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あなたはずっと私の心の中にいる  作者: 田鶴


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58.公妾制度

エドワードの狂人化がますますパワーアップしてしまいました。あと、彼が性的なことを直接的な表現で言っている場面があります。ご注意ください。

エドワードは、自分の寝台で上半身を起こしたステファニーに抱き着いたままだった。


「とにかく、私は離婚する気はありません。万一あったとしても、こんな理由で離婚なんて教会が許すはずはありません」


「ステフィー、心配しないで。君の・・・その、義理の息子の・・・ことを離婚申請書に書けば離婚できるよ」


「嫌っ!その話はもう二度としないで下さい!」


離婚申請の理由としてブライアンに強姦されたことを書けば、確かに離婚は認められるだろうが、教会は証人を求める。古傷を再び抉るようなことをステファニーはしたくなかった。


「ごめんね、もう言わないよ。安心して、離婚できなくても大丈夫。公妾制度って知っている?もうずっと昔にこの国にあった制度だけど、復活させようと思っているんだ。そうしたら君は離婚しないまま、僕の恋人になれるよ」


「何をおっしゃっているのですか?!そんな不道徳なことを教会も世間も許すはずがありません!」


「世間なんてどうでもいいよ。大事なのは僕達の気持ちだよ。教会は・・・公妾制度は、その教会の黙認の下にあったんだよ」


今から何代も前の王の時代までは教会が側妃を認めていなかった。政略結婚の王妃を愛せない国王が愛人を自分の下に引き留めておくために編み出したのが、非公式の公妾制度だった。国王は愛人を自分の臣下に嫁がせ、白い結婚のままで王宮に召し出した。公にはその女性は別の男性の妻だったから、実態は明らかでも袖の下を握らされた教会幹部は目を瞑った。公妾との子供は、もちろん王が認知することはできず、王位継承権が認められなかったため、しばしば王位継承権の諍いが起きた。とうとう内乱が起きるに至って非公式の公妾制度が廃止され、教会との協議で正式な側妃制度ができたのだった。


「その話は私も聞いたことはありますが・・・公妾の子供の王位継承権のことで内乱が起きて側妃制度が導入されたのでしょう?そんな不利益を王国にもたらす制度を復活させてはいけません」


ステファニーは婚約時代に未来の王妃として王国の歴史を学んでいたから、公妾制度と側妃制度の歴史も知っていた。


「不利益をもたらさなければいいんだね?心配しないで。君と一緒になれるなら、僕はどんなことだってやり遂げられるよ」


「へ・・・エドッ!そういうことではありません!・・・うぐっ!ぐ、苦しい・・・!」


「ねぇ、昔みたいにもっと砕けた調子で話してよ。僕達、恋人でしょう?」


「ち、違・・・うぐっ!へい・・・エドッ!お願い、離してっ、苦しい!」


「ごめんね、君を正妃にできなくてごめんね。僕もソヌス王国の後ろ盾は必要だから、ユージェニーを仕事上のパートナーとして王妃にしておかなくてはいけないんだ。本当にごめんね。でも、君が僕とまた一緒になってくれるのなら、ユージェニーと子作りを二度としないって誓うよ」


「何をおっしゃっているのですか?!私は結婚している以上、へ・・・エドと一緒になどなれません!それに王妃陛下をお飾りの王妃にしたら、ソヌス王国がどう出るかわかりませんよ」


「フフフ・・・僕のことを心配してくれるの?うれしいなぁ・・・安心して。僕は君以外の女をもう抱きたくないし、抱けないんだ。勃たないんだよ。一度媚薬で無理矢理勃起させてユージェニーに中出ししちゃったけど、吐いちゃったんだ。君以外の女の中は気持ち悪い」


「なっ・・・?!な、何をおっしゃって・・・?!」


「ごめんね、君以外の女とセックスしちゃって・・・でも君も他の男としたでしょう?しかも子供まで産んだ。それを知った時の僕の気持ちわかる?」


エドワードの声色が不愉快そうに低くなり、ステファニーはぞっとした。そんなステファニーに気付いたのか、エドワードは彼女を抱きしめる腕の力をまた込めた。


「へ・・・エド、痛いです」


「ごめんね、また力込めちゃった。ユージェニーのことなら心配しないで。彼女は子供を作るために側妃を娶ることを了承したから」


「私は、側妃にはなりませんし、陛下と子供を作るわけでもありません!」


「また『陛下』って呼んだ・・・『エド』って呼ばないとここに閉じ込めるよ?」


「ひっ・・・」


「ごめんね、冗談だよ――じゃないけどね」


「え?」


エドワードがポツンと付け足した言葉はステファニーには聞こえなかった。というか、信じたくなくて聞こえなかったのかもしれない。


「ユージェニーが子供を他の女と作ってもいいって認めているんだから、僕達は子作りしても大丈夫だよ」


「そ、それはっ!将来娶られる側妃様とってことでしょう?」


「ユージェニー以外の女と子供作ってもいいなら、側妃でも公妾でもどっちでも同じでしょう?僕達の子供、かわいいだろうね。待ち遠しいなぁ」


「ち、違っ・・・」


「さぁ、今日はもう遅い。一緒に寝ようね」


「だ、だめです!自分の部屋に戻ります!」


「ステフィー、君の体調がまだ心配だからここにいて」


「なっ・・・誰のせいでこんなことになったと思っているのですか!もう大丈夫だから帰して下さい!」


「そんなこと言わないで。何もしないからここにいて。お願い!」


エドワードはステファニーに抱き着いたまま寝台に横になった。ステファニーはとても眠れる気分ではなかったが、エドワードはすぐにすうすうと寝息を立て始めた。ステファニーはエドワードの腕から出ようとしたが、もがけばもがくほど彼の腕はステファニーを力強く抱きしめて脱出できなくなった。ステファニーはそのままの体勢で眠れないまま、朝を迎えた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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