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ちっちゃいってことはたいへんだね! そのきゅう。

本篇はこれにて〆っ ありがとうございました!! 後はおまけを一話UP予定です

あれがたった三時間だったなんて、嘘に決まってるよ!!



……少なくとも丸一日は費やしたんじゃなかろうか、という時間感覚だったにも関わらず

彼がものすごく悔しそうにする証言によれば、それは三時間程度のことだったそうで……



う・そ・で・しょ!!



うぅぅ…もっとね、色々夢があったの!!!

そりゃ、結婚するまでは清いままで~とかそこまでは言わないけど!

けど、出逢って一日で行くとこまで行っちゃうのはどうかと思うわけですよほんと!!



「あの時はいくとこまでいってなかったよ晴香さん

 貫通は、こっちに戻って来てから」


「やかましい!」



ひとのモノローグにちゃちゃいれないでよ!

ってゆうか貫通とか言うなぁぁぁあああアアアアアッッ!!!


ふふふ、すっかり打ち解けてくれたようで嬉しいよ、とか

違うから! 打ち解けるとか打ち解けないとかそういう問題じゃないから!!



「……おい、お前ら、…俺を無視すんのも大概にしろや」


「あ、」


「うん?」



そそそ、そうだった


ここは会社の喫煙所で、背後には幸太さん、正面には元…、

あ、いや、まだ正式に別れてないから今彼?が……!



なんで喫煙所かって、ロビーで公開処刑ばりにはじめようとするもんだから慌ててここまで引っ張ってきたわけで……!


好きな人ができたら別れてもいい、という言葉を実行に移すため

こっちに戻ってきて二週間後、メールで彼を喫煙所に呼び出して話をしようと思ったんだけど

この人ついてくるんだもん!!


そりゃ、退職届のついでにこんなところで、とは思ったけど、兎に角強引な人だから

あんまり人気の無いところで別れ話なんか恐くてできなかったし!


だけど、喫煙所で待ち合わせてるのに、ロビーで遭遇するし

後ろから不意打ちで現れたこの人はあからさまに挑発するし

動物園の人気者のごとくギャラリーは増える一方だし!!



「なにふざけたことやってンのお前、二股? いいご身分だなァおい」


「えっと、あの、」


「そうだねぇ、傍目に見れば二股だろうけど、君、随分強引に押したんだろう?

 しかも、好きな相手ができたら別れるとも約束したんだそうだね」


「テメェに喋ってんじゃねぇよ黙れや!」


「僕は彼女の夫だから口出しする権利は充分にあるよ

 君こそ、彼氏とは名ばかりで、食事を付き合う程度の仲だったのに偉そうだね?」



挑発やめてぇぇえええ!!

なんか恐いっ、いやちょ、誰かっ誰かレスキューを!

あたしだけでも誰かえすおーえす!!



「ンだとぉテメ、」


「五万円」


「!」


「え?」



五万円? なんのこと??

唐突な言葉に意味が分からなくて、あたしの後ろに添うようにして立つ彼を振り返るけど

彼はにっこり笑って、両の手であたしの耳を塞いでしまった



「??」



幸太さんの口はぱくぱくと動いていて、何かを喋っていることがわかる

けど、それはあたしに向かってじゃないようで……

正面を向き直ると、彼の顔色が少し悪くなっていることが分かった


耳に当たっている手を伝ってくる振動で、幸太さんがまだ何か話しているのはわかる

そして、ふふふ、と

いつもの笑いが伝わってきて、その瞬間


彼の


髪が



「ひっ?!」



瞬く間に真っ白に、色が抜け落ちて

幸太さんやお義父さんの銀髪とは違う…これ、なんで白くなるの?!



「や、やだ、どうしたのっ」


「ああ、ごめんね、恐かったよね?」



よしよし、と ぐるりと振り返らされて抱きしめられて、腰を抱かれ背中を撫でられる

だけど、なんだか分からなくて、こわくて



「大丈夫大丈夫、なにも心配することはないから

 彼は悪いことをしたから罰が下っただけだよ」



何がーッ?!



なんだか分からないけど、あの人が何か幸太さんを怒らせるようなことをして制裁されたのは分かった……こ、こわっ!


それを考えるとなんだか背筋が寒くなったんだけど

でも、抱きしめてくれる腕とか撫でてくれる大きな手の平だとか

なだめるように降ってくる唇だとか

そういうものを与えられていると……



「さて、帰ろうか、今日は母さんとベビー用品を見に行くんだよね?」


「……うん」



それ以外のことがどうでもよくなってしまうみたいで、ちょっと恐くもあり

でも、それでいいとも思ってしまう




それでいい……のかな?




「勿論」


「だからモノローグにちゃちゃいれたらだめ!」




これでいいと思うことにします、まるっ!

元彼のしでかした悪いことは…うん、まぁそういうことです!

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