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ちっちゃいってことはたいへんだね! そのろく。

ゲートのせいで結末が少し先送りに…orz

「あぅぅぅぅぅぅ~!!」



見られた見られた見られた見られた……


ぎ、ぎやぁぁぁああああああああああ!!!


どどど、どうしたらどうしようどうすれば……ッ




……あれ、もしかしてあたしの背中洗ったのって……?!



ひぃぃぃいいいいいい!!!







……あれ?

でも、小早川さんの息子さん、特にこれといった反応も無かった……



……!!



そうだよ、あんだけ顔がいいんだもん

あたしなんか女じゃないってことよね!

そうそう、しかもあたしこんな小さいんだもん、流石にあの顔でドールフェチはきつい

どんだけ変態なのかっていう、……ね!


その場合、彼に恋するお姉さまに嫌がらせされたりなんかして

うわ、嫌なセオリー?!

いやいや、笑い事じゃないよ、もしそんな昼ドラとか連ドラ的な事態にでもなった日には

あたしこんなちっちゃいんだもん、ちょっとした意地悪されただけで死ぬんじゃ?!


ああ良かった、ドールフェチじゃなくって助かった……





いやぁ良かった良かった








……ん?


でも、お尻をしつこく撫で回すように洗われたような……





……あれ?






「宮田さん、着替えは済んだかい?」



タイミングよく思考をぶった切るようにコンコンとちょっと大きいノック音と共に声を掛けられ、

未だすっぽんぽんだったあたしは、あわあわともたつきながら慌てて着替えた



「す、済みました!」



返事をすると、天井がふっと遠のいて息子さんの顔が覗き込んで来る



「夕食に招待したいんだけれども、まだ早いから

 時間になるまで景色の良い所でも案内しようか」


「はぁ…あの……」


「うん?」


「とてもありがたいのですけども…あの……」


「帰れるかどうかの話しかな?」


「は、はい」



どうやら彼は、とても察しがいい人らしく

預けられた猫のようになってしまっているあたしを助けるように話を振ってくれた


だって、さっきも妹さんたちとその話をしようとしてたところだったし

やっぱり一番気になるのはそのことだし


…もう一つ何か考えてたような気がするんだけど、……なんだっけ?



「そうだね、うーん……」



彼が、そっと手の平を差し出してきたので、乗せてもらうと

息子さんはあたしを手に乗せたまま、

なるべく振動が伝わらないようにするかのように、ゆっくりとその部屋を出た




…ガチャ…ギィ……



「?、……ここは?」


「父さんの私室だよ、そこにほら」



あたしを乗せたままの手を、すぅっとそちらへ向けた

別の部屋へと続く、ドアの無い出入り口枠のようなものがある


ただ、その枠の向こうは、何も見えなかった



「そのゲートを通って、地球とこちらを行き来できるんだよ」


「じゃあ、ここを通れば……」


「うん、でも現状では僕は通れても貴女は通れない」


「え?」



…そんな、……どうして?



「そのゲートの枠をよく見てごらん、紋様が印してある」



言われて見れば、何かが書いてあるのが分かる

それは文字のようで、絵のようで



「その紋様には、

 地球のある場所の座標とこのゲートを通ることのできる者が記してあるんだよ

 ゲートに記してあるのは、僕の父と母の血なんだ

 二人の血を継いでいれば何の障害も無く通ることができる

 他にも極限られた一部の僕や父の部下のことも記してある、

 もっともそちらは血ではなく個人を特定するものだし、

 記してあっても僕らの許可が無ければ通れないけどね」


「……じゃ…帰れないの……?」


「一度定めてしまったゲートの情報を修正するには、僕や父さんなら二ヶ月ほど掛かるかな

 最初のゲートはただ通るだけだったから複雑なものを一つ描くだけで良かったけど

 あの規模の複雑な魔方陣を描くにはやっぱりそれなりの広さが必要だし

 そこまで大きいとなると、昔の母さんと違って僕らの視点では陣が歪んでいても気付き難い」



彼の言う専門知識はさっぱり分からなかったけど、一つ分かったことはある


…二ヶ月……それって結構な長期だよ

あたし、失踪者扱いになるの?

もし何かの偶然であたしそっくりの身元不明の遺体なんか出てきたら、あたし死亡者扱いとか?


一人暮らしをするようになってそれなりに経つけど、

それでも家族とは週に何回かは連絡を取ってるのに、それが途絶えたりしたら…



「まぁ、貴女が僕の子を孕んだ状態ならあるいは……」


「え?」



彼の大きな指先が、するり、と あたしのお腹を掠めた



今、何て言ったの?




「うーん、でも道具は嫌だし、二ヶ月は僕が耐えられないかな

 少し実験してみようか」


「え……っと?」



何の話?



「貴女の血をくれるかい?

 一滴でいいよ」


「ち……?」


「そう、流石に貴女の身体からの一滴は少ないから

 直接舌に乗せてもらうけれど」



彼に言われるまま、

あたしは人差し指を噛むと、傷口から滲んだ血を絞り出すように指先を握り

彼の舌に血の出る部分を押し付けた



「ん、じゃあそこで見ていて」



一体何をするつもりなのか、

彼はあたしを傍の机の上に下ろすと、机の抽斗から塗り薬を出して

かぱり、と蓋を開けてあたしに傷口に塗るように言い


それからゲートの方へと向かった



「さて、どうかな」



その瞬間、何が起こったのか

ゲートをくぐらせるように差し出された彼の腕は、一瞬にして袖が吹き飛び、

剥き出しになった腕には、石のような硬いものに走った亀裂のような傷が刻まれていた



「ひっ、だ、大丈夫ですか?!」



驚いて手を伸ばすと、いつのまにか現れていたシャボン玉があたしの手を阻んだ



「?っ、な、なにこれ、また」


「うーん、防犯はばっちりだね」


「え?、あ、だ、大丈夫ですかっ」


「心配してくれるんだね、嬉しいなぁ」


「え、あ、ぇえ??」



シャボン玉はいつのまにか消えていて

彼はあたしの頬を怪我をしていない方の手の指でちょんと撫でると、携帯電話を取り出した



「父さん…は、ダメかな今は

 恐らく母さんと一緒だろうから絶対出ない……」



ピ、ピ、プルルルルプルルルルプルルルルプルルルル……ピ!



「あ、先生? お久しぶりです

 え? 嫌だな、父さんの先生なんですから僕にとっても先生ですよ

 ふふ、邪魔をしてしまったようですいません、ゲートのことでお話しが…ええ、はい

 あはは、言わずに通じるって素晴らしいですね

 ええ? 頼みますよ、そこをなんとか……

 ええ、ええ、…分かりました、必ず、はい、ありがとうござ…三日後?

 先生なら今すぐにでも来れるじゃないですか」



…なんだろう

さっきから誰と話してるんだろう……

ってゆうか、地球じゃないのに携帯って使えるんだ……



ピ!



「三日後に先生が来てくれるよ」


「先生?」


「うん、父さんの先生だよ

 僕は彼に師事したことはないのだけれどね

 で、先生が三日後に来てゲートを修正してくれるそうだよ」


「三日……」


「そう、三日

 酷いよね、邪魔した報復に三日も悶々と過ごせって言うんだよ」


「ぇえ?…はあ、…うん、そうで……すね?」


「貴女もそう思う?

 嬉しいなぁ、晴香さんもそう思ってくれるんだね」



えっと…うん……うん?




あれ、いつのまに名前呼び??

魔導師の彼も電話の向こうでいい雰囲気になりそうなところでした、コールを数回無視したところで怒られ、渋々電話に…<笑

一方、殿下夫婦の方は鈴子の意識は既に正常な判断ができない状態ですので、いくらコールしても繋がりません、殿下の電話対応はデフォルトで無視です<笑


電話の利用方法は伝言かメールがメイン☆


息子のやった実験は、血を体内に宿した状態ではどうか、という実験です

この実験で、ゲートを通る資格のある者の子を宿していても通れないことが判明しました


それが可能だと、例えば怪我を手当てした後の血の染み込んだ布なんかが手に入ればゲートをくぐれてしまうことになりますから、その辺は厳重になっているようです


ところで、当然、息子の我慢は三日も持つはずがありません

殿下の時と違って、彼は一度も交渉がないからですね、はい


彼らは今まで清廉潔白に抑圧してきた分、所謂、運命の人(笑)に廻り合ってしまうと、一気に箍が外れて…というか破壊されてしまいます<恐ろしい反動☆


まぁ彼女たちはそれ以外は概ね幸せですよね、多分…いや、恐らく<どっちも一緒

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