84話 召還された召喚師
召喚:他所の地の者を自分の場所へと呼び込む
召還:他所へと渡った者を自分の地へと呼び戻す
事の発端は、とある世界の神が『邪神』へと変貌したことからだった。
その世界の神は、世界を管理するためのエネルギー確保で楽をするため、自らの子でもある『人類』の魂を食らうことを覚えてしまった。禁忌を犯したその神は穢れが溜まり、欲望に任せて人間の魂を食らう『邪神』へと堕ちた。
自らの世界を食らいつくした邪神は、周囲にある別の世界にもその欲望の手を伸ばした。
別の神が管理する世界を次々と襲い、その世界の人類から魂を貪る。世界を食らいつくした邪神は、力を失ったその世界の神をも滅ぼし、そして次の世界へと侵食する。
この世界の神がそれに気づいた頃。既に邪神は、邪神自身が管理していた世界を含めて四つもの世界を食らい滅ぼした後だった。
そしてその邪神は、この世界にもその魔の手を伸ばさんとしてきていたのだ。
世界を管理する神々は、『世界の中心』と呼ばれるものを駆使して自身の管理世界に干渉する。
地上よりも高次元の存在である神は、三次元の尺度では測れない思考回路を持っている。そのため、地上に無理を強いることなく管理するには『世界の中心』が必要だった。いわば、高次元の尺度を三次元の概念に変換する『翻訳装置』が必要だったのだ。また、高次元の世界から地上に干渉する際、次元の壁を無暗に破り地上を破壊してしまわないようにするための安全装置でもあった。
邪神はその『世界の中心』をまずは冒そうとする。『瘴気の核』という穢れの塊を『世界の中心』に植え付ける。瘴気の核は『世界の中心』に根を張り、カビのようにそれを侵食しながらその管理権限を奪っていく。同時に大地に瘴気を滲み出させていくのだ。
大地からにじみ出た瘴気は、地上で凝縮して『モンスター』と化す。
モンスターは、邪神へと人間の魂を送り届ける役割を果たす。モンスターに殺された人間は魂を剥ぎ取られ、モンスターがそれを神界に棲む邪神へと送り届けるのだ。
モンスター達は、邪神がこれまでの世界で食らってきた生き物や疑似生命体などを象っている。それを侵食した『世界の中心』で操り、人間達を襲わせている。『質より量』の選択をとった邪神は、モンスターに一切の自我を与えなかった。『人間を殺す』という目的のためだけに、一種類しかないごく単純な行動を繰り返すだけの、ただの自動人形だ。
この世界の神が、邪神の接近に気づいた時。
このままでは危ないと考えた神は、咄嗟に『世界の中心』の権能を最大で稼働し、人間達に最後の力を与えた。邪神を滅するまでの間、モンスター達に対抗し人類を延命させるための力を。
その力は二つ。一つは『クラス』、もう一つは『共鳴』だ。
『クラス』は、人類が戦闘に耐えうる年齢に達した際、モンスターに対抗できるだけの戦力を与える。高次元世界から地上を通り抜けているエネルギーである『マナ』、それを人類が扱えるようにするための力だ。
また、『世界の中心』が瘴気の核に冒されれば、神自身は地上の突発事態に対処できなくなる。そのため、『クラス』の力だけでは対抗できないという状況に陥った際の保険として、『共鳴』の力も与えることにした。その時に必要な能力を人類が自ら創造し、『クラス』の力を超える能力を臨機応変に生み出せるようにする。そういう能力だ。
邪神が到着するまでの限られた時間の間。『クラス』を作るにあたって、神は一つ悩まされた。それは”瘴気”の扱いだ。
邪神の産物である瘴気は、同じく神界に存在する神々でなければ処理することができない。地上の人類たちでは、その高次元な構造を理解できないためだ。しかし『世界の中心』が冒されて権能の大半が封じられてしまっては、神が直接地上に干渉する力を失う。瘴気が野放しになり、いずれは地上が瘴気で溢れてしまうだろう。
そこで、瘴気を処理するための専用の『クラス』を事前に用意することにした。瘴気を『空間魔法』によって高次元空間へと封印する能力を持つ『クラス』を。神界と同じ次元の空間に送り込まれてしまえば、『世界の中心』に頼らずとも神が直接その瘴気を浄化することができる。
そうして、『封印』の魔法を組み込んだクラスを用意した。
しかしそこで問題が発生した。
空間魔法は非常に高度な魔法。そのため地上世界に住む人類の魂の容量では、空間魔法を覚えさせるだけで精一杯だった。その『クラス』にそれ以外の力、すなわち直接的な自衛能力を追加することができなくなったのだ。
自衛能力を全く持たないクラスを用意してしまえば、そのクラスに就いた者の死亡率が跳ね上がってしまうだろう。
そこで神は試行錯誤した。空間魔法を自衛能力にも流用することができないかと。
その結果生み出したのが『召喚魔法』だった。封印空間へと送り込んだ瘴気を浄化した後、残った魔素を使ってモンスターを地上に再現する。そしてそれを使役し、自衛能力代わりにするのだ。そうすれば、人類の魂でも封印と自衛能力の両方を押し込むことができる。
確実を期すため、わずかに残った容量に『補助魔法』をも組み込んだ。空間魔法の応用で、召喚獣をサポートする魔法だ。単純な行動しか繰り返さない召喚獣でも、補助魔法を併用すれば小回りの利く応用力を発揮できるはずであると。
かくして、訓練を経ずともモンスターを封印することで即戦力を発揮できるクラスが完成した。それが、『召喚師』のクラスである。
そうして『クラス』と『共鳴』を設定し終えた直後、とうとう邪神が到着してしまった。
瘴気の核を、『世界の中心』に植え付けられてしまう。
神は、まだ無事な世界の神々を招集し、邪神の討伐を試みた。
邪神がこの世界を食いつくしてしまえば、次はまた別の世界へと侵攻するだろう。だからこそ、他の神々も協力を惜しむことはなかった。
他の神々と英知を結集し、とうとう邪神を討伐することに成功する。
しかし、『瘴気の核』は残ったままだった。成長こそ止まったが、『世界の中心』の八割ほどを侵食したままだ。予想通り、神は世界に干渉する力の大半を失った。
とはいえ、邪神さえ居なくなってしまえば処理はできる。時間はかかるが、瘴気の核に冒された『世界の中心』をごく一部ずつ切り取り、その部分を新しい『世界の中心』の一部に取り換えていけばいい。
一気に瘴気の核を全て取り除くことは避けたかった。できないことはないのだが、『世界の中心』の八割を一気に切り取った世界は、一時的とはいえ土台を失う。その瞬間、世界が支えを失って崩壊してしまうことは明白だった。だからこそ、瘴気の核に冒された『世界の中心』を少しずつ切り取り、徐々に新品と交換していく他なかった。
このペースでは、瘴気の核を処理しきるのに数千年かかるだろう。その間、『クラス』と『共鳴』の力をもって人類にはモンスター達を乗り切ってもらわねばならない。
だがここに来て、大きな問題が発生した。
瘴気が封印されるペースがどんどん低下してきたのだ。
原因は、人類が召喚師を忌み嫌うようになってしまったことだ。
近しい者をモンスターに殺された者達が、モンスターを操る召喚師を忌避するようになった。そのため召喚師になりたがる者が加速度的に減少し、瘴気の封印がままならなくなった。
加えて、モンスター発生から数百年経った今、人類による『クラス』能力の検証が進んできたことも一因となった。
他のクラスならば、模擬戦をしたり『技能』や『魔法』の性能、相乗効果などを検証することも容易い。そのため、召喚師以外のクラスは戦術がどんどん洗練されていき、戦い方が効率的になっていった。
そんな中、召喚師だけ全く検証が進まなかったのだ。リスクを抑えるため、召喚モンスターが”敵意を持つ相手”にしか攻撃しないよう設定したことが仇になった。模擬戦すらもできなければ、モンスターの性能や補助魔法の効果を検証することも難しくなる。そのため、他クラスの戦い方が研究される中、召喚師だけは置いてけぼりになってしまった。
結果、召喚師は忌み嫌われる上、他のクラスと比べて戦力的にも貧弱と称される『下級クラス』とまで呼ばれるようになってしまった。
このままでは、瘴気の処理量が落ちてしまう。
瘴気は封印しない限り、地上から消えない。このまま召喚師が減り続ければ、神が瘴気の核を処理できる頃には地上は瘴気にまみれ、人類は滅亡してしまうだろう。
かといって、今さら召喚師のクラス能力を修正することもできない。瘴気の核が侵食してしまっているためだ。修正に必要な『世界の中心』の権能が不足していた。
神は、白魔導師に与えた『蘇生魔法』を受ける者達を通して、必死に人間達を説得しようとした。召喚師を増やすように、と。
通常、神が人類に意思を伝えるには『世界の中心』の権能を大きく稼動しなければならない。神と人とでは考え方の次元がそもそも違うためだ。だが、『蘇生魔法』の制御下にある死者に限れば、『世界の中心』の権能が限られる現状でもある程度は人間と直接交信することができる。
しかし結果は芳しくなかった。神の想定以上に、人類がモンスターと召喚師を忌避する感情が強くなってしまったためだ。誰一人として、本腰を入れて召喚師の戦い方を研究しようとする者は現れなかった。
召喚師の具体的な戦術を伝授しようにも、それには『世界の中心』の権能が足りない。蘇生魔法での神託だけでは、伝えられる情報量が圧倒的に足りなかった。
***
神が悩まされる中、別世界を管理する神が憐れみ、提案をしてきてくれた。
その異世界の人類は、高度な電算機を開発できる技術力を持っていた。
電算機を用いてごく単純な法則で動く世界をシミュレートし、画面の中でその世界を疑似体験することができる装置……”ゲーム”というものを発明したという。
異世界の神が提案してきてくれたのは、こうだ。
異世界の『世界の中心』の力を使い、その異世界の人類に『召喚師の概念』を神託として伝授する。
そして異世界人に『召喚師の概念』を使った”ゲーム”を開発してもらい、異世界人に召喚師の戦術を代わりに洗練してもらうのだ。
その上でこちらの世界の人間を異世界へと転移させ、『留学』させる。神が人間に詳細な情報を伝えるのは困難を極めるが、異世界とはいえ人類同士で情報を伝える分にはハードルが大きく引き下がる。
そうして『召喚師の戦術』を教え込ませたその人間を、再びこちらの世界へと呼び戻すのだ。そうすれば、洗練された召喚師の戦術をこちらの世界に伝えることができる。
問題は、この世界の人間をどのように転移させるか。『世界の中心』が冒されている現状、今の神には人を別世界へ転移させる手段が無い。
せめて神界へと人間を呼び込むことさえできれば、異世界の神に協力を仰いで転移させることはできる。だが、現状では人間を神界に呼ぶ権能すら不足していた。
しかしそこへ、チャンスがやってきた。いや、その人間にとっては不幸なことではあるのだが。
セメイト村という場所がスタンピードに襲われた。
そして召喚師の『テオ』という少年が、多数のモンスターに一斉に狙われることになったのだ。
モンスターとは、神界に棲む邪神へと”殺した人間の魂”を送り込む機能を持つ装置。ゆえに僅かにだが、空間への干渉能力を持っている。
そのモンスター多数に狙われ、周囲に他の人間も居ないという状況に陥ったテオ。神界への干渉能力を持つモンスター群に一気に付け狙われたテオの周囲は、一時的に空間が歪んだ状態になっていた。
空間が歪んだ状態であれば、今の『世界の中心』でもなんとか人間を神界へと引き摺りこむことができる。
神はもうこれが最後の希望と意を決し、今自分に扱える『世界の中心』の権能全てを稼働させて、テオを神界へと招いた。
《――聞こえるか――》
戸惑うテオに、神は語り掛けた。彼に世界を救う『使命』を与えるために。
《――其方には、「異世界」へ行ってもらいたい――》
神はテオに伝えた。異世界では”遊戯”を通して、『召喚師』の正しい戦い方が伝わっていること。
テオにその異世界へと渡ってもらい、その戦い方を学んでもらいたいこと。
三年の後、テオにはこちらの世界へと戻ってきてもらい、その知識を世界に広めてもらいたいということ。
《――……すまぬ。其方には、苦労をかけることになる――》
戸惑いっぱなしのテオに、神はあらかじめ謝罪した。
環境も文化も、もちろん言葉や文字も全く異なる異世界。テオには三年間、何の予備知識もなしにそんな世界で過ごしてもらわなければならない。心が壊れてしまったとしてもおかしくはない。
しかし、この世界を救うにはもはや彼に賭けるしかなかった。
テオは、暗く沈んでいた。
無理もない。故郷を滅ぼされ、両親を殺され、最愛の女性をも殺された。そんな中、異世界に行って世界を救う知識を学んで欲しいと言われて、やる気が出るはずもない。
ましてや、異世界で知識を学んだテオが帰還した際、故郷も家族も失い、モンスターに囲まれた状態でこの世界に戻ってくることになる。気力を無くしたテオが生き延びてくれるかすらも怪しい。
《――その代わりと言っては、何だが――》
だから神は、テオに『報酬』を用意することにした。
《――時間を、巻き戻そう――》
テオの目に光が戻った。
世界を管理する神には、『世界の中心』を利用して数百年に一度だけ『地上の時間を巻き戻す』能力が与えられている。あくまでも『地上の時間』にしか干渉できないため、邪神による『世界の中心』侵攻を食い止める用途では使うことができなかった能力。それをここで使い、セメイト村がスタンピードの襲撃を受ける直前まで巻き戻すと。
本来ならばもっと巻き戻すことができるはずだったが、今は『世界の中心』の大部分が瘴気の核に冒されている状態。スタンピード直前まで巻き戻すことが精いっぱいだった。
けれども、それはきっとテオにとっては最高の報酬になる。
滅んだはずの故郷が戻る。死んだはずの家族、最愛の女性が甦る。
スタンピードはそのまま襲ってくるだろうが、戻ってきたテオの頑張り次第ではセメイト村を救うことができる。
藁にも縋るような思いで、テオはその条件を承諾した。
そうして、世界の命運を託してテオは異世界へと転移することとなった。異世界の神、そちらの『世界の中心』に力を借りて。
***
けれども、異世界へと渡ったテオの生活は順風満帆とは言えなかった。
件の”ゲーム”に詳しい者の居場所へと転移させたのだが、まず意思の疎通が難しい。なんとか身振り手振りで意思疎通を試みつつ、まずは地道に言語を学ぶところから始めていた。
まったく生活様式も違う場所で、家具から寝具から、空気も食事も違う世界での生活。戸惑い、同居人に迷惑をかけたりしながらも、テオは懸命に全てを学ぼうとした。
すべては、故郷と家族を救いたいという一心で。
一カ月ほどで基本的な言語をあらかた覚え、ようやく”ゲーム”を学習する段になった。
河間史也というその青年に教えられ、テオは初めて”ゲーム”に触る。モンスターの性能を表から覚え、モンスターの挙動や、召喚師によるモンスターを操る術、補助魔法の性能。覚えることはたくさんあった。
だがそこで、テオの精神が限界に近づいた。
全く解放感の無い、全てが扉で仕切られた部屋。全く土の匂いを感じない空気。全く構造の違う家具。全く味と香りの異なる食事。
慣れてきたはずのテオの心を再び蝕み、牙を剥き始めた。
トドメとなったのは、件の”ゲーム”の方だった。
テオにとってモンスターとは人類の天敵。自身の故郷を滅ぼし、両親と最愛の女性を殺した憎き仇。
それを操ることを、あろうことか”遊戯”としてこの世界の人間達は楽しんでいる。そのことにテオは我慢がならなくなったのだ。
けれども、ここで召喚師としての戦い方を覚えなければならない。でなければ、故郷を救えない。両親を、シャラを、救い出すことができない。どんなに忌まわしいことでも、学ばなければならない。
何もかもから逃げ出したいという感情と、故郷を救うための責任感。その葛藤が、テオを追い詰めるところまで追い詰めていたのだ。
そんな感情を、テオは吐き出すことすらできなかった。
ようやっとこの世界の言語を覚え始めたばかり。必要なこと以外は、ロクに言語化することもできない。史也に非があるわけでもない、という事実も手伝って、テオは悪感情を溜め込むことしかできなかったのだ。
転移してから三カ月。テオは、もはや発狂する寸前だった。
けれども今自分が発狂すれば、セメイト村を、家族を救えなくなる。
――そんな中、テオは小さな奇蹟を起こした。
「――にいちゃん」
突然、テオにそう明るく語り掛けられ、史也は困惑した。直後、テオの状態を察して切なげに微笑む史也。
テオの中に、もう一つの人格が生まれた。
絶対に召喚師としての戦い方を身に着けなければならない。だがテオのままの意識では、心が壊れてしまう。
その結果テオは、『自分はこの世界の人間』という意識を持つ、もう一つの人格を生み出した。これまでにテオが学んできた、この世界の言語、この世界の習慣など全ての知識をその人格に渡して。史也に悪感情をぶつけないように、『自分は史也の弟』という設定を与えて。
そしてテオの方は、この世界にやってきたという自身の記憶を封じた。おそらくは、覚えていることで自分の心を壊してしまわないよう、無意識に。
史也は、その人格に『マナヤ』という名前を与えた。河間真也……自分の弟、という設定の名前を。
マナヤは貪欲にゲームの知識を吸収した。
彼に『テオ』としての記憶は無かったが、テオの執念は継いでいたようだ。故郷と家族を救うための力、その渇望がマナヤの深層意識に植え付けられたのかもしれない。
そんな彼に、史也はさりげなく。本当にさりげなく、初級者プレイヤーを上級者へと育てるための方法と手順をマナヤに伝授した。
テオから使命のことを聞いていたからだ。彼が元の世界へと還るその時、きっと必要な知識になるだろうと確信していた。
――そして、彼が転移してから三年。
テオこと、マナヤが元の世界へと召還される日が来た。
マナヤは何もわかっていなかったようだが、史也は寂しそうに涙を浮かべていた。三年間、弟として接してきたのだ。マナヤに情が移るのも当然だろう。
そんな中、きょとんとしていたマナヤが魔法陣に包まれ、再び神界へと呼び戻された。
***
召還されたマナヤは、わけがわからないといった様子で神界を見回していた。
そして神が彼の前に姿を現した。戻る時間軸に合わせ、彼の肉体を三年前の物に戻した上で。
そこで、テオとマナヤのことを全て打ち明けてしまっても良かった。
だが、マナヤの人格はまだ少々不安定だった。今明かしてしまえば、自暴自棄になったマナヤが意識を閉ざし、その記憶をも封じてしまう可能性があった。テオが転移してからの記憶を封じてしまったように。
だから神は、『マナヤは異世界に転生する』という体で彼に伝えることにした。
これから行く世界は、召喚師の立場が弱いので改善して欲しいと。
依り代となる人物は既に死んでしまったので、スタンピード直前まで時間を巻き戻しておくと。
――かくして。
二人で一人の救世主が、この世界に再び舞い戻った。
『召還された召喚師』、実は本作のメインタイトルになるはずでした。
ネタバレが過ぎるためボツ案となってしまいましたが。




