽くすようじゃいけない。

ーー美酒を傾けて、酵母を啜るに至るべからず。

ああ、しかしそうか。君、正直な人っていいものだね。単純な人って、尊いものだね。



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