告白!!
僕たちは夕方頃からBBQをはじめた。
不意に拓馬が僕の視界に入る。
拓馬は佐藤さんをチラチラ見てオドオドしていた。
拓馬は緊張しているみたいだ。
僕はそれが少し可笑しくて少し笑ってしまう。
「どうしたの?」
緒方さんが僕の表情を見て声を掛けてくる。
「こんなに楽しいのは久しぶりだから」
僕は拓馬の告白を緒方さんに言えるわけもなかった。
「ほんとにー?」
緒方さんは僕を疑ってくるが僕も折れるわけにはいかない。拓馬のために!!
「ホントダヨ」
僕は頑張る。
「ふーん」
緒方さんは疑いながらも僕の言葉を信じてくれたみたいだ。
「緒方さんは体調大丈夫?」
僕はこのままだとボロが出そうなため少し話題を変えることにした。
「うん」
「今日はなんともない」
「昨日はごめんね」
緒方さんは昨日のことを気にしているみたいで僕に謝罪した。
「緒方さんが無事ならそれでいいよ」
僕は緒方さんが思い詰めないように言う。
「ありがとう」
緒方さんはこっちを見て笑顔になったが僕には苦笑いに見えた。
話題を間違えてしまい僕は少し落ち込んだ。
「おーい」
「お肉まだあるぞー」
ナイス!拓馬。
「行こう、緒方さん」
僕は緒方さんを連れて拓馬達のところへ向かった。
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BBQも終わり空が暗くなった所で花火の準備をした。
これからが勝負の(拓馬の)時間だ。
僕はある程度、花火を使い切った所で緒方さんを連れ出した。
「緒方さん」
「付き合ってくれる?」
「「「え!?」」」
3人ともビックリする。
僕は緒方さんの返事を待たず引っぱって拓馬と佐藤さんを2人っきりにした。
「ちょっと、どこ行くの?」
僕は2人の空間を作るのに夢中で緒方さんのことを気にせず歩いていた。
「あ、ごめん」
僕はとっさに謝った。また彼女に怒られると思ったが、なぜか緒方さんは顔が少し赤かった。
「どうした!?」
「また、体調でもわるいのか!?」
僕は緒方さんを心配して額に手を当てるが彼女は僕から離れて否定する。
「ち、ちがくて」
「これは...その...」
彼女はもっと赤い顔をした。
「体調が悪いなら言ってよ」
「流石に病人を外に連れ出すのはダメだから」
僕は緒方さんが無理をしているのだと思い、彼女を引っ張って宿に戻ろうとする。
「違うから、大丈夫だから」
緒方さんは無理をしているのかはっきり否定した。
「そしたらなんでそんなに顔が赤いんだ?」
僕は彼女が嘘を付いていると思い質問をした。
「そ...それは...」
「君があんなこと言うから」
「あんな事?」
僕は緒方さんが顔を赤くすることを言ったのか?
「べ、別に私は...君となら..」
その時、携帯が鳴った。拓馬からだ。
「ごめん佐藤さん」
佐藤さんがなにか言おうとしていたがt拓馬の方が気になり電話を優先した。
「もしもし」
『もしもし、一翔終わったよ』
「そうか、そっち戻る」
僕は拓馬から連絡をもらったので戻ることにした。
「緒方さん」
「終わったみたいだから戻ろうか」
僕は緒方さんを連れて戻ることにした。
「終わったって何が?」
「あー、えっと」
僕はまだ緒方さんに連れ出した理由を言ってなかった事に気づく。
「佐藤さんに告白じゃないかな?」
ここで僕は緒方さんに全て明かした。
「じゃ、じゃあさっき御薬袋くんが2人の前で言ったのって佐藤さんと橘くんを2人っきりにするためだったの?」
僕はさっき言ったことを思い出せないが緒方さんをつれだせているので僕が言ったことは間違えてないと思い、
「そうだよ」
と笑顔で答えた。僕は友達思いのいい人だと自身満々に思った。
しかし緒方さんはそう思わなかったみたいで、
「御薬袋くんの...」
「ん?」
「御薬袋くんのバカーーーーーー」
緒方さんはさっきよりも真っ赤な顔で僕に向かって大きな声で言った。
僕は何かやらかしたみたいだ。
「ちょっとまってよ、緒方さん」
緒方さんは無視をして僕より早いペースで前を歩く。
僕たちはそのまま宿につき、佐藤さんは怒ったままどこかにいってしまったので僕は拓馬を探すことにした。
「あっ」
拓馬はベランダで一人静かに空を見ていた。
「拓馬どうだった」
僕は拓馬に声をかけた。
「それが、ダメだった」
拓馬は覇気のない声でそう言った。