おっきいってことはいいことだね! そのいち。
連載小説のシステム把握のため、書き始めました。
わりと軽いノリで瞬く間に終わる……といいなぁorz
あたしの名前は小早川鈴子、すずこじゃないわよ、りんこよ、りーんーこ!
あたしが今、何をしてるかっていうと、地面にぷすり、と人差し指を立てて
つつー…と引く作業をしています……
やだなー、地道なこの作業
足元も狭いし、腰が痛くなりそう……
「鈴子さま、次はこちらです」
「はいはい」
誘導に従って、指の進路を変える
さて、あたしが何をしているかというと
話は遡ること三ヶ月前
あたしは、一週間溜めた洗濯物を一気洗いして干してしまおうとしていたところだった
……いや、別に不潔とか面倒臭がりとか、そういうのじゃないから!
一人暮らしなもんだから、毎日少ない洗濯物のために洗濯機を回すのは勿体無くて
その日その日の洗濯はお風呂の時に軽く揉み洗いして、洗濯水の溜まった洗濯機に漬け置きしておいて
休日に一気洗いするっていうね、とっても経済的な洗濯方法だったの!!
午前中は乾き難いシーツ類を干して、午後は入れ替えで衣類を干そうとしていた時だった
ベランダのガラス戸を引いてよっこらしょ、と洗濯山盛りの洗濯籠を持ち上げた瞬間
突風に吹かれたのか、ばふっと視界一面を白いものが塞いだの
「やだも~っ」
頭から掛かったシーツをよける…と……
「……え?」
見たことも無い……というか、サイズの
「お城…?」
東武ワ●ルドスクエアーみたいなサイズで、あちこちに家も建って
なんだろう、城下町……っていうの?
しかもよく見ると、あちこち崩れて…火も出て……
……火?
「うわわシーツ燃えちゃう!!」
慌てて足元に落ちたシーツを丸めるように取ると、その下には洗濯籠
「はー、良かった、ちょっと泥ついちゃったみたいだけどもう一度洗濯すれば済むことだし
…ってゆうか、え、なにこれ」
慌てて拾い上げたシーツの皺の間から、何かがもそもそと出てきた
さらさら長い銀髪にルビーみたいな綺麗な眼をしたイケメンの
「……小人?」
「いいえ、大きな方、貴女様が大きいのです
不覚をとるところでしたが、貴女様に救われました、ありがとうございます」
「え?」
彼の指さした方を見下ろすと、そこには何の変哲も無い洗濯籠が
いや、ただの洗濯籠だし
これで何を救うって……
え…なにその下から滲みでてくる紫色の汁みたいな……
?!、ま、まさか!!
慌てて洗濯籠を持ち上げると、下からニチャアって粘着質な音が
「イヤァァァアアアアアアアアア!!!」
嘘でしょぉぉぉおおおおッッ……!
というわけで、あたしは小人の国に来てしまった…
その時、城や城下のあちこちで破壊活動をしていた…魔物っていうの?……は、
あたしの悲鳴でなんか超音波兵器?、のような効果を受けたらしく、瞬く間に弾け飛び
小人さんたちは、全治五日程度耳を傷めたにとどまった
なんでも、魔物は他の生き物とは違う生態だったからでしょう、みたいな……
そんなこと言われても、さっぱり分からない
現在、あたしは
あたしの至近距離で悲鳴を聞いてしまって、鼓膜を破ってしまったこの国の第二皇子殿下こと
イェルフラウ殿下指揮下のもと、川から溝を掘って水を引き、さらにそこから指先で狭い溝を引いて水路を引いたりしている
……慰謝料代わりということで……
いや、おかしよね?
あたし状況的に考えて勇者じゃない?
何で慰謝料代わりに水道事業に勤しんでるわけ?
先月は焼けた森の跡に植林だったし
いや、建物の復旧なんかは、図画工作の成績が1だったあたしには苦行だったもんで
ここはもういいです、って別口に回されたんだけど……
……はぁ…それにしてもおなかすいた……
ここに来てから、強制ダイエットってやつですかこれ
彼らにとってはお祭りで出すような大型ピザみたいな大きなパイとか焼いてくれるんだけど
あたし的にはクッキーサイズっていうか……
栄養状態が身体を維持するのに精一杯らしくって、生理が予定より二ヶ月遅れてきたりとか
いろいろ弊害が……
生理用品自分で作るの大変だった、使用サイズにカットされる前のを貰ったんだけど
それでも薄いし小さいしで重ねたり繋ぎ合わせたりとか、糸なんかロープだもん、すごいなこれ
布製だから、洗って乾かせばまた使えるのはありがたかったけど……
小人さんたちに血の匂い嗅がれたらいやだな、とか、彼らにとって秘境ってくらいの山奥に篭ったりして
でも、栄養が足りないせいか、やっぱり三日くらいで終わって、一安心というか凄く不安というか
下着は流石に洗濯籠と一緒で助かった、一週間分あるし
もっとも、着替えの洋服は二日分くらいしか無かったから、服の損耗が激しくて泣けてくる……
お風呂や洗濯は小川…じゃなくて、小人さんたちにとっては物凄い大河…っていうの?、の下流ですませる
だってこの川の水、生活水や農業用なわけだし、まさか身体洗った後のが街中に流れても困るじゃない
夜は外でシーツに包まって寝なきゃだし……
雨のときがこれまた大変で、気の利くイェルフラウ殿下がこの国中の魔法使いさんたちが総当りで水避けの魔法をシーツに掛けてくれるように手配してくれたから、雨の時はまるまる包まったりするんだけど、水避け魔法のせいで洗濯はそんな頻繁にできないし……
いちいち魔法解いてもらって洗濯して乾いたらまた魔法掛けてもらうって凄い面倒を掛けてごめんなさい、あぅぅ……
鬱々とそんなことを考えていると、
気遣いの人なイェルフラウ殿下があたしを見上げて話しかけてきた
「どうしました?
ああ、お腹がすいたんですね、ちょうど時間もいいし、お昼にしましょう」
「え、いいの?」
「もちろんです、さ、どうぞ」
ものすごい爽やかな笑顔で、クッキー…じゃなくて大きなパイを差し出してくれる殿下
ありがとう、と手を出すと、さっと避けられる
「…あのぅ……?」
「鈴子さまは今手が汚れていらっしゃいます、わたしを貴女様の手に乗せて下さい
僭越ながらお口元に運ばせていただきます」
ここから手が洗える程の川は距離がありますから、と気遣い殿下は申し出てくれた
ほんと、いい人の鑑のような人だね、この皇子は!
凄く気が利くんですよ、奥さん
や、誰が奥さんだよ、って寂しいなもう!セルフ突っ込みは!!
彼の先生…いやお師匠さん?どっちも一緒か、
兎に角イェルフラウ殿下の先生っていう人が、何でも世界一の魔法使いらしくて
今度この国へ来たときに、あたしを元の世界に帰れるように頼んでくれるんだって!
だから取り乱すこともなく、こうして水道事業に勤しんでいるわけですよ
早く来ないかな、その先生
なんでも、イェルフラウ殿下の丁寧な言葉遣いはその先生譲りらしいから
すごく物腰の柔らかな良い先生なんだろうなぁ
こんな性格の素晴らしい皇子に教育するなんて、すごいよほんと
とか思いながら、もぐもぐと噛み締めるようにパイを食べる
あー…お腹すいた、足りない……
もう一つどうぞ、と差し出してくる殿下に申し訳ない気持ちでありがとうございますと言いつつ口を開ける
「鈴子さまにはとても足りませんね、すみません」
「だ、大丈夫だってば!
あたしこう見えても凄く小食なんだからっ」
あからさまな嘘にも、困ったような笑顔で次のパイを差し出してくれる
あたしが普通に食べたら、この国は二週間持つかどうか
こんな疫病神勇者でごめんね、早く魔法使いの先生が来ないかな
そしたらすぐにも帰るのに
迷惑かけて、ごめんね
魔法使いは『嗚呼、嗚呼、嗚呼。』後書きでちらっと書いた魔導師のことです、この人の話が書きたいのに、なかなか進まない…
なーんーでー……