グランドフィナーレ
――とある森の奥にある、一つの村。
「おい! 非戦闘員の避難を急がせろ!」
「落ち着いて! 落ち着いて移動してくださいっ!」
「南西の角に人員が足りない! 援軍を回せ!」
赤い夕陽と、より深い赤の光柱に照らされる中。
村の衛兵や駐在騎士たちが怒号を上げながら緊張の面持ちで指示を飛ばしていた。
「く、くそ、なんて数だ!」
「もうすぐ村に到達してきちまうぞ!」
「国からの騎士団は……もう、間に合わないか……!」
防壁の上で、森の奥を確認する衛兵たちも額に汗を浮かべている。
森は夕日と救難信号、二つの赤に照らし出され、さながら火がついたかのように紅く染まっていた。
衛兵たちの視線の先には、そんな森を木々ごと薙ぎ倒しながら迫りくる大量の異形達が。
先頭をいくのは、ヘルハウンドや狼機K-9などの軽量型のモンスターたち。だがその背後からは、全身甲冑で長槍を構えた戦乙女『ヴァルキリー』や、下顎から巨大な牙を二本生やした大ワニ『ギュスターヴ』などが続いている。
さらにその後ろには、全身が頑健な岩で覆われた巨人『岩機GOL-72』や、黒く醜悪な肉塊『ショ・ゴス』などの姿も見える。
最後尾には、巨大な影を揺らしながら地響きを上げて迫りくるものも。
純白と紅の二色竜が、その無機質な瞳で村の方を睨みつけてくるのが確認できる。最上級モンスター『フロストドラゴン』に『フレアドラゴン』だ。
つまるところ、スタンピードの中でも上級モンスター、最上級モンスターたちが大量に含まれる〝大海嘯〟級のものである。
そんな大量のモンスター達が、この村を完全に包囲するように迫ってきているのだ。
「くそっ! これも全部、召喚師が仕事をサボってやがったせいだ!」
「いやむしろ、召喚師なんかが村にいるから悪いんだろ! きっとスタンピードを呼び寄せたんだ!」
村人の中には、口々に勝手なことを言う者達も。
その奥では、非難と恐怖の視線を浴びている召喚師たちが、絶望の表情で崩れ落ちていた。
――コリンス王国とデルガド聖国の国境沿いにある、ジシラディラ王国。
この国では、まだコリンス王国から発された召喚師の新戦術が浸透していなかった。デルガド聖国で起こったという『邪神の器』事変も、当時かの聖国に外交官を送らなかったこの国では他人事。
そのため、今なおこの国にある村々では召喚師が不遇な扱いを受けているのだ。
「――全員、警戒しろ! そろそろ北側が射程圏に入るぞ!」
と、北門の上で警戒していた弓術士の騎士が警告。
村の中にいる者達全員の顔に、絶望が浮かぶ。この村にいる戦力では、こんな大軍はとても止めきれない。自分達は、もうすぐモンスターに押しつぶされ死ぬのだ。
「……ママ、怖いよぉ……っ」
「大丈夫、大丈夫だからね……っ」
泣き始める幼い娘を安心させようとする母親。
が、もう母親にもどうにもならないことがわかっていた。
全方位を取り囲まれ、もはや村から脱出する術もない。避難所に入ったところでもはや意味もない。
「神様っ……お願いしますっ、どうかこの子だけでもお助けください……っ」
どんどん泣き声が大きくなる娘をきつく抱きしめながら、自らも泣き始める母親。
「どうかっ……神様……っ!」
「――くそ! 来たぞ!!」
祈り虚しく、衛兵が声を張り上げた。
今まさに、射撃モンスター達が村を射程圏に納めたところだ。
森の中から、矢や弾丸、糸塊、火炎弾などが飛び出てくる。
それが雨あられと、村の防壁へと曲線を描いて飛び込んでいき――
〈――【レヴァレンスシェルター】〉
直後。
村全体を防壁ごと覆うように、半球状の巨大な結界が展開される。
村へと発射された攻撃は、全て結界によって弾かれた。
それらを浴びて結界はガラスのように割れてしまうが、すぐに同じものが間髪入れず張り巡らされる。
「な、なんだ!?」
「嘘だろ、村ごと覆うような、こんな大規模な結界があるなんて……」
迎撃しようと構えていた建築士と白魔導師が鼻白む。
だが状況がわからぬうちに、先頭のモンスター達が村を攻めてきていた。防壁を崩すべく、ヘルハウンドや狼機K-9、イス・ビートルなどが突撃してくる。
〈――【ウェイブスラスター】〉
そこへ、村から全方位に透明な衝撃波が発生。
防壁に突進してきたモンスター達は、弾かれるように外側へ吹き飛ばされる。木々にぶつかり、地面を削りながら押し戻されていくモンスターたち。
「村全体から外側へ薙ぎ払う、衝撃魔法だと!?」
「馬鹿な、そこまで広範囲に衝撃魔法を展開できるはずが!」
今度は弓術士や黒魔導師たちが驚愕する番だ。
広域衝撃魔法『ウェイブスラスター』。敵集団を押し戻す、黒魔導師の魔法である。しかしこれほどまで広域に展開させることなど物理的に不可能だし、仮にできたとしてこれほどの威力を保てるはずがない。
――ゴガガガガガァッ
しかし戸惑う村人達を無視して、北側でとんでもない衝撃音が発生。
北側の街道沿いから攻めてくるモンスターの群れが、薙ぎ倒されていく。
何やら蛇のように動き回る衝撃波が、木々や街道そのものを綺麗に避けてモンスターだけを斬り払っているのだ。その苛烈な破壊力と奇襲性に、下級や中級モンスターたちはもちろん上級モンスターですらなす術がない。
「き、北の街道が空いたぞ!」
「でもなんだ今のは!? 味方なのか!?」
「王国騎士団の方々に、あのようなことができたか……?」
剣士たちがその様子を防壁上から見て、恐れおののいている。
上級モンスターすらひと呑みにし、敵だけを正確に狙う剣圧。そのようなものが、一体どこから。
「――お、おい! アレを見ろ!」
と、村の中で誰かが上を見上げ、空の一角に指をさしていた。
全員がそちらに視線を集中すると、そこに一陣の稲妻が発生。空から襲って来ようとしていた野良の飛行モンスターがその稲妻に打たれ、瘴気紋と化し落下していくところだった。
その稲妻を放ったのは、全身が青い鱗に覆われた飛竜。
紅い空に真っ青なその姿が映え、美しく煌めいている。美麗に見えるのはおそらく、それが全く瘴気を纏っていないからだろう。
「瘴気をまとってない、竜だと……?」
「ま、まさか召喚獣だっていうのか!?」
「バカな! 最上級モンスターを操る召喚師がこんなところに!?」
人々がそれを指さしながら驚愕の声を上げている。
隅の方で震えていた、この村に所属している召喚師達。彼らもそれを聞きつけ、空を見上げて唖然としていた。
――ギャンッ
飛竜は風切り音を立て、結界に守られた村の頭上を通り過ぎる。
人々がそれを見つめて感嘆の声を上げる中、先ほどまで泣きじゃくっていた幼子が何かに気づいた。
「ママ、みて! あのドラゴンのせなか、だれか乗ってるよ!」
「えっ?」
母親が釣られるように飛竜の背に目を凝らす。
すると確かに、飛竜の背に四つの人影が乗っているように見えた。そのうちの一つは、村を見下ろしながら手を振っているようにも見える。
「……あっ! と、飛び降りた!?」
さらに見ていると、その四人の人影は突然、飛竜の背から飛び降りた。
飛竜の方はそのまま、南側のモンスター達の群れへと突っ込んでいく。稲妻を口から何度も大地に叩きつけ、モンスターたちを的確に撃ち抜いていた。
「モンスターが、村を守ってくれているのか……?」
疑わしげな声が、村の中から上がり始める。
飛竜が、野良の飛行モンスターたちにまとわりつかれながらも空中戦を繰り広げはじめた。後ろを取ったり取られたりしながら、稲妻で飛行モンスター達を処理していく青い竜。
「と、飛び降りたあの人たちは!?」
またある村人達は、飛竜の背から飛び降りた四人の人影を心配していた。
彼らが落ちていったのは、村の南側防壁の外側。もっとも大量かつ強力なモンスター達が迫ってきている方面、その防壁外側へと落ちていったのだ。
***
「――【キャスティング】」
村の南に降りていった人影の一つ。金髪セミロングの女性が、自分含めた四人全員に何かを投げつける。
――【妖精の羽衣】!
四人の首元に、翅を象ったチャームがついた錬金装飾が装着された。地面へと到達した四人は、ぶつかる直前で急減速し、ホバーするようにやんわりと着地。
直後、その『妖精の羽衣』が外れ金髪セミロングの女性の手に戻っていった。四人全員、自らの脚でしっかり大地を踏みしめる。
「どうぞ、アシュリーさん」
「ありがと、シャラ。それにしてもすっごいモンスターの大群ね」
その金髪セミロングの女性、シャラが、傍らに降りた赤毛のサイドテールを垂らした女剣士に『魔力の御守』を渡す。
それを手首に装着してマナ回復したその女剣士アシュリーは、前方を仰ぎ見て感嘆の声を上げていた。
どんどんこちらへ迫りくる、モンスターの『大波』と言ってもよい大群。
並のスタンピードとは格が違う。もはや、『邪神の器』が出現した時に発生した大群とそう変わらない。
「――んで、ディロンさんとテナイアさんも派手にやってんなぁ」
感心したように前方を見ながら、ウェーブがかった金の短髪を揺らすマナヤ。
彼の視線の先では、モンスターの大群が多数の攻撃魔法を浴びていた。それが大群を押し留め、侵攻を防いでいる。
「すごいよね、あのお二人。セメイト村にいるのに、こんな距離まで魔法を飛ばしてこれるんだから」
と、思いを馳せるように東の空を見やったのは、マナヤと同じ姿をした少年。
もちろん、テオだ。
アシュリーが、こんな状況だというのに目を閉じて苦笑する。
「赤ちゃんの世話をしなきゃいけないだろうし、待ってていいですよって言ったんだけどね。村でユキヤくんの面倒みながらもあたし達と一緒に戦おうだなんて。そして実際、村からこうやって『千里眼』で援護できちゃうんだもの」
「この距離からも魔法を飛ばせるほど、射程が上がったんだもんな。あの二人、ますます『共鳴』の扱いに磨きがかかってんぞ」
マナヤも呆れ顔に近い様子で笑いを漏らしていた。
彼らの背後でこの村全体を守っている結界も、テナイアが使ったものだ。『千里眼』が射程のみならず範囲も広げる効果をもっているからこその芸当である。
「それより、早くモンスター達を倒さないと」
ひとり真剣な顔をしているシャラが、『衝撃の錫杖』を構えながら皆に言い渡す。テオも頷いてそれに続いた。
「あの数だもんね、普通に戦ったら絶対マナが足りないよ。ディロンさん達はもちろん、僕達も」
と、雷の雨あられを受けているモンスター達を見つめながら眉を下げるテオ。
そこへ手のひらに自身の正拳を打ち付けたのは、マナヤだ。
「へっ、マナが足りねぇなら――」
「――『ドMP』で稼ぐ、ってのはナシよ?」
しかしアシュリーが裏拳で彼の横頭を小突き、ツッコむ。
「お、おい」
「だいたいね。マナが欲しいってんなら、あたしがいるじゃないの」
出鼻をくじかれたマナヤに、アシュリーはそう言っていたずらっ子のような笑顔を向けた。
しかしマナヤはなお、浮かない顔で頭を掻いている。
「つってもなぁ。んな〝反則の力〟で勝ったところで、そりゃ『共鳴』が強いってだけだろ? 召喚師のすばらしさを村の連中に見せつけるってことにゃならねーぞ」
「今はそんなことを心配してる場合じゃないでしょ、マナヤ!」
ぶつくさ言っているマナヤを、テオがそう一喝。
「村のみんなを一刻も早く助け出すことの方が大事だよ! 見てる人を安心させてあげることだって、英雄の務めでしょ?」
「そうですよマナヤさん。召喚師の印象を変える方法なんて、後でいくらでも考えられるじゃないですか」
シャラもそれに乗っかり、宥めてくる。
三人からのジト目を受け、諦めたようにマナヤは目を伏せて苦笑した。
「わかったよ。確かにここは、人命最優先だよな! ……んじゃ、アシュリー」
「ええ!」
気を取り直し、ニッと笑ったマナヤはアシュリーへ手を差し伸べる。
アシュリーも不敵な笑顔を浮かべ、その手を取って繋いだ。
「【共鳴】――【魂の雫】」
二人の体が、共に虹色のオーラに覆われる。
常時マナを超回復させることができる『共鳴』。これで二人にマナの制約はほぼほぼ無くなった。
「シャラ、僕達も」
「うん!」
テオもシャラへ呼びかけ、手を差し伸べる。
同じように手を繋いだ二人は、かすかに顔を伏せ目を閉じた。
「【共鳴】――【無限装着】!」
テオとシャラにも虹色のオーラが纏わりつく。
あらゆる技能や魔法、錬金装飾を重複して使用できるようになる能力が、二人を覆った。
直後、テオとマナヤが視線を交わす。
(父さんと母さんがくれた複製で――)
(――俺とテオの魂は、いつも繋がってる!)
そんな二人が意識すれば、虹色のオーラはテオとマナヤの間にも懸け橋となるようにリンクした。
(僕とシャラの無限装着を、マナヤとアシュリーさんにも)
(俺とアシュリーの魂の雫を、テオとシャラにも!)
そんな〝懸け橋〟を通して、虹色のオーラが混じっていく。
テオとシャラから発されたオーラが、マナヤとアシュリーにも重なっていく。同じように、マナヤとアシュリーのオーラもテオとシャラへとかぶさっていった。
より分厚い虹色オーラをまとった四人が、目を見開く。
「ディロンさん、テナイアさん、モンスター殲滅は僕達に任せて! お二人は守りに専念してください!」
テオが虚空を見上げ、村から援護してくれている二人へ語り掛ける。
〈――心得た、テオ!〉
〈みなさん、あとはお願いします!〉
四人の頭の中に、二人の声が響いた。
そして横一列に並んだ四人は、互いの顔を順番に見合わせる。
「――よっしゃ、行くぜ! 勝負開始!!」
マナヤの号令とともに、四人は弾けるように前方へ飛び出した。
「【キャスティング】!」
まず最初に動いたのは、シャラだ。
一掴みほどもある大量の錬金装飾を、自分も含め四人全員に投擲する。光の筋と化したそれらは、生き物のように四人の腕へと吸い付いていった。
――【増幅の書物】!
――【増幅の書物】!
――【増幅の書物】!
――【俊足の連環】!
――【俊足の連環】!
――【俊足の連環】!
――【俊足の連環】!
――【跳躍の宝玉】!
――【跳躍の宝玉】!
――【跳躍の宝玉】!
技能や魔法の効果を増幅する『増幅の書物』。
装着者の足を速くする『俊足の連環』。
装着者のジャンプ力を高める『跳躍の宝玉』。
それらが複数個ずつ、四人の左腕に連なって装着された。
「【サンダードラゴン】召喚! 【竜之咆哮】、【時流加速】、【時流加速】! 【戻れ】!」
直後、マナヤが青い飛竜を召喚し、それに金色のオーラを纏わせた。咆哮を上げた青い飛竜は、さらに時計盤のような魔法陣を二重に浴びて加速されていく。
「よっしゃ、いくぜ! どりゃあああああああっ!!」
と、マナヤはその状態で村の周りを回るように爆走し始めた。
高速化した彼のサンダードラゴンも、追従するように彼の頭上で複雑に動き回る。すると、敵モンスター達は全員そちらに反応して彼だけを付け狙い追い始めた。
いわゆる『竜哮寄せ』という戦術だ。
それを二重にかけた加速魔法、そしてマナヤ自身が『俊足の連環』重複装着で速くなった走力で走り回る。敵はマナヤやサンダードラゴンに全く追いつけず、完全に無防備な状態となった。
「マナヤ!」
「おう、いくぜアシュリー! 【ドゥルガー】召喚!」
それに追いついたアシュリーが、隣に並んで彼に催促。
すぐにマナヤはそちらへ手のひらをかざす。
巨大な召喚紋が発生。
その中から現れたのは、背中から無数の腕を生やし全身甲冑を着込んだ女戦士。白い虎に跨り、無数の手それぞれに大小様々な剣を携えている。
「【電撃獣与】【電撃獣与】【電撃獣与】【秩序獣与】【秩序獣与】【秩序獣与】! こんなもんでいいか!」
「ええ! じゃ、借りるわよ!」
無限のマナでありったけ獣与魔法を重ね掛けし、アシュリーに目くばせするマナヤ。
アシュリーは、膨大な輝く稲妻を纏ったドゥルガーの背に跳び付く。無数に生えた手に握られた剣から、特に大きい剣を選んでそれを掴んだ。
「【跳躍爆風】!」
「【ペンタクル・ラクシャーサ】!!」
マナヤが彼女をドゥルガーごと上空へと跳ばす。
直後、迫りくるモンスターの群れを空中から睨みつけたアシュリーは、強引にドゥルガーごと振り回し大剣を振りぬいた。
発生した、強烈な閃光と電撃を纏う斬撃。
それは意思を持つかのように蠢き、かくかくと折れ曲がりながら木々を避けてモンスターたちだけを薙ぎ払う。その一撃で、追ってきていたモンスターたちが地上空中問わず一撃で爆散していく。
「二番だシャラ!」
「【キャスティング】」
そこで、なおも駆け回っているマナヤが大声でシャラに合図を。
シャラはすぐさま複数の錬金装飾を取り出し、それをマナヤに投げつけた。
――【伸長の眼鏡】!
――【伸長の眼鏡】!
――【伸長の眼鏡】!
――【伸長の眼鏡】!
眼鏡のようなチャームがついた錬金装飾四つ。
それらが駆け回るマナヤに追いつき、首元にネックレス状になって装着された。
「【封印】【封印】【封印】ッ」
一気に補助魔法の射程が伸びたマナヤは、走り回り続けつつも封印魔法を使用。
はるか後方に置き去りにしていた、無数の黒い瘴気紋。それらが次々と宙に浮きあがり、金色に変化してマナヤの手のひらへと吸い込まれていく。
「っと、まだついてきてたのね」
と、着地して森の奥を見やったアシュリーが呟いた。
ペンタクル・ラクシャーサが荒れ狂った後、その範囲外にいたモンスターがさらにマナヤを追いかけている。
「じゃ、コレも試させてもらおうかしら、ねっ!!」
すぐさまアシュリーは、ドゥルガーを白虎ごと担ぐように持ち上げ、前方へ駆けだした。
「……ちょうど、五体!」
木々の間から、まばらにマナヤを追いかけているモンスターを捕捉。
いったんアシュリーはドゥルガーを地面に降ろし、その背後に回り込む。
両手を広げ、ドゥルガーが持っている剣を二本、二刀流のごとく掴んだ。
そのままドゥルガーを背負うような形で身を屈め……
――1st――
――2nd――
――3rd――
――4th――
――――FINAL!!
「セイヤアァァァッ!!」
残像だけ残し、アシュリーはドゥルガーもろとも姿を消した。
直後、木々の間を縫ってすさまじい速度で駆け回る。
散らばっている五体のモンスターを、まるで点と点を線でつないでいくかのように斬り伏せていくアシュリー。
五芒星の軌道を描いて、縦横無尽に剣閃が走っていく。
「っと!」
五体を全て斬り倒したアシュリー。
大地を削りながら着地し、ドゥルガーを降ろして独り言ちる。
「やっぱり便利ね、この技!」
全く同じ技能を、五つ重ねて同時発動する。
テオとシャラが分けてくれた『無限重複』の効果あればこその芸当だ。
「シャラ、僕達も」
「うん!」
それらを尻目に、テオはシャラと並んで森の奥のほうへと駆けこんでいた。
向かう先は、上級モンスターや重量級のモンスター達の群れ。現状マナヤとアシュリーが処理できているのは、彼らについて来れている脚の速いモンスターたちだけだからだ。
「召喚、【鎚機SLOG-333】! 【ダーク・ヤング】!」
テオは二体の最上級モンスターを連続召喚した。
全身金属の塊でできている、樽状の巨体『鎚機SLOG-333』。
そして禍々しい巨木に足が生えたかのような異形『黒い仔山羊』。
(行こう、ヴァスケスさん!)
そのうち鉄の巨体の方を見上げ、心の中でテオは呼び掛ける。
彼の思念が、まだ鎚機SLOG-333の中に残っているかはわからない。
だがテオは、今もまだ彼がいると信じたかった。
そうすれば、彼は一緒に戦えるから。
本当は『人を救いたかった』ヴァスケスが、その望みを今からでも叶えることができるから。
「【重撃獣与】【重撃獣与】【電撃獣与】【電撃獣与】【時流加速】【時流加速】【時流加速】! 【行け】!」
まずは鎚機SLOG-333にありったけ補助魔法を重ね掛けし、突撃させる。
車輪から土煙を上げ突撃していった鎚機SLOG-333は、物理威力が数倍に強化された上に何重もの電撃も纏い、三つの鉄槌を敵に叩きつける。
ただの一撃で、野良の岩機GOL-72が爆砕。
すぐあと、近くにいたショ・ゴスへ向かい爆走していく鎚機SLOG-333。
「シャラ!」
「【シフトディフェンサー】」
――【吸嵐の宝珠】!
テオの合図に阿吽の呼吸で動くシャラ。
錫杖の先端に、水色の宝珠がついた錬金装飾が装着された。
「【リベレイション】!」
シャラがそれを振りぬいた途端、森の木々が全て青いオーラに守られる。
「【リミットブレイク】!」
直後、テオは目を閉じて念じた。
鎚機SLOG-333が敵ショ・ゴスに鉄鎚を振るう。同時に、リミットブレイクによりさらに膨大な電撃がショ・ゴスを打ち据えた。
無数に重ねられた電撃獣与により、電撃攻撃力を帯びた鉄鎚。
さらにそこへリミットブレイクの電撃も合わさっては、物理耐久力の高いだけのショ・ゴスではひとたまりもない。一瞬でアメーバ状の全身が蒸発し、後には瘴気紋だけが残った。
それだけの電撃が放出されたというのに、木々には焦げ跡一つ残っていない。
シャラの『吸嵐の宝珠』による電撃防御効果だ。この森は、可燃性の高い木もまばらに生えている。だから山火事を起こしたり生態系に被害を出さぬよう、シャラはわざわざ木々を守った。
「【封印】! よし、次は――」
「テオ!」
「わかってる!」
その瘴気紋を封印したところで、シャラの鋭い警告。
大規模スタンピードの最後尾に控えていた、フレアドラゴンとフロストドラゴンの二竜。それが同時に顎を開き、マナヤとサンダードラゴン目掛け攻撃を仕掛けようとしていたのだ。
もちろんテオも気づいている。
すぐに振り向くと、別の場所で敵と戦っている自分のダーク・ヤングに手をかざした。
「【火炎獣与】【火炎獣与】【火炎獣与】【火炎獣与】【跳躍爆風】!」
突然、巨大な触手が業火を纏い、『ダーク・ヤング』が宙を舞う。
その触手から溢れた業火が尾を引き、見た目はさながら燃え盛る隕石。
放物線を描いてそれが落ちていった先は、敵フロストドラゴンの真横だ。
ダーク・ヤングの触手が、巨大な炎のムチとなって白い竜を穿つ。
たった一撃で、純白の甲殻に守られたフロストドラゴンの巨体が爆砕した。
「――【火炎防御】!」
一方そのころ、マナヤは駆け回りながら自身のサンダードラゴンに赤い防御膜を纏わせていた。
直後、フレアドラゴンが吐いた火炎ブレス。
マナヤとサンダードラゴンを同時に呑み込まんと迫っていく。
が、サンダードラゴンにかかった赤い防御膜に触れた瞬間。
炎の壁のように迫ってきたブレスは、まるごとかくんと方向転換。
来た道をそのまま戻り、フレアドラゴンとその周囲にたむろしていた野良モンスター達を呑み込んだ。
「【シフトディフェンサー】【リベレイション】!」
――【吸炎の宝珠】!
直後、シャラが錫杖の先端を付け替え振りぬいた。
発生したほのかに紅い衝撃波は、木々についた炎だけを吹き消していく。
「【火炎防御】! いくよヴァスケスさん、【跳躍爆風】!」
テオはここで、鎚機SLOG-333をフレアドラゴンの方へと放り込む。
赤竜の背後に着地したそれは、膨大な神聖光と電撃を纏った三つの鉄槌をすぐに展開。一気に赤竜へ叩き込む。
真っ赤な鮮血を散らし、フレアドラゴンは一撃で倒れた。すぐに血液ごとその巨体が消え去り、瘴気紋だけが残る。
「――テオ! マナヤさん、アシュリーさん!」
ここでシャラが、胸元に大量の『森林の守手』を提げて声を張り上げてきた。『森林の守手』は、周囲の気配を察知する錬金装飾だ。
「南側の敵はあらかた片付きました、あとは足並みが遅れてる重量級だけです! 一掃しましょう! 【シフトディフェンサー】」
指示を出したシャラは、一掴みほど錬金装飾を取り出して自分が手にした錫杖の先端へ取りつける。
――【伸長の眼鏡】!
――【伸長の眼鏡】!
――【伸長の眼鏡】!
――【伸長の眼鏡】!
――【伸長の眼鏡】!
計五つの『伸長の眼鏡』が取りつけられ、『衝撃の錫杖』はその射程を大幅に向上させる。
「おし! テオ合わせろよ! アシュリーも!」
「うん!」
「りょーかいっ」
足を止めたマナヤが、テオとアシュリーに合図を。
同時に三人とも、村を背にして一ヵ所に固まる。
それを見届けたシャラは、錫杖の先端を地面スレスレまで降ろした。
「いきますっ! 【リベレイション】!!」
号令とともに、錫杖の先端を真上へ振り上げた。
途端、森の中から十数体ほどのモンスターが木々の上へと跳び上がる。シャラが『リベレイション』の射程を大幅向上させ、モンスター達だけを上へと吹き飛ばしたのだ。
「【フレアドラゴン】召喚ッ!」
「【フロストドラゴン】召喚っ!」
宙を舞ったモンスター達を目掛けて、マナヤが火竜を、テオが氷竜を召喚。
巨大な召喚紋から現れた紅白の二竜は、空中に跳び上がっているモンスター群へと頭をもたげる。
「【行け】ッ!」
まずマナヤが火竜に攻撃命令を。
フレアドラゴンが業火の息吹を空中へ吐いた。
それが、森の木々より遥か上へとカチ上げられたモンスターを呑み込んでいく。
「――【行け】!」
一瞬遅らせ、テオも氷竜へ指示を出した。
ちょうどフレアドラゴンの息吹が通り過ぎた直後、今度は氷の刃を無数に含んだ吹雪のブレスが。
火炎に耐性を持ち、火竜の息吹を受けても生き残ったモンスター達。
それらも逆属性である吹雪のブレスを受け、砕け散っていく。
「ラスト! 【ペンタクル・ラクシャーサ】!!」
それでもなお残った敵を、アシュリーが薙ぎ払う。
空中をギザギザに翔ける衝撃波が、最後の一体まで全て狙撃し撃破した。
「【封印】【送還】。よしこっちは終わった、あとは北側だな! テオ!」
「任せて! サンダードラゴン【戻れ】【魔獣治癒】【魔獣治癒】」
マナヤの指示を受け、テオは最初に敵陣に送り込んでいたサンダードラゴンを呼び戻す。いくらか負傷していたため、治癒魔法を連打して一気に全快にさせておくのも忘れない。
「みんな、乗って! えいっ!」
テオが、無数に装着された『跳躍の宝玉』の効果を使いジャンプ。
ほぼ同時に他三名も跳び上がり、サンダードラゴンの背に着地した。
「急ぐよ! 【時流加速】【時流加速】【時流加速】【時流加速】っ!!」
そしてテオは、騎乗したサンダードラゴンに時流加速を四連打。
一瞬にして異常な飛行速度を獲得した飛竜は、もはや弾丸か何かのように飛び出した。
だが当然、そんな竜の背に乗っている四人も強烈な風圧を受けることとなる。
「ぶふぇええええええ!? バカ加減しろテオォォォォ!」
「ご、ごめんなさいいいいいい!」
「きゃ、【キャスティング】!」
正面からの暴風で顔芸を披露しながらマナヤが叫び、なんとかサンダードラゴンの鱗にしがみつきながら耐えるテオ。シャラが慌てて皆に『安定の海錨』を装着させ事なきを得る。
一瞬にして村の北側へと移動した四人は、すぐさまサンダードラゴンから飛び降りる。
そのまま、即座に北側のモンスター迎撃に入った。
***
青い飛竜が時流加速の魔法陣の名残である光の粒子をばらまき、村の上空を超高速で横切る。翼の両端から雲をも引き、それが夕日と救難信号に照らし出されていた。
その雲が、空に神秘的な紅い道を描いていく。
「ママ、みて! きれいだよ!」
「そう、ね……」
上を見上げて目を輝かせている幼い娘の言葉。母親も同じものを見上げ、感嘆を漏らしていた。
「なんなんだ、あの人たちは……」
「南側のあの大群、あっという間に殲滅していったぞ」
「モンスターを操ってるのに、どうしてあんなに綺麗なんだ」
「しかもあの二人、剣士さんと錬金術師さんだろ? 花形のクラス二種が、どうして召喚師なんかと組んで……」
村人や騎士たちも、パニックから回復して茫然と戦いを見つめていた。
あの四人が忌まわしいモンスターを操っていたというのに、まるで嫌悪感を抱かない。四人とも、神々しい虹色のオーラに輝いていたからというのもあるだろうか。
「まさか本当に、神様が……?」
幼子の母親が小さく呟く。
虹色に輝き、大地を翔け空中を跳びまわりながら戦う四人の姿は、まさに天使か何かのように見えたのだ。
「――ぅおぉぉ待たせしましたああぁぁぁぁーーーー!」
そこに、荘厳な空気をぶち壊すような声が。
急に地面も揺れ出し、慌てふためく村人たち。
直後、北門に巨大な何かがぶつかるかのような轟音が響いた。膨大な岩の塊が津波のように押し寄せ、北門を覆い尽くすかのように激突したのだ。
とんでもない衝撃だったはずだが、なぜか門にも防壁にもヒビ一つ入っていない。
門の外側を完全にふさぐかのように潰れた岩の波。
その上端部分だけが、にょきっと水のように変形し村の中へと侵入してくる。門の上端から村の広場へと続く、岩のスロープを形成した。
そのスロープを伝って、岩の波から村の中へと駆け込んでくる豪華絢爛な馬車が一台。
なにごとかとどよめく村人の視線の中、その馬車は村内の地面に降りてきて急停止した。
しばしの沈黙の後、馬車の扉が勢いよく開かれる。
「はぁーっはっはっは! ワタシの名はランシック・ヴェルノン! 趣味はカオス、特技は途中で見つけた援軍の騎士団を拉致してくることです!」
中から現れたのは、赤と白の二色でできた妙にモコモコとした衣服をまとった青年。長い銀髪の上にずいぶん柔らかそうな三角帽子をかぶっている。その帽子は全体的には赤いが、尖った上端には白くて丸い綿の塊が揺れている。
「……」
豪華絢爛な馬車から、妙に安っぽい恰好をした美男子が現れ、村人達は硬直。
「――ランシック様、拉致してくるとは自分事ながら人聞きが悪いかと存じます。正確には、道中で見かけた騎士団の方々をこちらへお連れしたと説明すべきかと」
その美男子の後ろから、騎士服を纏った女性も降りてきた。長い黒髪をポニーテールにまとめ、背には大弓を背負っている。
「何をおっしゃいますレヴィラ! 彼らがワタシ達を怪しんでいて聞く耳を持たなかったので、強引にお連れしたのです! 『拉致』で良いでしょう!」
「犯罪行為と自ら喧伝されるおつもりですか。外交問題に発展しますよ?」
「いやいや、ワタシはあくまで正体不明の『さんたく・ろーす』! 村人がお待ちかねの騎士団をプレゼントしに来ただけの、外国から来てなどいないただの一般人です!」
「先ほど明朗に家名まで名乗り上げておいて、今さらそのような言い訳は通用しません」
「なるほど、そういう考え方もありますね!」
赤服を着た美男子と、クールな雰囲気を持つ礼儀正しい女性騎士。
その色々とミスマッチ甚だしい光景に、村人たちはどう反応していいかわからない。
「い、いったい何なのだ、どうやってこれほど早く村へたどり着けた……?」
と、今度は北門の下をくぐって騎馬隊が村に入ってくる。
どうやら、岩でてきた波の中に閉じ込められ、その状態で一緒に運ばれてきたようだ。隊長と思しき者が騎馬の上から周囲を見回し、ただただ困惑。
「た、隊長! それより、この村ですが!」
「わ、わかっている! 村全体を覆える結界だと……それに、あの数のモンスターどもを殲滅しているあの者達は」
同じく岩波から出てきた騎士の一人が、村の北側で縦横無尽に戦っている四人の姿に気づく。隊長と呼ばれた男も気を取り直して周囲を見回しているが、その何もかもが理解不能で疑問符を浮かべるしかない。
そんな唖然としている村人たちと騎士たちに、銀髪の男性はもこもこした手袋をはめた手で人差し指を立ててウインクする。
「おっと失礼、ワタシはお忍びでこちらに来ておりますので、先ほどの名乗りは内密でお願いしますね! あ、サインいります? ヴェルノン侯爵家の家紋入りで」
「ですから四秒で自らの発言を矛盾させないでください。そもそも、なぜその服装なのですか」
慣れた様子で即ツッコミを入れるレヴィラ。
ランシックは自身の服装を誇るように腰に手を当て、ふんぞり返る。
「これぞマナヤ君から伺った、異世界の祭りで使われる伝統服! 苦しむ村人達に贈り物を配る、冬至の救世主の姿ですよ!」
「今は真夏の盛りですが」
「人を救う仕事をする以上、これから忙しくなりますよレヴィラ! 村々に食料や嗜好品を運び、被害を受けた町を復興し、野良モンスター達を岩の波で蹴散らし、そして『駆ける岩波の上で舞踏を披露する』競技をデルガンピックに申請するのです!」
「それはさすがに無茶が過ぎるかと」
「甘いですよレヴィラ! もっとマナヤ君のように鋭いツッコミを――」
「ランシック様の岩は頑丈さが足りません。岩の波でモンスターを蹴散らすのは不可能です」
「アレェそっち!?」
衆目の前で漫才を繰り広げる二人。
村人達も妙に気が抜けてしまったのか、苦笑しながらお互いの顔を見合わせている。先ほどまでの緊迫感が消し飛んだ。
「――おじさん! あの人たち、天使さまなの?」
「おじッ!?」
母親に抱えられた幼子が、ランシックに向かって問いかける。モンスター達を殲滅しているマナヤらのことだ。
呼ばれ方に一瞬絶句したランシックだったが、すぐに咳払いして底抜けに明るい笑顔を見せた。
「そうですよお嬢さん。神様の使いが貴女がたを助けに来てくださったのです」
「――ま、まさか! 神様の使いで召喚師……もしかしてあの方々は!」
それを聞きつけた母親が、思い出したように顔を跳ね上げる。
一瞬視線を母親の方に移したランシックは、想いを馳せるように村の北へと顔を向けた。
「その通りです。貴女がたも噂くらいはご存じでしょう? 彼らこそ、デルガド聖国で世界を救った大英雄たち――」
彼の視線の先に居るのは、今もなお懸命に戦っている四人の救世主。
ランシックは誇らしげに、その四人の名を読み上げる。
「――テオ・サマースコット」
「【ワイアーム】召喚! 【野生之力】、【リミットブレイク】!」
空飛ぶ巨大なヘビを召喚したテオが、すぐさまそれに緑の閃光を纏わせる。
牙を剥いたその空飛ぶヘビ『ワイアーム』は、迫りくるフェニックスをひと噛みで倒し瘴気紋へと還した。
「――シャラ・サマースコット」
「【キャスティング】! 【シフトディフェンサー】【リベレイション】!」
シャラは皆に『防刃の帷子』を投擲し、モンスターの攻撃を守らせる。
同時に錫杖の先端に『安定の海錨』を装着し、モンスターの群れを拘束。
「――マナヤ・サマースコット」
「【フロストドラゴン】召喚ッ! 【時流加速】【跳躍爆風】!」
マナヤが巨大な氷竜を召喚し、その背に跳び乗って空中を翔ける。
上空から氷の刃を纏った吹雪ブレスを連射し、モンスター達を凍結させていく。
「――そして、アシュリー・サマースコット」
「【ペンタクル・ラクシャーサ】!!」
アシュリーが自前の剣を一閃させ、迫りくるモンスターへ突進。
彼女の奔った赤い軌跡に白い衝撃波が伴い、近寄ってこようとするモンスター達を鎧袖一触していく。
「そう。彼らこそ、わが国が誇る『コウマ流召喚術』の創始者――」
ランシックは村人達へと視線を戻す。
感心と尊敬へと変わっていた彼らの表情を見回し、満足そうに目を細め……
全員に聞こえるように、高々と宣言した。
「――人呼んで、召喚師の救世主。『サマースコット一家』です!」
別人格は異世界ゲーマー 召喚師再教育記
-完-
――ふたりが、『別人格』でなくなった今。
私が語る彼らの物語は、これでおしまい。
ですが、これからも四人の人生は続いていきます。
願わくば、これを読んでくださっている皆さまは……
どこかの世界に本当に存在するかもしれない彼らのことを、これからも応援し続けてあげてください。
彼らの戦いを、生き様を、決して忘れないであげてください。
ここまでお付き合いくださり、まことにありがとうございました!
――2023年8月6日 星々導々
※あとがき、という名の執筆裏話に興味がおありの方は、こちらの活動報告もどうぞ↓
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