ちっちゃいってことはたいへんだね! そのはち。
とうとう…
不自然なくらい夕食が滞りなく終わると、息子さんはあたしを手の平に乗せて退席した
「もう暗いから色んなところを案内はできないけれど、
ここの話しを色々してあげる」
「ここのですか?」
「そう、ここがどんな世界で
地球とどんな関係にあるのか
それから僕の話や、貴女の話」
ついたのは、息子さんの部屋だった
「客室だと僕は入れないからね
さぁ自慢のベッドだよ、ふふ」
「わ、ほんとにやわらかい…シーツもすべすべ」
「うん」
ベッドの上に小さな子のように二人で寝そべって、彼はいろんな話をしてくれた
「ここは、…そうだな、大きさは木星の15倍くらいの星だよ
規模が地球に比べて大きいから、どこにどんな国や文明があるかはあまり詳しくは分からない
空気は酸素じゃないんだ、地球人も呼吸できるけどね
水も土も無機物も有機物も、違う物質で出来てる
いずれも最終的な形態は似ているところが多いけれど、知的生物の形も人型ばかりじゃない」
思案するように言いながら、指先は絶えずあたしを撫でていた
こっちの人はスキンシップ過多なのかな……
他意のないようなさわり方だから、何とも言えないのが日本人の辛いところ……
「星自体の発する力が強すぎて、周囲を丸ごと歪ませてるんだ
この地上に生きるものは、皆多かれ少なかれその影響を受けているんだよ
だからファンタジーみたいに魔法も存在するし、御伽噺に出てくるような生物もいる」
僕らのようにね、と笑ってみせる
厳密に妖精というわけではなく、地球の言葉で表すと妖精が一番適正なんだそうで
「北極だから寒いとか そういうこともないね、地域によって気候はまばらという話だよ
ただ、まぁやっぱり寒い地域の生き物は分厚い毛皮を持ってたりとか、
そういう常識的なことは当てはまることも多いようだけど
でも地球の科学的理屈は通じないことが結構あるから、この世界を理解するのは難しい
それから…うーん、そうだね、星の位置は…地球とは違う次元に存在しているんだよ」
「ちがうじげん……?」
「そう、ここと地球を繋ぐゲート
あの中はまるで宇宙空間のようだけれど、宇宙じゃない
全く別の次元の、座標の重なり、それがこの世界と地球
ほら、よく色の三原色を表す絵があるよね?」
三色の円があって、その円の重なる部分は色が変化している、あれを想像すればいいよ
そう彼は言って、シーツの上に指先で丸を三つ描いた
彼が言うには、地球とこの世界は、次元は違えど重なる部位が存在し
絶えず変化するこの星の歪みが、たまたま地球に触れたのだという
「そこから始まったんだよ
たった一度触れたその時に、大切なものが聖地に堕ちた
それは何の変哲もないけれど とても大切なもので、そのお陰で地球との干渉域が増えた
だからこの星は、地球に対して、特に歪むんだ
欲しい欲しいと手を伸ばす、だから運悪くその歪みに触れてこの星へ来るのは
何の変哲もないけれど、とてもとても大切なものばかり」
「?、大切なものって??」
「うん、とても大切なんだよ」
彼は、ふふふ、と笑ってあたしの頬をちょい、と撫で
撫でた自分の手を見て、嬉しそうに笑う
「…まぁ、最初がどうだったか、というのは
その当時の時間軸が歪みによってループしてしまっているらしいから
今となっては、当の本人達にも分からないそうだけれど」
「本人?」
「うん」
彼は、一人納得するように、頷いてみせる
知り合いの話……かな?
「ゲート自体は星の歪みに引き摺られないように確立してあるんだ、あの人は凄いね
まぁ、この星の話はややこしいからこれくらいにして
今度は僕らの話をしようか」
「えっと、はい」
「ふふ、今日はずっと敬語だったね、敬語じゃなくてもいいんだよ
多分ね、僕のほうが年下だから」
「え?!」
「ね?」
「う、うん」
「ふふ、…うーん……今日一日で色々眼にしたと思うけど
この国の一部の人間は携帯電話を使うんだ」
「え?、う、うん」
「23年前から向こうとの行き来があるからね、
向こうで便利なものは、こうして一部で使われているんだよ
名前で分かると思うけれど、僕は日本人、半分ね、だから日本との行き来が一番多いんだ」
そういえば、小早川幸太って……
「ちゃんとした名前は小早川リュフラウム幸太というんだよ
でも、幸太と呼んで欲しいから、名乗る時に小早川幸太と名乗ったんだ
向こうで受けた教育の方が強いから、気持ちはどうしても日本人に偏ってしまうんだよね」
「こうた……さん」
「うん、嬉しいなぁ、初めて呼んでくれたね」
「ご、ごめんなさい」
「ふふ、日本人だから、最初は小早川さんって呼ばれると思っていたよ」
……それどころか、心の中でずっと息子さんって呼んでました
ごごご、ごめんなさい……!
幸太さんは、嬉しそうにあたしを撫でると、また自分の手を見た
「日本の義務教育を受けて、高校も大学も、こちらの学院と平行して通って
今は、この国と地球に関わる仕事をしているんだよ
自営業と言うんだろうね
貴女はどう思う?、自営業の男」
「えっと……いいんじゃないのかな?」
少なくともリストラの心配はないよね!
そう思いつつも、さっきから断続的に続く幸太さんのスキンシップが気になって仕方ない
スキンシップに違和感が無くなりつつあるところが気になって仕方ない……!
あ、また自分の手を見てる……
「貴女は?」
「え、あ、えー、あの……
えっと、普通に短大まで通って、普通に就職したの……うん」
「普通に?」
「うん…と、普通に、えっと、○□商事の、庶務なんだけど」
「へぇ、そこなら取引のアポがあったよ」
「え?!」
「今、考え中」
「へ、へぇ……」
えっと……自営業って……何屋さん??
「彼もそこの社員なのかい?」
「え?」
彼……?
「貴女の初彼な元彼」
いつの間にか元彼扱い?!
「別れたい?」
「えっと、まぁ、うん、はい」
かなり強引だったし
今のところ、昼食に誘われる程度だけど、なんだか凄くがつがつしてるし…
この前なんか、映画に誘われたんだけど、時間帯が時間帯だし
帰りに食事してさ~なんて言ってたけど、そこって近くにホテルあったよね?
うぅ…考えるとまた嫌~な気分に……
「まぁ大船に乗ったつもりで安心してよ、大丈夫、僕に任せて
大抵向こうの男はこういう争いに慣れていないからね
ちょっと睨んでプレッシャーを与えてあげれば、すぐ心が折れて使い物にならなくなるよ」
なにがー?!
「人としてとか、男としてとか、色々……ね?」
「え、う、ぇえ?」
またも彼は自分の手を見ると、満足そうに微笑み
その手を、あたしの腰に回して、ぐっと引き寄せた
「?、あ、あれ??」
おかしい、あれ、なんか、あれ?
あれ?あれ?
「もっと小さくなれると思ったのだけれど、
このあたりが限界かな?」
「えっと、え、どういう……」
「ざっと見積もって、貴女の三倍くらいの体格かな?
うーん、惜しいな…これだと挿入らないよね…悔しいなぁ……」
えっと、えー…えーっと……あれ?
おかしいよ、おかしい、おかしいよね?
だってこの人、すごく大きくなかったっけ??
指先なんか、あたしの頭より大きかったのに
いつの間に、こんな小さくなっちゃったの……?
「指一本なら挿入るかなぁ……
でも指を挿入れられるなら、どうせなら舌を挿入れたいよね
体温で溶けるカプセルに詰めて挿し込んでもいいのだけれど、
やっぱり生がいいと思うんだ、貴女もそう思うよね?」
えっと、えー、えー、えーあの、ちょ、まず手を離そうっ
じゃないとっ、じゃないと、ねっ
「ねぇ、晴香さんも、そう思うよね?」
「えっと、んっ、っひぅ」
ちょ、て、てがっ
スカートの裾から入ってくるんですけどぉぉぉおおおおお!!!
まずその手をはなそうっ
なんにも考えられないからぁぁあぁぁああああああ!!
「う?!」
思わず押さえ込んだ腕の触り心地がおかしい
そういえば、この手は昼間怪我した…
「んくっ」
「ふふふ、爪を立ててもいいのに
貴女は優しいね……
ねぇ僕に触られるのは嫌じゃないの?」
僕は元彼よりもがつがつしているよ
「ひゃぁうっ」
耳の裏っかわに唇を押し付けたまま喋らないでぇぇぇえええ!!
おかしいおかしいおかしいっ
こんな気持ちいいのおかしいよ、日本人は奥ゆかしいのが美徳でしょぉぉおおお!!!
「ね、僕のことは嫌いじゃない?
正直にね、正直に答えるんだよ、晴香さん」
えっと、えっと、しょうじき、しょうじき……
「嫌いじゃない?」
「…きらいじゃない」
「じゃあ好き?」
「んと、えと…あの…わかんない…てをはなして…なんにもわかんないから……」
「だめ、答えるんだよ
僕のこと好き?」
ぼくのこと…
ぼくのことは…ぇと……
「僕のことは好き?」
「ん、んと……」
「好きだよね?」
「うんと、……すき」
「好き?」
「すき」
「どんなふうに好き?」
「えっと…んっと……」
「愛してるんだよね?」
「んと…うん」
「愛してるんだよね?
言ってごらん、この可愛いくちびるで……ほら」
「あぃ…あいしてる」
「嬉しいなぁ、僕も晴香さんのこと愛しているよ」
「ぅん」
「きもちいい?」
「ぅん」
「きもちいい?」
「ぅん」
「言って、きもちいい?」
きもちぃいよぅ
ザ、洗脳…orz
殿下の方も推して知るべし<ひぃ!
あんまり描写入れるのもどうかな、って…HAHAHAHAHA!!
スキンシップがデフォルトなのは無意識も故意も両方です、触っているのが当たり前の状態まで慣らしてから落としに掛かってます
ほら、お風呂とか入ってて気持ちよくなってくると思考が働かなくなってきますよね、アレで…!<どれ?
元彼は……折られます!
本編の方まだ手がつけられないのに、女子高のネタが思いついてしまった、やばいぃぃぃいいい!