これは俺の世界、モブにはなりたくない4
唐突だが俺が通っている学園は国立ならぬ王立?だ。
通学か寄宿舎か選ぶことができて貴族は大抵通学、寄宿舎には特待生や数少ない変わり者たちが蔓延っている。俺はもちろん特待枠での寄宿舎組だ。家から通学できる金なんてない。
つまり何が言いたいかというと寄宿舎は個人主義、俺にとって静かで快適な場所だった。
だったのだが今はどうだ。
『ほらあれがルイスってやつらしい』
『あいつが…』
『なんでもエルネスト殿下を脅したらしい』
『おれ、エルネスト殿下の家庭教師になったって聞いたが?』
『ナニカやるやつだとは思ってたけど~~』
………ぼそぼそうっせえな。
言いたいことあるなら言いにこい。てかお前ら会話出来たんだな。いつも勉強以外興味ありません、みたいな行動してるくせに。プロボッチは俺だけか。
謎の伝統美のある廊下を通りコソコソ噂されながら自分の部屋に向かう。
幸い一人部屋だ。
よし、ミカエル様になって欲しい王様像でも書いていくか。
人の噂も七十五日
………………75日で収まるのか?
校舎に入った瞬間から昨日の繰り返し。
いや、宝石ジャラジャラ族がこれ見よがしに話していて悪化している。
「はあ・・」
そこ、扇子で人を指すな。お前、指は勿論だめだ。貴族のくせに習わなかったのか?
ミカエル様が恋しいよ。俺の癒しはどこいった?
ああ王宮に閉じ込められているのか。
なら貢物でも作るか。
俺は特待枠ということもあり自分の研究室?部室みたいなものがある。
今まではここにこもって魔術をこねくり回している。授業も成績良ければ出なくていいし。
俺以外が開ければただの何もない教室、俺が開ければなんということでしょう。物で溢れかえるゴミ屋敷の完成だ。足の踏み場?踏めれば足場だろう。
さらに生き物も居るから笑えない。
だって皆だってドラゴンに憧れたことあるだろ?恐竜見てみたいだろ?深海生物はどうだ?歩く魚とか飼ってみたいだろう?ピカイア可愛いだろ?
つまりはそういうことだ。自然保護活動だ。
一応言っておくがデカい生き物達は亜空間に居るからこれ以上部屋を汚くする奴はいない。
さて、ミカエル様に何を渡すか。某博士みたいに気に入った相棒でもお渡しするか。それとも実用的な道具?
悩ましいな
ピポーンパンポーン
ん?
『4学年のルイス・ルービッヒ、ルイス・ルービッヒ君、学園長がお呼びです。至急学園長室までお越しください。』
げぇぇぇ
よし、聞かなかったことにしよう!!