原稿用紙2枚以内のショートショート その1
「報告します!斥候部隊がやられました!」
「なんだと!?さっき出ていったばかりじゃないか!誰にやられたんだ!?」
「おそらく人間の仕業かと思われます」
「人間か…」
ため息をつきたくなるのも無理はない…我らと人間は長い間戦いを繰り広げてきたのだ。
そして今。人間はかつてないほどに我に迫っている。
「報告です!人間は1名。見たことも無い武器で武装しております!」
「一人か…」
ほくそ笑みながら報告に耳を傾ける。
「単身で乗り込んでくるとはな。我らの力を甘く見たな」
「で…ですが…!もうすぐそこまで迫っています!」
「なんだと!?守衛はどうした!」
「それが…なすすべもなく…」
「やられたのか!?」
「信じ難いですが…」
…ありえない…我が軍が誇る精鋭たちが…
「もうすぐここまで到達します…ここは私たちが食い止めますのでどうかお逃げになってください!」
「…いや」
「お急ぎください!」
「…我一人逃げるわけにはいかん」
…精鋭達を一人で倒したという化け物のような人間に勝てるかはわからない。だが、やらねばならぬときというのがある。
覚悟を決め、その時を待った。
どこからか煙が立ち込める。
「ぐっ…苦しい」
「これは…毒か!」
「小癪な…手を…」
薄れゆく意識の中で見たものは先が長い、剣のような武器だった…
「うっわぁ、見てよこれ!」
「どうした?…うぉう」
「こんなでっかいゴキブリがいたとか想像するだけで鳥肌立つよ」
「あー、最近なんかよくゴキブリ出てたもんなー」
「それにしても殺虫剤ってすごいよね。こんなでっかいゴキブリもイチコロだもん」
どうでしたか?
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