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ちっちゃいってことはたいへんだね! そのよん。

なんだかだらだらと続くなぁ、ちっちゃい篇10話以内に終わるかな……

「とりあえず、歩き回って大分身体が汚れてしまったようだし

 客室に案内するから着替えてさっぱりしてきたらどうかな?」


「え」


「遠慮しないで、さぁ」



にっこりと微笑みかけられ、

その笑顔に何か有無を言わさぬものを感じてあたしは差し出された手の平に移った





「ここは……?」


「外国からの客人に使ってもらう部屋だよ

 そこにシャワールームがあるから、使って泥を落とすといいよ」


「あ、ありがとうございます」


「うん、着替えを持ってきておくね」


「は、はい」



あたしをドールハウスのような天井がない部屋に案内すると

彼は天井の向こうに見える大きなドアから出て行ってしまった


……歩き回って泥だらけなのは確かだし、

気持ちを落ち着けるためにもあたしはシャワーを借りることにした



「えっと…脱いだものはどこに置けば……ん?」



床に何かひょろりと長いものを見つけ、あたしはそれを眼で追った



…えー……


なにあれ、ハムス…いや、ネズミ? いやでも凄く大きい、犬くらいかな…大きいよ……

口元がハムスターみたいにもぐもぐしてる……

なんだろう、頭から直に手足と尻尾が生えてるよーな……


……あ、眼が合った



「え、えーと……」


「どうしたの?」


「?!、しゃ、しゃべった!!」


「うん?」


「え、えっと、あなた何?」



何って聞くのもどうかと思うけど、ほんとなんだろう……



「コミミトビネズミだよ」


「こ、こみみ?」


「ピグミージェルボアとも言うね」


「ぴぐ……え?」


「地球産のトビネズミの一種だよ、大きさは五百円玉くらいかな」


「え、ご、ごひゃくえん?!」



とてもそんな大きさには見えない

だってこのこかなり大きいよ? 大型犬くらいあるんじゃないの??



「君が小さいだけだよ、こっちの大きさに合わせてあるんだ」


「合わせて……?」


「ところで君、彼氏はいるのかい?」


「え?」



なにその突然の話題転換



「気楽に答えてよ」


「えーいや、まぁ、一応」


「一応?」


「うーん、この前できたばっかりの初彼なんだけど…」


「けど?」


「あんまりしつこいんで、渋々折れて付き合うようになったんだけど

 なんか、常にがつがつしてるっていうか…」


「がつがつするのは嫌なんだ?」


「……というか、それよりも…」


「あぁ、なるほどベクトルが違いすぎるんだね

 全然好きじゃないの?」


「全然っていうか、うん、まぁ、はい」



……いや、ネズミ相手に恋愛相談って…!



「他にちゃんと好きな男ができたら別れる?」


「それは…まぁ…そういう約束もなんとか取り付けたし」


「うん、そうなんだ……なるほど」



なるほど?



「ところで自営業の男ってどうかな?」


「え?」



いきなり何の話??

自営業って八百屋さんとか?



「えっと…いいんじゃないの?」


「本当に?」


「え?、う、はい?」


「うん、なるほど」


「は?」


「ところでシャワーはいいの?」


「あ!」



そうだよシャワー!


わけの分からない会話をわけの分からないままぶった切られて、戸惑いつつもあたしはシャワールームに入った


ざーっと出てきたお湯は最初から温かく、出だし冷たいということもない

お金掛かってるんだろうなぁ……


身体を洗うもの……



「なんだ、ブラシしかないの……」



入浴用の柔らかなブラシは気持ちいいんだけど問題が…



「よっほっ」



背中が……!


身体が硬いあたしは、背中にブラシを回すも、

腕が思ったように曲がらなくて背中を上手く洗えない

タオルとかがあれば両端を持って交互に引けば背中を洗えるのに……!


その時、



「身体が硬いのかい?」


「え?、う、うん」


「背中を流してあげようか?」


「え、いいの?」


「勿論」



いつの間にシャワールームに入っていたのか

さっきのネズミさんの声がして

あたしの返事に、任せろと言わんばかりに背中をこすってくれた


喋れる上に、世話までしてくれるなんて……!



「あ、ちょっと力強いかも、もうちょっと弱めてもらっていい?」


「こんな感じかい?」


「うん、あー、そんな感じ」



頭も洗ってさっぱりしたところで、タオルタオルと眼をつぶって探していると

タオルまで持って来てくれた


いいネズミさんだなぁ……



「ありがとう」


「どういたしまして

 はい、着替え」


「あ、ありが……ぎゃぁぁぁああああアアアアアッッ!!!」




着替えの入った籠を差し出してくれたのは……

なんだろう、と思って全体を見てみると、…それは大きな手だった


その手を遡っていくと



さっきあたしをここに案内してくれた彼が……!

コミミトビネズミは一度生でお目にかかりたい生き物ナンバーワンです

触ってみたい!!!


実際にどんな姿や大きさなのかはニ●ニ●動画で見ることができます

sm4166561の動画を見ると一番分かり易いかな

それ以外の動画はタグやコミミトビネズミの検索ワードで探せます

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