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あなたはずっと私の心の中にいる  作者: 田鶴


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53.候補者の選抜

エドワードは、『王妃の話し相手』6人の最終選抜をユージェニーに任せるつもりだった。とは言ってもステファニーだけは絶対に譲るつもりはなかった。


ユージェニーは、王家派と貴族派の家門から3人ずつ平等に選び、そのリストをエドワードに見せた。その中には、お茶会に来た未婚令嬢達は入っていなかったが、ステファニーは入っており、エドワードは予想外のことに目を瞠った。アンヌス伯爵家は、王家のあっせんで当主夫人が輿入れしたので、当然王家派に属している。


「・・・いいのか?その、君が選んだ中に・・・」


「ああ、アンヌス伯爵夫人ですか?陛下が是非招聘したいと思っていた方ですよね」


「ああ、そうだが・・・ほ、本当にいいのか?」


「いいも何も、陛下のご希望でしょう?それより、お茶会にいらした未婚令嬢達は、趣旨に合いませんでしたので、『王妃の話し相手』に選びませんでしたけど、よろしかったでしょうか?彼女達を側妃候補にするのは、実家に権力欲がありすぎてよくないと思うのです。別の方々を側妃候補に選びませんか?」


「いや、側妃はいらない」


「ですが、もう私達が結婚して5年。まだ子供がいませんでしょう?後継ぎを作ることは陛下の義務ですのよ。最近、臣下達がうるさいでしょう?早く側妃を娶って子供を作らないと、権力欲にまみれたヴェル公爵夫妻が息子を陛下の養子にって押し付けてきますわよ」


ヴェル公爵夫人は先々代王弟でエドワードの大叔父にあたる、大公ジョージの娘である。ジョージは欲のない男だが、その娘と婿は権力欲剥き出しの人間である。孫息子ヘンリーは両親に似ず、祖父と同様、温厚で優秀な子供と言われている。今、彼が立太子されたら、気が弱いだけに両親の言いなりになってしまうだろう。そうなったら彼らが王太子の実の両親として権力を振りかざすのは目に見えていた。


「・・・私が側妃を娶っても君はいいのか?」


「ええ。私が後継ぎを産む()()を果たせないのなら、仕方ありませんでしょう?」


「『業務』?!」


「ええ、私達はいわば仕事上のパートナーですもの。私のできない()()は、()()にしていただくしかないでしょう?」


「側妃が()()だと君は言うのか?」


「ええ、何か支障でもありますか?」


「い、いや・・・」


ユージェニーはエドワードの執務室を出てから笑いが止まらなくなった。


「ハハハハハッ!愚かな人!今更、私が側妃に反対しないことに動揺するの?!」


ユージェニーが私室に戻ると、執務室でも控えていたミッシェルとジャンが聞いた。


「姫様、アンヌス伯爵夫人と側妃の件、本当によろしいのですか?」


「いいのよ。彼への愛情は、砂漠に吸い取られる水のように乾ききったから」


ユージェニーは当初エドワードを慕っていたのに無残な夜伽を強いられた。そのことを今やミッシェルだけでなく、ジャンも知ってしまって胸を痛めていた。2人は、ユージェニーが酷い夫に見切りをつけたことを密かに喜んだ。それでもミッシェルはエドワードに対する憤りを隠さなかったが、普段寡黙なジャンは、この時も何も言わずに小さく嘆息しただけだった。


一方、エドワードはユージェニーを微塵も愛していないのにも関わらず、愛されないのは身勝手ながらもなんだか癪に障った。でも側妃を娶って子供を作ることをユージェニーが承知したことには大喜びしていた。それなら、ステファニーとそういう関係になっても不満を持たないだろうと都合のよい解釈をしたからだ。後は邪魔なエイダンさえ排除できればとエドワードはひたすら考えていた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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