表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたはずっと私の心の中にいる  作者: 田鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/79

13.嫉妬

いくら院長達3人がステファニーを悪意から守ると言っても、修道女は大勢いるし、付属の孤児院や母子寮にも住み込みの女性職員がいるので、ステファニーの噂や悪口を広める者がその中から出てくることはどうしても防げなかった。かと言って、ステファニーが婚前に純潔を失ったために婚約者だった王太子と結婚する資格をなくしたというような繊細で個人的な事情をそんなに大勢の修道女に話すわけにはいかなかったし、ステファニーもそれを望んでいなかった。


隔絶した世界のはずの修道院でも、ステファニーの素性に関する噂は外からも流れてきた。貴族女性は平民と違って特に純潔や貞節が重要視されるので、この修道院に来るわけありの女性には、問題を起こした貴族の娘や元妻が少なからずいた。だからステファニーが相手を個人的に知らなくても、相手側がステファニーを王太子の元婚約者だと認識できることもあった。


ステファニーが誘拐されたことは報道規制されたが、王宮に勤めている者達には知られており、一応緘口令は出されたものの、話が広がるのは防ぎきれなかった。もしそのことを知らないとしても、面会者から聞き知ることもあっただろう。男性は家族でも修道女と面会できないものの、女性は面会できるのだ。そういうところからステファニーの事情が修道院でもどんどん口伝えで広まっていってしまった。


「ねえ、あの方よ。王太子殿下の元婚約者。純潔をなくしたから婚約破棄されたんですって」


「いやねぇ。あんな清廉潔白そうな顔していて淫乱なのね」


「それなのに院長先生にあんなに気をかけていただくなんて生意気よね!」


「本当に!」


ステファニーが麦わら帽子をかぶってアポロニアと中庭で雑草を抜いていると、中庭に面した回廊を歩く修道女達が話しているのが聞こえた。ステファニーから彼女達が見えているのだから、彼女達もステファニーに気付いていてわざと話しているのか、それとも麦わら帽子のせいでステファニーを認識できないのか-ステファニーはそう思ったが、そんな陰口を聞くのは初めてではないから、聞こえないふりをして雑草を抜き続けた。


アポロニアが注意しようとして立ち上がったが、それに気付いた修道女達はあっという間にその場から逃げていった。アポロニアはそれでも彼女達を追おうとしていたが、ステファニーはアポロニアの腕を掴んで引き留めた。


「いいんです。言わせておきましょう」


「でも注意しないと・・・」


「あの方達に言って私の悪口をやめてもらっても、今度は別の方達が悪口を広めます。きりがありません」


ステファニーの毅然とした態度は、かつての未来の王太子妃の姿勢を彷彿とさせた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク、いいね、評価もありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ