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おっきいってことはいいことだね! そのさん。

次でおっきいってことは~篇〆です。

それは、ここに来て一年と五ヶ月のことだった



ぬるっ



「……あ、」


「?どうしました鈴子さん」


「ううん、なんでもない、ちょっと行ってくるね」



慌てず騒がず、洗濯籠の底の方から下着とソレを人目に触れないように取り出して…、いやこんだけ大きかったら隠しても隙間はでかいと思うけど!!

思うけど、そこは気付かないフリで自分の身体を盾に見えないように取り出してから、足元に気をつけつつ心持ち早足で山陰へ向かう

もちろんちょっと遠い山陰ね!


久々のこの感覚は多分生理で間違いないはず……

早く水洗いしないと血の跡が残る~!!


もー何してんの魔法使いの先生は!

早く来てくれれば、栄養不足で生理が不規則になるとか服がそろそろどころかもうかなり限界とかご飯とかご飯とかご飯とかそういう問題は一気に解決するのに!!!


そりゃ殿下や小人さんたちには感謝してるよ?

あたしみたいな巨大な人間相手にご飯をめぐんでくれたりとか、流石に布が足りなくて服は無理だけど穴が開いちゃったところとかを塞ぐくらいはできそうな布をくれたりとか、生活用品の大きめのやつをわざわざ作ってくれたりとか、冬はシーツに水避けの他に防寒の魔法も掛けてくれたし!



ベランダ用のサンダルが足からすっぽ抜けないよう気をつけながらなんとか山陰に到着すると、あたしはそそくさと下着を下ろした



「あれ?…なんだ生理じゃな……」



あれ?



少量のおりものの中に……豆?

じゃなくて、なんか、…豆のように小さいけど



おぎゃあおぎゃあって…




赤ちゃんだとぉぉぉぉぉおおおおおオオオオオッッ?!




ここに来てからずっと大声を出さないように気をつけていた成果か、

あたしは声も出さずに、下ろしたぱんつに手を掛けた状態で石のように固まった



「元気な男の子ですね!ありがとうございます鈴子さん」


「え゛っ?」



いつの間に潜んでいたのか上着のポケットからひょこっと姿を現した殿下は、

あたしの腕を伝ってするすると下着の上に降りると、元気良く泣き喚く赤ちゃんを自分の上着で包み、

またするすると腕を伝って元のポケットに戻ってきた


……取り敢えず、いつまでもこの格好も気まずいのでしかるべき処理を終えて下着を元に戻すと

傍の山のちょうどあたしの目の高さの辺りの木を後で元に戻せるように、そっと何本か引っこ抜いて

そこにポケットからそっと殿下たちを取り出して、置いた

相手がポケットの中じゃ話し難いし、手の上じゃ思わず力んで握り潰してしまう恐れだってあるし!



「え、えー…ちょ、あの、まず整理しよう!

 えーと、その、赤ちゃん、」


「はい、わたしたちの愛の結晶ですね!、貴女に似てとても可愛らしいですね!!」



どこが?

小さすぎて顔がよく分からないけど、色彩はまんま殿下のような気が……ってちがーっう!!



「そうじゃなくて!」


「名前ですか? そうですねぇ…どんな名前にしましょうか……

 鈴子さんはどういう名前がいいと思いますか?」



え?

うーん、やっぱり幸運を呼ぶような縁起のいい……ちがうって!



「どうして突然赤ちゃんが生まれるの、ってこと!」



子供が生まれるようなことをした憶えは無いというか

そもそも色々無理でしょっ

物理的にとか物理的にとか物理的にとか!!!



「やだな、そんな恥ずかしい」



ちょ、照れないでよ、なんでもじもじしてるの?!



「身体ごと鈴子さんのナカに這入ったに決まってるじゃないですか」






う゛ぉぉぉおおおおおおいッッ!!!

なにしてんのこの殿下ぁぁぁあああアアアアアッッ!!






潜水が凄く上手くなりました、とか

自慢そうに言うことじゃないでしょ?!



「どうしたんですか? こんなに可愛いのに、嬉しくないんですか?」


「いや、流石にその大きさじゃ色しか分からない……

 かわいいとかかわいくないとか分からない……

 容姿の話じゃなくても突然生まれてあたしの子とか精神的準備が全然…じゃなくて!」


「それなら何が問題なんでしょう?

 わたしの愛の囁きに、貴女はいつも笑顔でありがとう と応えてくれたじゃありませんか」



そりゃ社交辞令でしょぉぉおおおおおおお!!!!

王族なら外交術で本音と建前くらい分かるでしょうが!



「……嘘なんですか?

 わたしのことは遊びだったと……?」


「えぇぇぇえええええッッ?!」



遊びも何も付き合ってさえ……あれ、もしかして今までの行動は全部付き合ってるってことなの?!



「わたしのことは、これっぽっちも想っていない……と、」


「ちょ、何で泣くの!!」



いやいや待とうよ!

泣くのは待とう!!

殿下、いくら小さいとはいえ、美しさは罪~みたいな顔で泣かれるとこっちもどうしたらいいか!



「じゃあわたしのこと愛してるんですね!」


「えぇえええ?! 今の会話のどこにそんな単語、」


「さっそく帰って報告しましょう」



え、何の……というかどの報告?!

ってゆうかせめて最後まで喋らせてっ、結果が同じだとしてもこの違いは大きいと思うよ?!

それも問題だけど、それ嘘泣き?ねぇ嘘泣き??

それって女の特権じゃ……!



物凄く納得いかないながらも、戻って報告するというのは賛成だった

王様と王妃様たちに言ってなんとかしてもらおう!!


赤ちゃんは向こうに一緒に連れて帰れば、普通の大きさになるかな、

…なるといいな、うん、今からでも神頼みしとこう!



決意も新たに城に向かったあたしを迎えたのは






王様と王妃様と皇太子殿下と宰相の土下座だった






既に把握済み?!

しかも前回は焦ってて気付かなかったけど

指先もぴっちり揃って、伏せた腕の角度も綺麗に左右対称

まるでプロのような土下座!!



一体今までどんだけ土下座させてたのこの殿下!!



「あなたのような頑丈そうなお嫁さんなら安心です」



ちょっとぉぉぉぉおおおおお!!!

あたし別に頑丈じゃないから! 普通だから!

何の取り柄も無いのが取り柄だから!!


…あれ?何言ってんだろあたし……


いやそれよりも頑丈さが最優先される嫁って?!






怒涛の如く丸め込まれ、待望の魔法使いの先生が来たのはその三日後だった

これが鬼畜キーワードの由縁です、実際気付かないうちに妊娠して出産時に初めて気付くとかあった日には発狂モンですね

コメディーだからできるネタです、ほんとごめん鈴子様!

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