26.散々な初夜*
R15です。抵抗ある方はご注意ください。
パレードの後、賓客を招待した盛大な祝宴で夜遅くまで人々は歓談したり、踊ったりして楽しんだが、新婚の王太子夫妻が途中で抜けるのは暗黙の了解だった。ユージェニーは初夜の準備があるので、賓客と歓談し続けているエドワードを残して一足先に夜会を辞した。
ユージェニーは浴室で侍女達に念入りに磨かれ、全身に香油を塗られ、ユージェニーは浴室で侍女達に念入りに磨かれ、全身に香油を塗られ、夜着を着せられた。その夜着は、布面積が少ない上に薄くて透けており、そこそこ大きい乳房が強調されるスレンダーな身体が随分と扇情的に見えた。ユージェニーは、これなら結婚したばかりの夫をその気にさせられると満足したが、それは思い上がりでも何でもなく、普通の男性には十分蠱惑的だった。
真夜中になり、ユージェニーが王太子宮の王太子夫妻の寝室で待ちくたびれて就寝しようとした時、エドワードが寝室にやっと入ってきた。
「ユージェニー、すみません、待たせました。招待客に捕まってしまって中々解放されなかったんです」
「いえ、来てくださったのですからお気になさらず」
エドワードが寝台でユージェニーの隣に座ると、彼の洗ったばかりの金髪がさらさらと揺れ、ムスクの香りがふわりとして、ユージェニーの胸はどきどきと早鐘を打った。
エドワードはもう一度立ち上がり、ナイトテーブルの引出しから3本の小瓶を取り出した。そのうち2本は同じ瓶だった。
「私も飲むから、これを飲んでくれますか?その、私も、は、初めてなので、失敗しないようにする媚薬です」
ユージェニーは夫婦の閨で媚薬を使うものなのかと少し疑問に思ったが、閨の授業では男性にまかせておくようにと習ったので、異議を唱えずに媚薬を飲んだ。
「それから・・・これなのですが・・・その、君がい、痛くないようにする潤滑剤です。後ろを向いているから、自分で、その、あの、あ、あそこに塗ってくれますか?」
「えっ?自分で?」
「ああ、君も振り向かないで下さい」
初夜では新妻を十分にほぐしてあげないといけないとエドワードも知識の上では知っている。でも彼はステファニー以外の女性の秘部を触りたくなかったのだ。
ユージェニーには、秘めた場所を自分で触るという知識も習慣もないので、潤滑剤を自分で塗る、しかも結婚したばかりの夫が見ていないといっても同じ部屋にいるのにと、かなり抵抗感があった。だが、お構いなしにエドワードはユージェニーに背を向け、何かごそごそ始めた。実は媚薬を使っても下半身が準備完了にならないために自慰をしていたのだが、後ろを向いていた上に男性経験がないユージェニーは気が付かなかった。
だが、しばらく経っても2人ともお互いが気になって準備ができなかった。エドワードは自分の寝室で自慰することにした。
「私は隣の自分の寝室に行っているから、その間に塗って下さい」
エドワードの寝室への内扉がパタンと閉まると、ユージェニーは意を決してとろりとした潤滑剤を手にとって秘部に塗ったが、惨めな気持ちが湧き上がってくるのを抑えられなかった。
エドワードが準備できて夫婦の寝室にやってくると、ユージェニーは着衣のまま仰向けになった。エドワードが脱がなくてよいと言ったからだ。彼は何度か試みたが、挿入できずに初夜は失敗に終わった。
「すみません、できない・・・」
ユージェニーはショックを受けたが、エドワードの男の沽券にかかわるだろうと思って責める言葉を口に出せなかった。エドワードはナイトテーブルの引出しからナイフを出して指の腹に当て、血と残りの潤滑剤を混ぜてシーツに垂らした。
「これで初夜が行われたという証拠にはなるでしょう」
何代も前には、王族の初夜に王室と教会の代表が臨席して事が無事に行われるか観察したものだが、今はその習慣はさすがに廃止されて初夜のシーツが教会に提出されることになっていた。
「ユージェニー、本当に申し訳ありませんが、できなかったことに私自身もショックなんです。今日は自分の寝室で寝ることを許して下さい」
ユージェニーも夫が自分でできなかったことにショックを受け、動揺していたが、エドワードもショックなんだと思うと別室で就寝することを許すしかなかった。エドワードが自分の寝室に去り、夫婦の寝室に独り残されたユージェニーは悲しみの涙なのか、悔し涙なのか、両目から水が溢れ、顔が火照ってきた。でも顔が熱くなってきたのは涙のせいではないようだった。その熱は全身に駆け回り、下半身に集中しだした。すると、エドワードがユージェニーと交わろうとした時の感触がよみがえり、ユージェニーはついつい自慰してしまった。
ユージェニーは冷静になると、隣の部屋からかすかに聞こえる声が気になり、内扉に耳をそっと押し付けた。ユージェニーが聞いたのは、エドワードがステファニーの名前を呼びながら自慰している喘ぎ声だった。
(どうして?私とはできなかったのに?!私を妃として尊重するのではなかったの?!これが!これが尊重するっていうことなの?!)
ユージェニーは惨めで悲しい感情の中に静かに怒りの感情も顔を出しつつあるのを自覚した。
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